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心臓発作のリスクを下げる「簡単な睡眠習慣」が明らかに

  • 2026.4.9
Credit: canva

十分な睡眠時間を取っていても、寝るタイミングがバラバラだと意味がないかもしれません。

最近、睡眠の「長さ」だけでなく、「いつ寝るか」という習慣そのものが、心臓の健康に大きく関わっている可能性が示されました。

フィンランド・オウル大学(University of Oulu)の研究チームは、中年期の睡眠習慣と心血管疾患の関係を長期的に調査。

その結果、就寝時間を規則的にすることが、心臓発作や脳卒中のリスクの低下につながることが明らかになったのです。

研究の詳細は2026年3月24日付で学術誌『BMC Cardiovascular Disorders』に掲載されています。

目次

  • 睡眠時間より重要だった「就寝時間の規則性」
  • 体内時計の乱れが心臓に与える影響とは

睡眠時間より重要だった「就寝時間の規則性」

今回の研究では、1966年にフィンランド北部で生まれた3,231人を対象に、46歳時点の睡眠習慣が調べられました。

参加者はウェアラブル機器を装着し、約1週間にわたって睡眠のタイミングやベッドにいた時間が記録されています。

研究者たちは、睡眠を「どれくらいの時間とっているか」だけでなく、

・就寝時間

・起床時間

・睡眠の中点(寝てから起きるまでの中間時刻)

といった「時間のばらつき」に注目しました。

そして、その後10年以上にわたり、心筋梗塞や脳卒中などの重大な心血管イベントの発生を追跡しています。

分析の結果、最も重要だったのは「就寝時間の規則性」でした。

特に、睡眠時間が約8時間未満の人において、就寝時間が不規則な人は、規則的な人と比べて心血管イベントのリスクが約2倍に上昇していたのです。

一方で、起床時間の不規則さについては、明確な関連は見られませんでした。

つまり、「何時に起きるか」よりも、「何時に寝るか」のほうが、心臓にとって重要だったのです。

体内時計の乱れが心臓に与える影響とは

では、なぜ就寝時間のばらつきが心臓に影響するのでしょうか。

研究者たちは、その背景に「概日リズム(サーカディアンリズム)」の乱れがあると考えています。

これは、約24時間周期で体内の機能を調整する「体内時計」のような仕組みです。

毎日ほぼ同じ時間に眠ることで、このリズムは安定し、血圧やホルモン分泌、代謝などが適切にコントロールされます。

しかし、日によって就寝時間が大きく変わると、このリズムが乱れます。

その結果、心臓が本来必要とする「休息と回復の時間」が十分に確保されなくなる可能性があります。

イメージとしては、毎日違う時差の国に移動しているような状態です。

身体は常にリズムを取り戻そうとしますが、その負担が積み重なれば、心血管系へのストレスとなって現れても不思議ではありません。

ただし重要なのは、このリスクが顕著に見られたのは「睡眠時間が短い人」に限られていた点です。

十分な睡眠時間を確保している場合には、就寝時間のばらつきによる影響は弱まる可能性があります。

つまり、「短時間睡眠」と「不規則な就寝」が組み合わさることで、リスクが強く現れると考えられます。

今日からできる、もっともシンプルな予防策

心血管疾患は、世界で最も多い死因のひとつです。

その予防というと、食事や運動、禁煙といった大きな生活改善が思い浮かびます。

しかし今回の研究は、もっとシンプルな対策を示しています。

それは「毎日できるだけ同じ時間に寝ること」です。

特別な道具も費用も必要ありません。

それでも、心臓の健康に確かな影響を与える可能性があります。

もし最近、寝る時間が日によってバラバラになっているなら、それは見過ごせないサインかもしれません。

今日の夜、いつもより少しだけ早く、そして同じ時間に布団に入ることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考文献

One Sleep Habit Could Boost Your Heart Health, Study Suggests
https://www.sciencealert.com/sticking-to-the-same-bedtime-each-night-could-help-lower-heart-health-risk

Irregular bedtime linked to higher risk of cardiac events
https://www.eurekalert.org/news-releases/1121880

元論文

Sleep timing irregularity in midlife: association with incident major adverse cardiac events and cardiovascular disease mortality over a 10-year follow-up
https://doi.org/10.1186/s12872-026-05762-4

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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