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【ネタバレあり解説】6年間で誰もが「日本人」になる!? ドキュメンタリー『⼩学校〜それは⼩さな社会〜』

  • 2026.4.12

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」 『⼩学校〜それは⼩さな社会〜』

story 「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12 歳になるころには、⽇本の⼦どもは“⽇本⼈”になっている。すなわちそれは、⼩学校が鍵になっているのではないか」との思いを強めた山崎監督が、1年間、150 ⽇、700 時間世田谷の公立小学校に密着取材したドキュメンタリー。
監督・編集:山崎エマ/配給:ハピネットファントム・スタジオ/公開:現在、Netflixほかにて配信中
© Cineric Creative / NHK / Pystymetsä / Point du Jour

日本の小学校ってすごい教育機関……

昨年の米アカデミー賞で短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『Instruments of a Beating Heart』という作品がございまして。この長編版『⼩学校〜それは⼩さな社会〜』がようやくネトフリほかで観られるようになりました。パチパチパチ。そして、そんな山崎エマ監督が自身の生い立ちと、どうしてこのドキュメンタリーを作るに至ったかを記した『それでも息子を日本の小学校に通わせたい』(新潮新書/発売中)が、現在ベストセラーに。で、山崎監督にインタビューするために、『小学校〜』を見直したんですが、いやーやっぱいい。おかわり何度でもしたくなるドキュメンタリーなのよ。
 

放課後のお掃除を子どもたちがやるのも、日本独自の教育なんですって。っていうか、これやったおかげで掃除のやり方覚えませんでした?

監督がこの作品を作ろうと思ったきっかけは、監督のルーツに関わっているのね。イギリス人のお父さんと日本人のお母さんの間に生まれて関西で育った監督は、家では英語と日本語の生活。で、日本の公立小学校を経て中高はインターナショナルスクールに通ったので、日本のお子さんとグローバルのお子さんの違いを自ら経験してたの。で、考えたのが「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12 歳になるころには、⽇本の⼦どもは“⽇本⼈”になっている。すなわちそれは、⼩学校が鍵になっているのではないか」という考え。すごい着眼点。たしかにそうなのよ。あたしの友人も生まれや高等教育は外国っていう人少なくないんだけど、小学校を日本の公立校で過ごしたって人、見事なまでに日本人っぽいの。でも、この考えには結びつかなかったし、なんなら友人が近い存在過ぎて、違いなんて考えたこともなかったのよね……。目からウロコの考え方。
 

んで、『小学校〜』。これ、マジですごくて、そもそも日本の公立小学校が一年間カメラ入れることを許可しただけでも奇跡。だってさ、保護者のみなさんだって、「うちのコをよろしく」って感じでお預けするでしょ。普段の学校運営に関してはみられないし、授業を見られるのは授業参観っていういわば特別なステージのみ。いい言葉じゃないけどブラックボックス化しているから、余計にネガティブな事件の報道ばかりが目立つのよね。
 

日本の学校給食のバランスのよさは有名なんだけど、給食の配膳も子どもたち自身ってのが海外では驚愕だったそうです。

でもね、ヤバい先生や生徒の事件は、目立つけど稀なのよ。むしろ教員も生徒もほぼ全員、まじめに取り組んでいるんだから、そっちに目を向けずにどうする、ってお話で。このドキュメンタリーで出てくる子どもたちのがんばりはもちろん、保護者のみなさんや先生たちは、毎日昼夜問わずに生徒たちの成長と教育について取り組んでいることがつぶさに描かれているの。撮影時期がコロナ禍真っ只中ってこともあって特殊な時期とはいえ、行事や授業などはぶっちゃけ日常過ぎて「画にならない」はず……なのに、すげードラマチック。これ、確実に編集の勝利。監督、すげえ。
ってことで、これをまずは皆さんにもご覧いただいて、自分の小学校時代やご自身のお子さんを重ねてみたり、地域が違う方は「東京はこういう感じなんだ」って思っていただいたり、はたまたコロナ禍中の学校運営の苦難に共鳴していただいたり。山崎監督のインタビューは近日公開予定なので、それまでに一度ご覧あそばせ。

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