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育児放棄された弟を救えるのか?再会した弟の変わり果てた姿に涙が止まらない【作者に聞く】

  • 2026.4.13
弟がいると知ると、世界が変わって見えた! 墨染清(@sumizomesei)
弟がいると知ると、世界が変わって見えた! 墨染清(@sumizomesei)

「私に弟がいた!!」。主人公の恵(めぐむ)は、家の押し入れで1枚の古い写真を見つける。そこには離婚した父と母、そして幼い自分と見知らぬ小さな弟が写っていた。弟の存在に歓喜した恵は、写真の裏に記された住所を頼りに、一縷の希望を抱いて弟に会いに行く。しかし、そこで待ち受けていたのは想像を絶する凄惨な現実であった。

弟のことを覚えていなかった姉と、姉のことを覚えていた弟 墨染清(@sumizomesei)
弟のことを覚えていなかった姉と、姉のことを覚えていた弟 墨染清(@sumizomesei)
毒のこども_P03 墨染清(@sumizomesei)
毒のこども_P03 墨染清(@sumizomesei)
毒のこども_P04 墨染清(@sumizomesei)
毒のこども_P04 墨染清(@sumizomesei)

学校帰りに友人に付き添われ訪ねたアパートの一室は、まるでごみ屋敷のような惨状だった。ドアを開けたのは、育児放棄(ネグレクト)の結果か、学校にも通わずやせ細った弟の姿。奥にはだるそうに寝そべる女がいた。恵は言葉を失い、同行した友人は「やばいって、帰ろう。これは無理」と戦慄する。ドアを閉められたあとも、恵は「弟…かわいかった」と大粒の涙を流しながら絞り出すように呟く。今ここで逃げ出せば、二度と「お姉ちゃん」とは名乗れない。そんな予感に、彼女は立ち尽くすしかなかった。

封印された「負の記憶」と、埼玉への不思議な愛着

本作のタイトルは「毒のこども」。作者は、2017年冬期の「ゲッサン新人賞」(小学館)や2021年5月期の「新世代サンデー賞」(小学館)で佳作受賞の経歴を持つ漫画家・墨染清(@sumizomesei)さんだ。2024年12月まで「DLsite comipo」((viviON)にて「強がりユキヒト君はデレたくないのに」を連載するなど、精力的に活動している。

作中、恵は弟の存在を「さっぱり覚えてない」と笑い飛ばすシーンがある。この描写について墨染さんは「恵は弟のことを忘れていたわけではなく、考えないようにしていただけ」と分析する。彼女にとって、弟の記憶は自分自身の負の歴史の象徴。普段明るく振る舞う彼女は、その話題に触れることを無意識に避けていたのだという。

また、墨染さんの作品の9割は埼玉県が舞台となっているが、意外にもさんは同県を訪れたことがないという。「東京ほど人が多すぎず、かといって田舎でもなく、適度に賑わいがありながらも穏やかな空気が流れていそう。そんなイメージが私の描きたい世界観とぴったり合う」と、独自の視点でその魅力を語る。

鳴り止まない共感の声、描き続ける「家族」の物語

読者からは「ただ一言、お姉ちゃんに『よく頑張ったね』と言ってあげたい」「ひぃひぃ泣ける」といった熱い感想が寄せられている。特にラストシーンで描かれる「4つのケーキ」が持つ意味に、多くの人が涙した。

墨染さんは現在、家族をテーマにした新作の読切作品を準備中だという。「家族がテーマの話なので、本作を気に入ってくださった方は、こちらもチェックしてもらえるとうれしいです。ほかにも、今まで取り組んだことがないチャレンジも予定しています」と、フォロワーを驚かせるような仕掛けを示唆した。

凄惨な環境に置かれた姉弟の心の機微を、温かく、かつ鋭く描き出す墨染作品。最後の展開まで、その行く末をしっかりと見届けたい。

取材協力:墨染清(@sumizomesei)

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