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「私が徹夜で仕上げました!」部下の手柄を奪う社員。有能な後輩を守るため、上司が仕掛けた「完璧な罠」

  • 2026.4.9
【私が徹夜で仕上げました!】部下の手柄を奪う社員。有能な後輩を守るため、上司が仕掛けた「完璧な罠」
「私が徹夜で仕上げました!」部下の手柄を奪う社員。有能な後輩を守るため、上司が仕掛けた「完璧な罠」

見え透いた嘘と、歯痒い日常

「部長! この資料、私が徹夜で仕上げておきました!」

満面の笑みで企画書を提出してくる入社7年目のA子。私は「ご苦労だったね」と労いの言葉をかけながら、内心で深いため息をついていた。

見え透いた嘘だ。彼女の普段の業務スピードとタイピングスキルで、これほど緻密でロジカルな資料が一晩で作れるわけがない。実際には、入社4年目の優秀な後輩・Bさんに面倒な作業をすべて丸投げしていることは、部署内の誰もがうすうす感づいていた。

しかし、厄介なことに決定的な証拠がないのだ。
温厚で争いを好まないBさんは、私がそれとなくヒアリングしても「チームの仕事ですから」と庇ってしまう。本人の口から被害の報告がない以上、推測だけでA子を罰することは人事の観点からも難しかった。

だが、このままではBさんが潰れてしまう。
有能な部下を、他人の承認欲求の生贄にするわけにはいかない。私は、一つの決断を下した。

仕掛けられた罠

そんな折、社運を賭けた大型プロジェクトが動き出した。
私はあえて、このプロジェクトのメイン担当にA子を指名した。「君のこれまでの『実績』を評価してのことだ。頼んだよ」と。

案の定、A子は「任せてください!」と大張り切りで、すぐさまBさんに資料作成を押し付けていた。Bさんは連日遅くまで残り、完璧なプレゼン資料を作り上げていく。そして会議の直前、A子は「私が最終確認しとくね」とデータを奪い取った。

すべて私の想定通りだ。
ただ一つ、A子が知らないことがあった。今回のプレゼン相手であるクライアントの役員は、私がかつて一緒に仕事をしたことのある人物で、「表面的な言葉を嫌い、算出根拠や生データにどこまでもこだわる」という、非常にシビアな実力主義者だったのだ。

自分が作っていない資料で、あの役員をごまかせるはずがない。

会議室での「答え合わせ」

迎えたプレゼン当日。
会議室のスクリーンに映し出されたBさんの完璧な資料を背景に、A子はさも自分がすべてを準備したかのように、自信満々に語り始めた。

しかし、プレゼンが中盤に差し掛かったとき。
クライアントの役員が、鋭い目つきで資料の1ページを指差した。

「少しよろしいでしょうか。見事な提案ですが……この奥にある、複雑なデータ算出の根拠について詳しく教えてください。どのようなロジックでこの数字を出したんですか?」

会議室の空気がピンと張り詰める。
A子の動きが、ピタリと止まった。表面的な数字の羅列しか見ていない彼女に、答えられるはずがない。

「えーと、それは……その……」

しどろもどろになり、必死に手元の資料をめくるA子。完全にフリーズした彼女を見て、先方の役員の視線がみるみるうちに冷ややかなものへと変わっていく。

頃合いだ。私が助け舟を出そうとした、その時だった。

「その件につきましては、作成担当の私から詳細を補足させていただきます」

静まり返る会議室に、よく通る声が響いた。立ち上がったのはBさんだった。
彼女はスクリーンを切り替え、手元のメモを一切見ることなく、完璧なロジックでデータの算出根拠を堂々と解説し始めたのだ。

その理路整然とした説明に、先方の役員は深く頷き、感嘆の声を漏らした。
「なるほど、素晴らしい分析だ。あなたがこのデータを作られたのですね」

役員は、もうA子の方を一切見ていなかった。
誰が真の功労者なのか、この場にいる全員が完璧に理解した瞬間だった。

正当な評価を

会議後、私は真っ青な顔をしているA子を別室に呼び出した。

「さて、A子くん。あのデータ算出の根拠、なぜ君は答えられなかったのかな? 君が徹夜で仕上げた資料なんだろう?」

「それは……その……緊張して飛んでしまって……」

苦しい言い訳を続けるA子に、私は先ほどBさんから受け取っていた「資料作成のログデータ」を机に置いた。ファイルの作成者、編集時間、すべてがBさんのアカウントで記録されている。

「もう言い逃れはできないよ。これまでのことも含めて、じっくり話をしようか」

実力不足と嘘が完全に露呈し、がっくりと項垂れるA子。彼女は当然、プロジェクトの担当から即座に外され、厳重注意の上で配置転換となった。

そして、真の功労者であるBさんには、改めてこのプロジェクトのチーフを任せることにした。
「Bさん、いつも本当にありがとう。これからは、君自身の名前で評価される仕事をしてほしい」

驚き、そして少しだけ涙ぐみながら「はい!」と力強く頷いたBさんの笑顔を見たとき。私の中のモヤモヤも、すべて綺麗に吹き飛んでいた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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