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「SNSの幸せな合格記」には書かれていないこと。東大軍師が教える、後悔しない中学受験の“賢い失敗”

  • 2026.4.9

プロ家庭教師として25年以上にわたり、のべ約3000人の受験生をサポートしてきた“東大軍師”こと長谷川智也先生。「コレさえ『しなければ』大丈夫!」を集めた著書『中学受験で後悔したこと 失敗しない「頭・時間・お金」の使い方』も大きな話題を呼んでいます。中学受験生の親として、SNSにあふれる「幸せな合格記」を見ては、焦りや孤独を感じてしまう……。そんな親御さんも多いはず。しかし長谷川先生は、実は成功例よりも失敗例の中にこそ良い中受を迎えるヒントがある、と語ります。そこで今回、自身も中学受験生の親であるwithclass岡本編集長が、長谷川先生と対談。塾選びや子どもの睡眠など、日々直面する悩みの対処法から、親が持つべき“悟り”まで、全4回にわたってじっくりとお話を伺います。第1回は、「後悔しない中学受験」とは何か。失敗を、親子が成長できる“糧”へと変えるための心の持ちようについて探ります。

SNSの「幸せな合格記」は毒になる? あえて“賢い失敗”を学ぶべき理由

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岡本 『中学受験で後悔したこと 失敗しない「頭・時間・お金」の使い方』、読ませていただきました! 中学受験生の親として、本当に参考になることばかりで。長谷川 ありがとうございます。岡本 中受の情報を得ようと思うと、どうしてもSNSを見てしまいます。SNSで目立つのは、成功例じゃないですか。そうすると、比べちゃダメってわかっていても比べてしまう。世の中の人たちはみんな成功していて、失敗しているのはうちだけだ、みたいに。長谷川 わかります。基本的に成功したことしか書かないですから。岡本 でも、『中学受験で後悔したこと』では、「塾に通わせるのが遅すぎた」「塾が合わなかった」「親子の信頼関係が崩れた」など、失敗例を具体的に挙げてくださっている。しかもその対処法まで。これが知りたかった!と思いました。長谷川 この本の製作スタッフの中にも、中学受験生のお子さんがいて。同じように巷にあふれる成功例ばかりを見て、成功していない親としてはすごく苦しかったとおっしゃっていました。岡本 そう感じている親御さん、多いんでしょうね。長谷川 僕自身が生徒さんを見るときも、失敗例のほうが役に立つんです。一人の子の成功パターンを、他の子に当てはめてもうまくいかない。逆に、失敗パターンは、かなりの割合のお子さんやご家庭に当てはまります。だから僕の中に失敗例を貯めていって、「これはしないほうがいいよ」と消去法で伝えるようにした。そうすると、効率的に成績アップにつながるんですね。トラップを回避する、みたいなものです。岡本 なるほど! これをしなければうまくいく、というやり方ですね。

親が悟れば子どもの成績も伸びる⁉︎

岡本 本の中でとても印象的だったのが、志望の中学に落ちて後悔ではなくて、受かっても後悔することがあるんだなと。学校選びを間違えた、名門校に行ったらすごい子ばかりで自己肯定感が低くなってしまった、受験にお金をかけすぎた……。いろいろな場合がありますね。長谷川 話を聞くと、そういうご家庭はかなり多いです。僕も意外でした。志望校に通い始めても、不登校気味になったり、深刻なケースではその後、退学になってしまうこともあります。岡本 先生は、受かったのに後悔する親子と、全然後悔しない親子の、一番の違いは何だと思いますか?長谷川 小さいことに目をつぶれるかどうか、じゃないでしょうか。そんな様々な失敗も含めて、全部OKと許容できる。岡本 親御さんが我が子を俯瞰して見られる、みたいな感じですか?長谷川 そうですね。お子さんにべったりだったのが、ちょっと距離をとれたり、怒りたいけどちょっと我慢できたり。その「ちょっと」が大きいんです。その連続で、うまくいくことが多いから。最終的に、中学受験を通じて、親御さんがお子さん以上に成長されている。岡本 親御さんのほうが成長するんですね。長谷川 6年生の10月くらいになると、急に悟るんですよ。「これから先、私にできることはもう何もない。今までいろいろやってきたけど、もうこれでいい。それまでの失敗も、私を成長させてくれるための糧だったんだ」って。毎年、一定の割合でこの境地に達する親御さんがいらっしゃいます。岡本 肩の力が抜けるんですね。長谷川 そうすると、お子さんの成績もバーンと伸びたりします。今年も実際にありました。親御さんの変化によって、お子さんも変わるんです。

落ちる時は落ちたほうがいい? 良い受験を迎えるための親の視点

岡本 悟り、大事ですね! ただ、我が子のこととなると難しいですね。最後までヤキモキしてしまうのが親かな、とも思います。長谷川 それもわかります。だから僕がよく言うのは、「落ちるときは落ちるのがよく候」です。僕が好きな歴史上の人物、良寛さんの言葉「災難に遭う時節には災難に遭うがよく候、死ぬ時節には死ぬがよく候」(災難などは避けようとしても避けられないから、受け入れたほうが楽)をもじって、「最後は寝て待つくらいでOK」という意味で使っています。岡本 なるほど、現実を受け入れる。長谷川 努力して実力が届いていれば、そして縁があれば、志望校に必ず合格します。実力がまったく足りていなければ、絶対に受かりません。縁がない場合も、偏差値が少し下くらいの学校であっても落ちます。落ちたら悲しいかもしれませんが、縁がある学校に行ったほうが、その後うまくいくケースがほとんどです。僕が様子を見ていても、「こっちでよかった」と親子ともども実感できています。岡本 不安でも、「落ちる時は落ちたほうがいい」、程度に思ったほうがいいわけですね。難しい(笑)!長谷川 他の子ならともかく、自分のお子さんにはね。でも、それくらい悟っていれば後悔は消えますし、良い中学受験になります。重課金などを繰り返して無理を通せば縁のない中学に入れるかもしれませんが、その結果、学校が合わなくて不登校という不幸につながる可能性も結構あります。

失敗はむしろラッキー! 頑張った経験が大きな成功につながる

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岡本 よくよく考えれば、中学受験はただの通過点ですものね。長い人生の道の途中。先生の本にもありましたけど、失敗は貴重な体験ですよね。失敗できてむしろラッキーくらいの気持ちでいればいい。長谷川 そうなんですよ。失敗して挫折して、それでも頑張った!乗り越えた!という経験が子どもには絶対に大事で。それがあるから挑戦できるし、もっと大きな成功もつかめる。岡本 失敗しなければ成功もない。長谷川 そういう意味で、中学受験は失敗材料の宝庫なんです。全落ちを気にされる親御さんもいますが、いっぱい失敗できたことは良い経験です。高校受験のほうが向いていたのかもしれないし、収穫はいっぱいあるはずです。そこで子どもに無理を強いて、親子関係をこじらせてしまったら、もったいないと思います。岡本 確かに。親子関係が壊れるのが、本当の失敗かもしれませんね。それだけは避けたほうがいい気がします。長谷川 親が子どもの味方になってあげられていない、というのはかわいそうですよね。第2回は、中学受験での「睡眠」の大切さについてです。お楽しみに!取材・文:松井美緒

長谷川智也先生プロフィール

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1980年、兵庫県出身。高卒の両親のもとに育つもハードな中学受験を経験。白陵中学校・高等学校を経て、東京大学現役合格。卒業後、大手塾に勤務し人気講師となる。2009年に独立してフリーランスの「プロ家庭教師」に。独自のプログラム「究極の受験セカンドオピニオン・スーパーコンサル」には、年間300件を超える申し込みが殺到する。甲冑メタルバンド「武士メタルAllegiance Reign」のベーシストとしても本気で活動中。 著書に、『中学受験 奇跡を引き出す合格法則』『中学受験 論述でおぼえる最強の社会』『同・理科』など。ブログ名はジュクコ。

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