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【60代介護】義母、実母、実父の介護体験で実感。「嫁だから、娘だからと背負い込まず、専門家の力を借りながら自分の時間も守ってほしい」

  • 2026.4.11

親の介護問題は、いつだれに起きてもおかしくないもの。今回は、素敵読者の篠部朋子さんの、義母、実母、実父の介護をしたときの実体験をご紹介します。

認知症の義理の母にイライラをぶつけられても、〝私は女優〞のマインドで乗り越えました

義母、実母の介護を担い、いまは 98 歳の父の生活を支える

篠部朋子さん

大阪府在住。認知症と生活習慣病を併発した義母を約1年間介護した後、見送る。続けて実母に難病が発覚し、父とともに5年間の在宅介護、10年間の入院生活を支えた後、見送る。現在は98歳の父の生活支援を行う。

認知症の義母をひとりで。仕事との両立は壮絶

「初めに経験したのは、義理の母の介護でした。糖尿病をきっかけに認知症や高血圧、動脈硬化を併発し、入退院を繰り返していた義母。介護は、ほとんど私ひとりで担っていました。そのときは仕事もしていて、仕事と介護の両立はとても大変でした。 認知症が進むにつれ、義母は私のこともわからなくなっていきました。じっとしていられなくて外に出ようとしたり、家にいるのに『家に帰りたい』と言われて仕方なく外へ連れ出したりすることも。きつい言葉をかけられることもありました。 そんなとき心がけていたのが〝女優になること〟。役を演じるつもりで、嫌な感情があっても表に出さず、相手を否定しないよう努めていました。 また、入院中にはつき添いを求められて病院に泊まり込むことも。そうなると、自分の食事や入浴がままならないようになってしまいました。そのときの私はかなり追い詰められていたようで、見かねた病院の相談員さんが声をかけてくれ、施設の利用をすすめてくれたんです。 それを受けて、思いきって入所を決断。無事に入所した後は、心からほっとしたことを覚えています。その日の帰り道に見た景色のことは、いまでも忘れられません。その相談員さんには本当に感謝しています」

葛藤があった実母の介護。いまは実父を支える日々

実母の介護が始まったのは、そのすぐ後だったと言います。 「元気だった母が、小脳が萎縮して全身の筋力が低下する難病にかかっていることがわかりました。父と相談して、介護つき住宅への引っ越しや自宅改修など、環境を整えていきました。 やがて食事も難しくなり、延命の選択を迫られることに。痩せ細る母を見ることがつらく、胃ろうを選びましたが、その結果10年間の入院生活となりました。いまでも『あの選択でよかったのかな』と後悔する気持ちが消えません。母を見送ったときは『さみしいけど、これで母も楽になれたのかな』と思いました。 そしていまは、ひとり暮らしの父を見守っています。週に1〜2回通い、食事の様子を確認したり足りないものを届けたりしています。 ヘルパーさんには週3回、食事や掃除をお願いしていますが、父は、洗濯などできることは自分でやろうと努めています。ただ、母を見送ってから体力が落ち、生きがいを失ったように感じることもあるため、心配は尽きません」

介護を続けるためには自分の時間も大切に

「介護中は自分の時間もなく、とにかく孤独で、病院へ向かう車の中は唯一声を出して泣ける場所でした。そんな私を支えてくれたのが、誰かと笑いながら食事をする時間。義妹や姪が差し入れを持ってきてくれ、病室で一緒に話をした短い時間が、どれほど救いだったかわかりません。 実際に介護を経験したことで、介護への印象も変わりました。40代のころは、もちろん大変なものだと思いつつも、どこか他人事のように感じていたかもしれません。 しかしいまでは、介護をする方々に『ひとりで抱え込まないで』と伝えたいです。介護に、正解はありません。どんな選択をしても、後悔や迷いは残ることがあります。だからこそ、周囲の言葉に振り回されず、自分が納得できる形にしてほしい。 時代は変わっています。嫁だから、娘だからと背負い込まず、専門家の力を借りながら自分の時間も守ってほしい。それが、長く続く介護を支えるためにとても大切なことだと思います」

イラスト / 植草桂子 構成・文/平井薫子 ※素敵なあの人2026年5月号「素敵読者の介護Stories」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

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