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【50代介護】介護福祉士の資格を持つプロでも家族の介護は迷走だらけ。完璧を目指さず、いい意味で『いい加減』になることも大切

  • 2026.4.13

現在経験している方、これから直面するであろう親の介護問題。実際に介護を経験した読者に、そのエピソードや介護中の気持ちの揺らぎなどを聞きました。今回は介護福祉士の資格を持つ山口こず恵さんのお話。「介護福祉士である私には多少の知識はあるし、介護の現場もたくさん見てきましたが、いざ自分が介護をするとなると勝手が違いました」という、リアルな体験を教えていただきました。

介護福祉士の私でも、家族の介護は迷走だらけです。「こうじゃなきゃ」より「まあいいか」の精神で

がんにかかった実父を見送った後、現在は難聴が進んだ実母の介護中

山口こず恵さん

愛知県在住。介護福祉士の資格を持つ。ステージ4のがんと診断され、入退院を繰り返す父を8年間介護した後、見送る。現在は、老人性難聴が進んで要介護となった母を家族と協力しながら介護している。

父を亡くしたショックで母が体調を崩し、要介護に

「私は両親の介護を経験しました。まずは父。ステージ4のがんだった父は、自宅と病院を行き来しながら治療を続けていました。幸い、体調が悪くなるたびに入院して適切な治療を受けることができ、亡くなる前日まで会話もできました。ただ、『最後に温泉に行きたい』とずっと言っていて、結局、管につながれたままで叶えてあげられなかったことはいまも心の片隅に残っています。それでも、治療の選択自体は正しかったのではないかと思っています。 そして父を見送った後、母の介護が始まりました。母は父に頼りきりの人だったので、父が亡くなると、まるで階段から転げ落ちるように体調が悪化していきました。身体的な衰えだけでなく、精神的な落ち込みや老人性難聴も重なって、やや認知症気味に。そうして介護の必要性が急に高まったんです。その後すぐに、要介護認定を取得。現在は週6日、デイサービスを利用しつつ、母と同じ敷地内に住む兄とともに、母の生活を見守っています」

母の変化に合わせて環境を整えてあげる大切さ

介護が必要な状態になってからというもの、いろいろな変化が出始めてきたと言います。 「老人性難聴が進み、母には補聴器が不可欠になりました。しかし、自身で補聴器を管理するのはなかなか難しく、性能のいい小型のものほど紛失しやすいんです。いまは私や兄がサポートしながら、なんとか使ってもらっています。 そして、身だしなみにも変化がありました。もともと身なりには人一倍気を使っていておしゃれな母でしたが、いまはより着やすい服、手に取りやすい服を選ぼうとします。その変化自体はいったん受け入れたうえで、母が過ごしやすいよう環境を整えてあげる必要があると感じました。ものがたくさんあると、選べなくて混乱してしまうようです。 身だしなみについては、ほかにも。以前は、髪のカラーやカットのために毎月決まった美容室に通っていました。しかし、いつからか『長時間座っていると腰が痛くなって辛い』と言うように。 それで、思いきってカラーはやめて、ドライヤーの手間を減らすために長さも短くすることに。さらに、美容室自体も短時間で済むチェーン店に変えてみました。『美容師さんの指名ができないし、母自身は嫌がるかな』と思ったのですが、結果、本人は大満足!やってあげてよかったなと思いましたね」

介護される側だけでなく介護する自分のことも大切に

「父母の介護を通して学んだこととして、ひとつは、認定などを受ける際は本人を連れていかないこと。窓口の担当者次第では、本人を目の前にして冷たい言葉を投げかけられることがあります。本人の尊厳を守るためにも、同行させないことをおすすめします。 あとは、マンパワーを借りること。自分の生活を壊さないことが、結果的に介護を続ける力になります。プロの力にはどんどん頼りましょう。 そして、完璧を目指さないこと。介護福祉士である私には多少の知識はあるし、介護の現場もたくさん見てきましたが、いざ自分が介護をするとなると勝手が違いました。最初は完璧にやろうとしていましたが、それでは続きませんでした。 いまはいい意味でいい加減でいいと思っていて、本人の意思を尊重し、『本人がそうしたいならまあいいか』と考えるように。そうすることで、自分が思い詰めることもなくなります。介護福祉士の立場からも、介護する人が、なるべく心穏やかでいられるようになったらいいなと思います」

イラスト / 植草桂子 構成・文/平井薫子 ※素敵なあの人2026年5月号「素敵読者の介護Stories」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

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