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神田駅徒歩2分に静まる昭和 仕事帰りに一人、大鍋の湯気を眺めながら「上質なおでん」をたしなむ至福の夜

  • 2026.4.10
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神田駅南口から歩いてわずか2分。駅前の喧騒を抜け、日銀通りからふわりと路地へ入ると、そこにはまるでタイムスリップしたかのような光景が広がっています。

目に飛び込んでくるのは、どこか懐かしく、凛とした佇まいの暖簾。今回ご紹介するのは、1927年(昭和2年)創業の老舗おでん処「尾張家(おわりや)」です。

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尾張屋の店構え

一歩足を踏み入れれば、そこは古き良き昭和の世界。お店の中央に鎮座する大きなおでん鍋を囲むカウンター席は、長年愛されてきた名店特有の、温かく深い情緒を醸し出しています。

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カウンター席から

豊洲直送 おでん屋の域を超えた「極上の刺身」

こちらを訪れたら、おでんの前にまず楽しんでいただきたいのが、豊洲市場から仕入れる鮮度抜群のお刺身です。「おでん屋の刺身」と侮るなかれ。そのクオリティは割烹や寿司屋にも引けを取りません。

この日は「赤貝」と「子持ち昆布」の二種盛りをいただきました。

赤貝は、見るからに艶やかで身が厚く、口に運べば磯の香りがふわっと広がります。コリコリとした力強い食感の後にやってくる濃厚な甘みは、鮮度の良さそのもの。

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刺身の二種盛り

そして、お酒のあてに最高なのが子持ち昆布です。厚みのある昆布にびっしりとついた魚卵のプチプチとした弾けるような食感が心地よく、噛みしめるたびに溢れ出す旨みがたまりません。

丁寧な仕事が光る 透き通った「上質な出汁」

お刺身を堪能した後は、いよいよ主役のおでんです。素材の良さを最大限に引き出すのは、透き通った関西風の薄味仕立て。

名物の「とうふ」は、地元・内神田の老舗『篠崎豆腐店』のものを使用。これが一般的なおでん豆腐のイメージを鮮やかに裏切ってくれます。

熱々の豆腐の上には、鰹節、ねぎ、そしておぼろ昆布がこれでもかというほど「てんこ盛り」に。出汁の染みた豆腐と、おぼろ昆布の粘り、鰹節の香りが三位一体となって押し寄せ、一口ごとに幸福感に包まれます。

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おでんの豆腐

もう一つの主役「ロールキャベツ」

さらに、ファンも多いのが「ロールキャベツ」です。お箸でスッと切れるほど、しなしなになるまで煮込まれたキャベツは、もはや出汁と一体化しているかのよう。

中の挽肉は、築地の銘店『日山』の牛挽肉を使用。その濃厚な旨みが、あっさりとした出汁と重なり合うことで、奥行きのある深い味わいを生み出しています。

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おでんのロールキャベツ(右)

練り物も一切の妥協はありません。豊洲市場で自社製造している『石澤』のものを使用しており、野菜たっぷりの「がんも」や、出汁の染み具合が絶妙な「ちくわぶ」など、定番メニューも一線を画す美味しさです。

神田の裏路地で、昭和の空気感に浸る

昭和の空気感に浸りながらいただく、上質なおでんと新鮮な魚介。一人カウンターで湯気を眺めながら一杯やるも良し、大切な方とゆっくり旬を味わうも良し。

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おでんのがんも

派手さはないけれど、確かな素材選びと温かいおもてなし。心までじんわりと温まりたい夜に、ぜひ暖簾をくぐってみてください。

年間600軒飲み歩くハツ「一度は訪れたい名店」(63)店舗情報

(不定期連載)

年間600軒飲み歩くグルメハンター、SNS総フォロワー23万人超。グルメコミュニティ「東京グルメサロン」主宰。〝本当に美味しい店〟だけを厳選紹介。人生のテーマ:「グルメは最高のコミュニケーション」

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