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5人チームも組めなかった… 元プロ選手が指摘する「部活」を守る新しいカタチのポイント

  • 2026.4.12

北海道内の公立中学校の生徒数は、ピークだった40年前の約27万人から、2024年度には11万人ほどと半分以下に減ってしまいました。

ピンチを迎えているのが、地方の「部活動」です。

活動自体が難しくなっているケースもあるようですが、いま、新たな工夫が始まっています。

学校を超えた絆

北海道オホーツク地方の紋別中学校で、汗を流すバスケットボール部。
パスワークは、息ピッタリですが、実は、別々の中学校に通う生徒の「合同チーム」です。

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紋別中学校の2年生は、「人数が少ないので合同チームになるが、メンバー全員仲がいいので、気まずいとかないです」と話してくれました。

また、潮見中学校の2年生も、「他のチームと協力して練習試合できるのが一番楽しい」と笑顔を見せます。

生徒数の減少が続く中、部活動をどう守っていくのか。子どもたちの青春を『地域で支える工夫』を取材しました。

音楽がつなぐ輪

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音楽室で練習していたのは、紋別中と潮見中、2つの学校の生徒による「合同バンド」です。
2026年4月の新年度からは、これまで吹奏楽部がなかった渚滑中の生徒も、参加できるようになります。

複数の学校で部活動に取り組むのは、少子化によって1校ごとに維持することが年々難しくなっているからです。

国は、部活動を地域全体で支える取り組みを進めています。
紋別市では、吹奏楽部を複数の中学校による「地域文化クラブ」として再編成しました。
指導や楽器の維持管理といった運営を、市内のNPO法人に委託しています。

紋別市教育委員会の牧野昌教教育長は、「地域クラブは大きい編成で活動でき、メリットはあった。想像以上にうまくいっている。学校が違っても仲良くやってくれて、吹奏楽では手ごたえを感じている」と語ります。

スポーツの危機

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吹奏楽部の成功を受け、紋別市ではスポーツ系の部活についても地域移行を進めています。バスケ部の場合、紋別中も潮見中も、3年生が抜けると10人を下回ってしまい、単独では5対5のチーム練習もできませんでした。

それが合同チームになったことで、試合形式での練習ができるようになったのです。

牧野教育長は、「紋別中も潮見中も各学年2クラス程度ですから、もうチームを組めない競技がたくさんはみ出してきている」と現状を分析します。

プロのノウハウ

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ただ、今のように学校の垣根を超えるには数年がかかりました。

紋別市は、2022年ごろから「部活の地域移行」に挑戦し始めたものの、特に運動系の地域クラブを運営するノウハウがなかったのです。

そこで、協力を求めたのが、子ども向けのスポーツスクールなどを、全国で展開する東京の会社「リーフラス」でした。

リーフラス北海道支社の瀬尾拡大支社長は、「部活動は子どもたちにとって大切だと思うし、大人になるうえで重要な教育の過程。各自治体、さまざまな課題があるが、地域の課題に寄り添って、しっかりと持続可能な地域クラブ、そのモデルを作っていきたい」と意気込みを語ります。

先生たちの変化

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部活動を一つの学校ではなく、より広い「地域」として考えることは、競技関係者やボランティアなどに指導者として関わってもらうことにもつながります。
これは、人手不足に悩む教員側にとっても、メリットは大きいようです。

紋別中学校バレー部顧問の横内佑哉教諭は、「部活動にかかわる時間の部分で教員の働き方改革になる非常にいい試みだと思う」と期待を寄せています。

「これまで部活動の時間だった部分を『教材研究』に充てられることで、授業改善やその他の部分でよりよい物が生徒たちに提供できるようになる」

夢への一歩

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紋別市では、2026年度から13の地域クラブで本格的な活動を始める計画です。
これまで地域移行した部の多くが、休日だけの活動でしたが、平日にも拡大するため、指導者の確保や育成などを進めています。

練習に励む紋別中学校の2年生は、「試合などができる環境があるのはうれしいですね」と語り、潮見中学校のバスケ部員は、将来の夢について「プロバスケットボールプレイヤーになりたい」と力強く答えてくれました。

専門的な指導の価値

部活動をめぐる課題と対策について、HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオでも議論が行われました。

「紋別市に野球教室などで行く機会が多い」と話すコメンテーターの鶴岡慎也さんは「小学生で野球をやってる子は多いですが、中学校になると途端に狭まってしまう」と現状を教えてくれました。

「人口の推移もあるので、仕方ない部分もあると思いますが、専門的な知識を持った指導者に教えてもらえれば、野球人口とかも増えていくとも思うので、こういう取り組みはすごくいいと思います」

一方で、鶴岡さんは課題も指摘します。

「僕も野球を教えることに関しては得意ですが、教育者としての視点や、そういう知識は持っていないです。中学生は技術を教えるだけではないと思うので、教える側の高い倫理観を含めて教育していくというのは大事になってくるんじゃないかなと思います」

プロのスポーツとはまた違う「部活」のメリットも大いにありますが、なかなか全てがうまくいくというわけでもないのが、この問題の難しいところ…。
人口減少、子どもの数の減少が続く中で北海道内外で様々な対策が進んでいます。

取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年3月30日)の情報に基づきます。

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