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相反する美が共存する場所。ヴァレンティノがローマで魅せた、折衷主義の現在地

  • 2026.3.31
Daniele Oberrauch

メゾン創業の地であり、クリエイティブ ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの出身地でもあるローマ。ヴァレンティノ 2026-27年秋冬コレクションは、ローマを代表するバロック建築の宮殿、パラッツォ・バルベリーニで開催された。

「インテルフェレンツェ(INTERFERENZE)」と題された今回のショーは、イタリア語で「⼲渉」「相互に影響を与え合う」、すなわち異なる⼒や要素がぶつかることで⽣じる新しい形態というニュアンスを意味する。

courtesy of Palazzo Barberini

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニとフランチェスコ・ボッロミーニという17世紀の重要な建築家が手がけた壮麗なこの宮殿もまた、2人の個性がぶつかり合う、唯一無二の建築として知られ、コレクションの概念と深く共鳴している場所だ。

宮殿の左側に位置するのは、階層と方向性が明確なジオメトリック構造をもつベルニーニの階段。対する右側のボッロミーニの楕円形階段は、方向感覚を喪失するような歪みを感じさせる。

”壮麗さ”と“親密さ”という相反するスタイルが、互いを打ち消すことなく共存するこの干渉の場こそが、今回の発表に理想の舞台であったとミケーレは語る。

バルベリーニ宮殿の建築同様、「インテルフェレンツェ」コレクションは、軽やかさと重厚さ、透明性と不透明性など、相反するエレメントの衝突する様を浮き彫りにした。ミケーレが得意とする折衷主義も、マキシマリスト的な表現ではなく、構造化された美の提案に。

photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.com

ランウェイには、ドレープの効いたマントコートに深いVカットの繊細なレースドレスを合わせたルックが登場。ほかにも、片肩を出したアシンメトリーなドレスや、中世の法衣を連想させるケープドレスなどが続いた。

丸みを帯びたパワーショルダーのクロップド丈レザージャケット、ウエストを強調するサッシュベルトとミニスカートなど、80年代のタフな時代をイメージするアイテムも⽬を引く。

photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.com
photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.com

カラーパレットは、大きく分けて3つ。ターコイズ×パープル、グリーン×オレンジ、ローズピンク×ラズベリーといったヴィヴィッドな色彩、ブラウンやマロンを中心とするアースカラー、そして、強い印象を放つ黒と赤だ。

photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.com

コレクションにモダニティを添えているのは⼩物で、ヒールがメタリックのバイカラーシューズや、アイコニックなロックスタッズのシューズ、フューチャリスティックなシールドグラス、アーカイブからインスパイアされた数々の⼤ぶりのジュエリーが華やぎを演出。

Courtesy of Valentino
Courtesy of Valentino

フィナーレを飾ったのは、シグネチャーカラーの“ヴァレンティノ・レッド”のドレスで、パワーショルダーのシンプルなロングドレスは、背中が深くVカットに開いて、きらめくチェーンジュエリーが後ろ姿をドラマティックに印象付けた。

photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.com

ガラヴァーニへのオマージュと、ミケーレの斬新なクリエーションの融合。まさに相互に影響を与え合う「インテルフェレンツェ」コレクションは、ヴァレンティノの歴史に新たなインパクトを残した。

ヴァレンティノ 2026-27年秋冬コレクション 全ルック

ヴァレンティノ 2026-27年秋冬コレクションに来場したセレブたち

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