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「奢るから焼肉デートしようぜ」と気前のいい彼→「いい加減にしてくれる?」と私がキレたワケ【短編小説】

  • 2026.4.3

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

小さな違和感

「今日は俺が奢るから、最高に旨い焼肉を食べに行こうぜ」

マッチングアプリで出会った彼は、いつも景気の良い言葉を口にする人でした。

一見すると太っ腹で頼りがいがあるように見えますが、交際を始めて一ヶ月が経つ頃、私の中にはある「違和感」が積もっていました。

それは、デートの場所が必ず彼の最寄り駅の周辺に指定されることです。私の家からは電車で片道一時間以上かかりますが、彼は一度も中間地点すら提案してくれませんでした。

ある日の夜、デートの相談をしていたときの事です。

「週末どうする?」

「奢るから焼肉デートしようぜ」

「楽しみ。お店はどこにする?」

「俺の家の近くですごく評判のいい店を見つけたから、そこにしよう!」

「たまには中間地点とか、私の家の近くに来てくれないかな?」

「いや、そのお店に行ってみたいから、そこで決まり!」

結局、彼は自分のテリトリーから一歩も出ようとしません。彼の「奢る」という言葉は、自分の都合を強引に押し通すための免罪符のように聞こえ始めました。

一時間の移動、往復の運賃、準備にかかる時間……。それらを全て「無料の食事」で相殺できると思っている彼の傲慢さが透けて見えたのです。

心が冷え切った瞬間

当日、一時間かけて移動し、ヒールで疲れた足を引きずりながら駅の改札を出ました。彼は悪びれる様子もなく、笑顔で手を振ってこう言いました。

「遠くまでお疲れさま。でも今日は俺の奢りなんだから、文句ないだろ?」

その瞬間、心の底でプツンと何かが弾ける音がしました。

「……いい加減にしてくれる?」

驚いて固まる彼を放置して、私はそのまま反対方向のホームへ向かいました。

どれほど高級な肉を奢られるよりも、片道一時間の私の労力を想像してもらえることの方が、私にとっては数百倍も価値のあることだったのです。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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