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入院が決まった70代母→「保険に入っていてよかった」はずが…1ヶ月後、40代夫婦を襲った“想定外の事態”に「考えていなかった…」

  • 2026.6.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

親が入院したとき、まず気になるのは入院費や手術費です。

医療保険に加入していれば、「お金の面はひとまず安心」と感じる方もいるでしょう。

しかし、親の病気やけがで注意したいのは、入院中の費用だけではありません。

退院後に介護や生活支援が必要になると、訪問介護、デイサービス、介護用品、通院の付き添いなど、別の支出が続くことがあります。

今回は、入院費は医療保険でまかなえたものの、退院後の介護サービス費で家計が圧迫された40代夫婦の事例をもとに、見落としやすいお金の備えを解説します。

「入院費は払えた」のに、退院後に家計が苦しくなった理由

45歳の会社員Aさんは、妻と中学生の子ども1人の3人暮らしです。

世帯の手取り収入は月約42万円。

住宅ローンが月11万円、教育費が月5万円、食費や光熱費、通信費などを差し引くと、毎月の貯蓄は3万円ほどでした。

ある日、ひとり暮らしをしていた72歳の母親が自宅で転倒し、大腿骨を骨折。

手術を受け、約1か月入院することになりました。

母親は医療保険に加入しており、入院給付金と手術給付金で、入院中の自己負担は大きく抑えられました。

Aさん夫婦は「保険に入っていてよかった」と胸をなでおろしました。

ところが、退院が近づくにつれて別の問題が見えてきました。

母親は以前のように歩けず、自宅での生活には支援が必要な状態になっていたのです。

退院に向けて要介護認定を申請し、ケアマネジャーと相談しながら、週2回の訪問介護、週2回のデイサービス、介護ベッドのレンタルを利用することになりました。

さらに、室内で転倒しないように手すりを設置し、玄関まわりの段差対策も必要になりました。

公的介護保険の対象になるサービスで、支給限度額の範囲内であれば、原則として全額を自己負担するわけではありません。

それでも、介護サービス費の自己負担は月約2万5,000円。

紙おむつや配食サービス、通院時のタクシー代などで、さらに月2万円ほどかかりました。

Aさん夫婦も週末に実家へ通うようになり、交通費が月1万円ほど増加。

妻が通院付き添いのためにパートを休む月は、収入が1万〜2万円減ることもありました。

結果として、退院後の家計負担は月5万〜7万円ほど増加。

それまで月3万円できていた貯蓄は止まり、月によっては赤字になりました。

Aさんは「入院費は保険で何とかなったのに、その後の生活費まで考えていなかった」と感じたそうです。

医療保険で安心しすぎると見落とす「その後の支出」

医療保険で備えられる費用と、退院後に発生する費用を分けて考えていなかったことです。

医療保険は、主に入院や手術などの医療費に備えるものです。

一方、退院後に必要になる訪問介護、デイサービス、介護用品、住宅改修、通院の付き添い費用まで、すべて医療保険でまかなえるとは限りません。

公的介護保険を使える場合でも、自己負担は残ります。

介護保険サービスの自己負担は原則1割ですが、所得によって2割または3割になる場合があります。

また、介護保険で利用できるサービスには限度額があり、限度額を超えた部分は全額自己負担になります。

さらに、介護に関する支出の中には、介護保険の対象外になりやすいものもあります。

たとえば、配食サービス、日用品、家族の交通費、通院の付き添いに伴う休業、見守りサービスなどです。

これらは1つずつ見ると大きな金額ではなくても、毎月続くと家計への負担になります。

月5万円の負担でも、1年続けば60万円です。

月7万円なら、1年で84万円になります。

親の退院後の生活が長引けば、子ども世帯の教育費、住宅ローン、老後資金にも影響しかねません。

入院費だけでなく、「退院後に毎月いくらかかるか」を早めに見ておくことが大切です。

親の入院で確認したい家計防衛のポイント

親の入院は「医療費の問題」だけでなく、「退院後の生活費の問題」として考える必要があります。

まず確認したいのは、親本人の年金収入、預貯金、加入している保険の内容です。

民間の医療保険に介護保障が付いている場合もありますが、すべての契約に付いているわけではありません。

要介護状態になったときに給付金が出るのか、どの要介護度から対象になるのか、給付は一時金なのか年金形式なのかを確認しておきましょう。

次に、退院前の段階で病院の相談員や地域包括支援センターに相談することです。

退院後に必要な介護サービスの内容が見えてくると、毎月の自己負担額も試算しやすくなります。

家族で確認したいポイントは、次の3つです。

  • 親本人の収入と預貯金で、毎月の介護費をどこまで払えるか
  • 子ども世帯が援助する場合、月いくらまでなら無理がないか
  • 通院付き添いや実家への移動で、家族の時間や収入にどの程度影響が出るか

特に40代、50代の子ども世帯は、住宅ローンや教育費が重なりやすい時期です。

親のために支出するお金であっても、無理を続ければ自分たちの家計が崩れることがあります。

大切なのは、「入院費を払えるか」だけで判断しないことです。

  • 退院後に介護が必要になった場合、毎月の支出がどれくらい増えるのか
  • 家族の働き方や移動時間にどのような影響が出るのか

そこまで含めて考えておくと、慌てて家計を削る事態を避けやすくなります。

医療保険は、入院や手術への備えとして役立ちます。

ただし、親の病気やけがでは、退院後の生活支援まで含めてお金の流れを見ることが大切です。

「保険で入院費は足りたから安心」と考える前に、退院後の毎月の負担を確認しておきましょう。

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