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日本の女子学生は「数学・科学系で世界トップクラス」なのに…理系に進む女性が【極端に少ない】理由とは?

  • 2026.5.16
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(C)サイエントーク / 科学のポッドキャスト

ポッドキャスト番組『サイエントーク/ 科学のポッドキャスト』は、研究者のレンさんと、イギリス駐在員のエマさんが科学の魅力を夫婦の会話に乗せて“エンタメっぽく”届ける番組。

2月9日の配信回では、「女性の科学界への進出」をテーマに、2人が深いトークを繰り広げました。今回注目したいのは、日本でピルが解禁されたのが「1999年」という事実。さらに、日本の理系分野のジェンダーギャップが世界で最悪レベルという、ちょっぴり衝撃的なデータもあわせて紹介されています。

日本でピルが解禁されたのは、なんと1999年

レンさんによると、日本で飲むタイプの避妊薬「ピル」が承認されたのは1999年。意外と最近のことなのです。

アメリカでピルが承認されたのは1960年。日本はアメリカから約40年も遅れていたことになります。40〜50代の方なら、リアルタイムでこの歴史を生きてきたということ。「昔の話」ではなく、ごく最近の出来事なのです。

エマさんも「欧米に比べて、日本人ってあまりピルを飲まないイメージがある」と指摘。レンさんは「日本社会って、結構やっぱり根深い抵抗感があったみたい」と語ります。ピルに対する感覚や考え方が、欧米と日本でかなり違うのですね。

日本の女子生徒、実は数学・理科で世界トップクラス

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

ここで面白いデータがあります。OECDの学習到達度調査(PISA2022)によると、日本の生徒の数学的リテラシーは平均536点でOECD加盟国中1位、科学的リテラシーも547点で同1位。男女ともに世界トップクラスです。日本の女子生徒の数学スコアでも、OECD平均(472点)を約60点も上回っています。

つまり、日本の女子は「能力がある」のです。ちょっとどころではありません。非常に優れているのです。それなのに、理系分野に進む女性が少ないなんて…。

レンさんは「能力あるんだよね、めっちゃ。もったいなくね?」と率直な感想を述べます。確かに、これだけの能力がありながら理系に進まない人が多いとしたら、本当にもったいない話です。

それなのに、理系のジェンダーギャップはOECD最下位レベル

衝撃的なのが、日本の理系分野におけるジェンダーギャップ(男女の格差)が、OECD加盟国の中で文字通り「最下位」だという事実。OECDの最新統計(2023年)では、日本の理系分野(STEM)への大学新入生のうち女性はわずか18.1%で、36カ国中36位。さらに理系の卒業者に占める女性比率は8%にとどまり、44カ国中44位と、いずれの指標でも調査国内で一番低いのです。能力はあるのに、理系に進む女性が極端に少ないのですね。

レンさんは、その原因のひとつとして「『女の子なのに数学得意なの?』みたいな言葉が存在している」ことを挙げています。実は欧米でも「数学=男性的」というステレオタイプは完全には消えていないのですが、日本では特に色濃く残っているのだとか。

これは「アンコンシャス・バイアス」と呼ばれるもの。つまり、無意識の偏見や思い込みです。悪気がなくても、周りのそうした言葉や視線が、女の子たちの進路選択にじわじわと影響してしまうのですね。

さらにレンさんは、働き方の問題にも触れます。「研究職はめちゃくちゃ労働時間長い」ため、家事や育児の負担が女性に偏ってしまい、結果的に女性が理系分野に進出しにくい構造ができあがってしまっているのだそう。

「あの頃の常識」を、そろそろアップデートするタイミング

ピル解禁が1999年という事実も、「女の子なのに数学得意なの?」という言葉が残っていることも、根っこは同じ「古い常識」です。能力があるのに進めないのは、やっぱりもったいないことですね。

やりたいことができる人が増えるよう、少しずつでも、常識が変わっていくことを願わずにはいられません。


サイエントーク / 科学のポッドキャスト
ピルの研究が社会を変えた?避妊薬の障壁と女性の社会進出 #ポッドキャスト #podcast #238

[配信日時]2026年2月9日
[出演者]レン、エマ
[番組URL]https://www.youtube.com/watch?v=c0Znj_SeVso

(C)サイエントーク / 科学のポッドキャスト



【参考文献】

・厚生労働省 中央薬事審議会答申「低用量経口避妊薬(ピル)の承認を「可」とする」(1999年6月2日)https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1106/h0602-3_15.html

・米Rutgers大の研究(2025)では、5〜7歳の米国児童でも"数学は男性のもの"という無意識の連想がまだ測定可能であることが報告されています。
https://www.rutgers.edu/news/how-gender-bias-influences-math-education

・OECD Education GPS Japan 2025
https://gpseducation.oecd.org/CountryProfile?primaryCountry=JPN&treshold=10&topic=EO
日本のSTEM女性新入生18.1%(36/36位)、卒業者8%(44/44位)

・OECD PISA 2022 Japan Country Note
https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/publications/reports/2023/11/pisa-2022-results-volume-i-and-ii-country-notes_2fca04b9/japan_aa63210c/f7d7daad-en.pdf
日本の数学・科学リテラシーOECD1位、男女別スコア

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