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夫「浮気相手と別れた!今から帰るわ」私「もう私たちはいないけど?」…都合よく復縁を迫った夫の大誤算とは

  • 2026.3.31

夫の帰りが遅くなり始めたのは、ある春のことでした。
「営業活動を頑張りたい」という言葉を、私は疑いもせず受け取っていました——いえ、正確には、疑いたくなかったのだと思います。まさか、夫との生活がここまで壊れていたとは、そのときはまだ気づいていなかったのです。

フリーランスの夫と、中学1年生の娘の3人暮らし。私が正社員として家族を養い、夫は夕食と洗濯を主に担当するという役割分担で回す日々。完璧ではなかったけれど、それなりに機能していると思っていました。

「もっと仕事がしたい」と夫が目を輝かせていたあのころが、もう遠い昔のように思えました。しかし、現実は甘くなく、月の収入は良くて7万円程度。毎月の収支は明らかにマイナスで、私の独身時代の貯金を切り崩しながら2年間待ちましたが、何も変わりませんでした。

その間、夫は「来月には案件が入りそう」「もう少ししたら軌道に乗る」と言うばかりで結果を出しません。実際、夫の仕事の多くは、私の知人づての紹介でなんとかつながっていた状態でした。

ところがある春の昼下がり、夫から「今日は夕飯が作れない」と連絡が来ました。「取引先と飲みに行く」から、と。

飲み会の回数が増え始めたころ、胸の奥に小さな違和感が残るようになりましたが……夫も家計を改善しようとしているのだと、自分に言い聞かせていたのです。それが、すべての始まりでした。

夫の被害妄想

飲み会の頻度が増えるにつれ、だんだんと変わっていった夫の言動。そしてある日、堰を切ったように不満が溢れ出したのです。

「いつまでも主夫兼フリーランスなんて嫌なんだよ!」

「俺はもっと自分に時間を使わせてもらう」

正直、驚きました。家族で話し合って決めたはずなのに、「家事が負担だったんだ!」と夫。さらに畳みかけるように、「稼げない俺を見下してただろ!」「ボーナスが出るたびに車を買ったり、旅行に行ったりして……俺のことを惨めにさせてたよな」とまで言い出したのです。

たしかに、私は正社員でボーナスが出ます。しかし、車は娘の送迎や通勤に必要だったから買ったもの。旅行も年に一度の近場への家族旅行でしかありません。

そのことがまさか、夫の目には屈辱的なものとして映っていたなんて……言い返す言葉が見つからず、ただ黙って聞いていた私。

それでも夫の言葉が途切れたタイミングで、「明日改めてちゃんと話し合おう」と伝えましたが、「お前に俺の気持ちはわからない。話しても無駄だ」と会話を一方的に遮断されました。

その晩、娘も夫も寝静まったころ、台所でひとり深呼吸を繰り返しながら、なぜか笑い出しそうになりました。悲しいのか、あきれているのか、自分でもよくわからないままでした。

一方的な離婚宣言

それから2週間後の夜――。

飲み会があるからと言って、夫はさらに頻繁に外出するようになりました。あまりの頻度の高さに不安を感じ始めたタイミングで、夫からこんなメッセージが届いたのです。

「もう家には帰らない」

「悪いけど、離婚してくれ」

スマートフォンを持つ手が、小刻みに震えました。画面の文字を何度読み返したかわかりません。

続くメッセージには「好きな人ができた」「本当に俺のことをわかってくれる人だ」「娘も中学生になったし、もう家にいなくても回るだろ」とありました。

娘はまだ12歳。「俺がいなくても回る」と言い捨てて、父親が出て行くなんて――怒りや驚きより先に、「ああ、だから最近あんなにおかしな態度をとっていたのか」と、すべての辻褄が合い、なんだか腑に落ちたような感覚でした。

翌日、娘が学校から帰ってくるなり「ママ、今日のお弁当、上も下も白米だったんだけど」と笑いながら帰ってきました。

前日眠れず、ぼうっとしたまま朝を迎えてしまったせいで、おかずを詰めるのを丸ごと忘れていたのです。

娘のその言葉で、私はようやく自分が相当ひどい状態だったことに気づきました。と同時に、娘の笑顔を見て「この子を守るのは、私しかいない」と思い直したのです。

元鞘に収まろうとした夫

その日のうちに、私は「1週間だけ時間をください」と夫に伝えました。娘の生活を整える時間が必要だったし、弁護士にも相談したかったからです。夫はしぶしぶ了承しました。

約束の1週間が経ち、夫に連絡しようとスマホを取ると……夫からすでにメッセージが来ていました。

「浮気相手とは別れたよ。あれから考え直したんだ」

「今から戻るから」

私はすぐに返信しました。

「もう私たちはいないけど?」

「え?」と驚いている様子の夫に、私は淡々と状況を説明しました。

私は知り合いの不動産屋に頼み、娘が学区を変えずに済む範囲で、すぐに引っ越せる場所を探してもらっていました。条件を細かく選んでいる余裕はありません。最低限の荷物だけを運び出し、娘と2人でひとまず身を落ち着けていたのです。

3人で住んでいた部屋は私名義で借りていたため、すでに退去の手続きも進めていました。夫には、引き払う日と退去期限を淡々と伝えました。

「どうして勝手に引っ越すんだ! 俺は何も聞いてないぞ!」

文字越しにも怒鳴り声が伝わってきますが、ひるむわけにはいきません。私は続いて、離婚の条件確認と今後の手続きの話をするために、義実家に来るように伝えました。

すると、夫は一転して「……やっぱり離婚はやめよう」「冷静になったら、お前と娘が一番大切だってことに気づいた」「もう一度、やり直そう」と言い出したのです。

すかさず「うん、やり直したほうがいいと思うよ」と返信した私。「ありがとう。3人で頑張ろうな!」と返してきた夫に、「やり直すのはあなた1人だよ? 1人で人生やり直しなって言ってるの」と続けると、画面の向こうで、夫は言葉を失っているようでした。

「あなたが今まで請け負った仕事、ほとんど私の紹介だったよね? 離婚する以上、私が間に入ることはもうできないし、継続発注もないから。あとは自分で一から関係づくり、頑張ってね」

そのメッセージを読んで、夫は電話をかけてきました。そして、夫は女性に金を持ち逃げされたことを、ぼそぼそと話し始めたのです。

純愛だと信じていた相手に、仕事道具のパソコンや周辺機器を売ったお金を渡したあと、ぱったり姿を消されたのだそう。消費者金融からの借り入れも残っていると言いました。金額を聞くと、100万円近くになるとのこと。

「俺、もう何もないんだ……仕事道具も金も。泊まる場所もなくて、誰にも頼れなくて……。少しの間だけでいいから、家に置いてくれないか」

私の胸の中にじわじわと広がっていったのは怒りではなく、静かなあきれでした。

生活のためにと必死で私がやりくりしていた隣で、夫は別の誰かのために借金までしてお金を渡していた。その事実が頭から離れませんでした。

「ここにあなたの居場所はないから」とだけ言って、私は一方的に電話を切りました。

その後――。

義両親の前での話し合いは、かなりの修羅場でした。

義両親にはすでに事情を話していたものの、2人とも「夫婦のことだから……」と現実を受け止めきれていない様子。しかし、私が証拠を見せながら順を追って話していくと、最終的に義父は「お前は何をしてきたんだ!」と声を上げ、義母も「どれだけ迷惑をかけたか……」と涙をこぼしました。

夫は最初こそ「俺にも言い分がある!」と口にしていましたが、「まさかだまされてるとは思わなかったんだ」「俺だって被害者なんだ」と責任転嫁するように。義両親の叱責と涙を受けて、反論は続かなくなっていきました。

結局、私の希望をすべて飲む形で、夫は書類にサイン。最後に義母が「うちの息子が本当にとんでもないことをして……申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げてくれた瞬間、本当の終わりを感じました。そこで感情の揺れは起こらず、ただ、長かったな、という感覚だけが残っていました。

離婚が成立した夜、まだ段ボールの残る部屋の中で、娘と2人で食卓を囲みました。特別なものは何もない、いつも通りの夕ごはんだったのに……なぜかとてもおいしかったのを覚えています。

今振り返ると、私はずいぶん長い間「もう少し待てば変わるかもしれない」と自分に言い聞かせ続けていました。しかし、夫は変わりませんでした。それがこの結果につながったのだと思います。

元夫はその後、義父の知人が経営する会社で働き始めたと聞きました。養育費は今のところ、取り決め通りにきちんと振り込まれています。

娘は今日も元気に学校へ行きました。帰ってきたらおやつを食べて、宿題をして、夜は2人で他愛もない話をするでしょう。誰かに振り回されることのない、当たり前の毎日がようやくこの手に戻ってきました。

【取材時期:2026年1月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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