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メインのおかずは茶色でOK? ツレヅレハナコ流・朝15分で完成する頑張らない「からだ整え弁当」【インタビュー】

  • 2026.3.30

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文筆家であり料理研究家のツレヅレハナコさんが考案した「整え」シリーズは、「体調が良くなった」「肌荒れが改善してきた」など、作った人から喜びの声が絶えない人気のレシピ本です。待ちに待った第3弾は、お弁当でからだを整える『パパッと作れる「仕込みおき」&すぐできおかずで ツレヅレハナコのからだ整え弁当』(Gakken)。栄養バランスのいい食事で体調が整うだけでなく、ほぼ2ステップの簡単調理で洗い物が少なく、材料費は1食200〜300円程度と嬉しいメリットが満載。本書のおすすめメニューや活用法を、作者のツレヅレハナコさんにうかがいました。

体調改善やダイエットに効果的な「整え」ご飯

——「整え」シリーズは、簡単なのに自然と食事のバランスと腸内環境が整う上に、美肌やダイエットにもいいと評判です。

ツレヅレハナコさん(以下、ハナコ):私もこの食事を始めてから、からだが変わりました。最初に実感したのは腸内環境の変化です。お酒を飲むからお腹を壊しがちで、おまけに便秘ぎみでしたが、お腹の具合が落ち着いて便通も良くなりました。疲れづらくなったし、むくみや肌荒れも良くなって、いいことづくし。食物繊維がたくさん入っていて油分も控えめだから、自然と腸内環境が整ったんだと思います。

——そもそも、このシリーズは、ご自身の悩みを解消するために生まれたそうですね。

ハナコ:ずっとお酒と外食が好きで。好きなだけ飲んで食べる生活をしていたら、43歳くらいで疲れが抜けづらかったり、太りやすくなったり、いろんな不具合を感じるようになり、食生活を見直したんです。お酒と外食はやめたくないから、せめて「ケ」の日の食生活を整えようと。でも、一汁三菜なんて忙しくて作っていられない。「仕込みおき」を作っておいて、それを盛り合わせるだけの食事なら続けられそうだなって。

——「仕込みおき」は、作りおきより手間がかからず、飽きずにおいしく食べられる「整え」シリーズの定番ですね。

ハナコ:そもそも作りおきって、同じものを何日も食べ続けるのは飽きるな、と。それで思いついたのが、途中まで作っておいて、食べる時にアレンジできる「仕込みおき」でした。料理で面倒なのは食材を切ることだと思うんです。元気のない時に野菜室をあけてニンジンと目があってもソ〜ッと閉めてしまうような…(笑)。でも、大根を塩もみしておくとか、小松菜をゆでておくとか、そのくらいしておけば、面倒な工程はすでに終わっている状態。そのままでも食べられるし、シンプルなのでアレンジもしやすいはず。冷凍玄米ご飯とインスタントの味噌汁を合わせれば、立派な食事になります。

お弁当も、最初は「食べたくもない1500円のパスタランチにお金を払いたくない」という想いで始めましたが、50歳を迎える今となっては「お昼ご飯くらい、からだにいいものを食べたい」という気持ちで続けています。

——これまでも共感の声は多かったと思います。

ハナコ:ありがたいことに、イベントに来てくださる方の本に付箋がいっぱいついていて、色々作ってくれていることがわかるし、SNSに「体調が変わりました」というDMをもらうこともあります。レシピがシンプルなので、基本だけ押さえればアレンジが利くと思うんですよ。「ニンジンが好きだな」とか「辛くしたほうが好きだな」とか、自分で使いやすい食材や味がわかってきたら、同じ味つけで、次はピーマンにしてもいい。その人なりの「鉄板仕込みおき」ができてくるんです。習慣化してしまえば、一生続けられるメソッドだと自負しています。

茶色くてもOK! 10分以内で完成する「すぐできメイン」

——お弁当では、どんなところにこだわりましたか?

ハナコ:時間が経ってもおいしいことと、汁漏れしにくいもの、あとは毎日のことなのでメリハリをつけやすいレシピを紹介しています。1食100gのタンパク質を入れた主菜だけは、朝作ります。一度冷蔵庫に入れた生姜焼きとか、油が固まっているし、あまり食べたくないじゃないですか。なので、10分以内で主菜だけ作り、あとは仕込みおきのおかずを詰めるだけです。

——10分以内で作る主菜は、本書でも紹介されている「すぐできメイン」ですね。同じお肉でも、味つけを変えるだけでバリエーションが増えることが伝わってきました。

ハナコ:ページを開くとわかると思いますが、主菜は全部茶色い(笑)。でも、いいんです。野菜を加えたほうが彩りはきれいですけど、そんな手間さえかけたくないから副菜を作っているわけで。彩り担当は副菜に任せ、主菜は茶色。その代わり、味つけを変えて飽きないようにしています。

——たしかに、単体だと茶色ですが、お弁当に詰めると彩り豊かになりますね。主菜のおすすめはありますか?

ハナコ:「鶏のビネガーソテー」は、焼いて調味料をからめるだけですが、醤油とみりんの甘辛に、お酢を加えるだけで味がキュッと締まります。お弁当にちょっと酸っぱいものが入るとメリハリが出ますし、脂っこさも控えられるので、お酢を加える甘辛味はお弁当に向いているんです。

——お肉や魚、卵はもちろん、豆腐も入れられるんだ…という驚きがありました。

ハナコ:さすがに冷奴は難しいですけど、油揚げや厚揚げのような加工品は汁漏れしにくいので。焼いただけでもおいしいですが、味が淡白になりがちなので、チーズを挟んだり、挽肉を詰めたりしています。

ゆでただけの野菜に救われる朝って、必ずある

——お野菜の仕込みおきもバリエーション豊富。「ゆでおき」「塩もみおき」「レンチンおき」などの項目が分かれていて、わかりやすいし、覚えやすいと思いました。

ハナコ:「ゆでおき」って“ゆでただけじゃん!”って思うかもしれませんが、これが重要。ゆでただけの野菜に救われる朝って、必ずあると思うので。それさえできない日は、ゆで野菜を詰めるだけでもいい。マヨネーズにみそや梅肉などをまぜた「マヨカップ」にゆでたニンジンやカリフラワーをのせるだけでも、十分おかずになります。「塩もみおき」も同じで、塩だけでもいいし、かつおやビネガー、梅をまぜてもOK。お弁当って、全部のおかずの味が濃いと疲れちゃうので、こういうシンプルな味のおかずが一緒に入っていると、箸休めになって、バランスが取れるんです。

——ハナコさんが作った小松菜のゆでおきはひと味違う…という声が挙がっていましたが、おいしく作るコツはありますか?

ハナコ:冷蔵庫で保管することを考えると、ちょっと硬めにゆでたほうがおいしくなります。保存容器などに入れる時は、下にキッチンペーパーを敷いて水分を吸い取るようにすると、おいしさが続きます。ひじきのレシピも試してみてほしいですね。海藻類ってアラフィフくらいの女性には欠かせない栄養素。私も、隙あらば海藻類を食べようと意識していますが、ひじきの煮物を食べ続けるのも飽きますよね。ひじきはゆでておき、食べる時の気分に合わせて味つけをします。

——玄米食も「整え」シリーズの特徴で、血糖値スパイクを防ぐから午後に眠くなりにくく、ダイエットにも効果的だと、医学博士として本作の監修を手がける井川智成先生(※)もおすすめしています。

ハナコ:白米より食物繊維が豊富なので、私は圧力釜で炊いて食べています。玄米が苦手な人は白米でもいいし、黒米やもち麦などが混ざった雑穀ミックスなどを入れてもいいと思います。1回分が袋分けになっているタイプもあって、使いやすいですよ。

※井川智成先生(監修):ちょうメディカルクリニック副院長・医学博士・日本消化器学会認定専門医・日本消化器市視鏡学会認定専門医。本書をはじめ、ツレヅレハナコさんの「整え」シリーズの監修を手がけている

※血糖値スパイク…食後に血糖値が急激に上昇すること。さまざまな病気のリスクになりやすい

時間も、やる気も、お金も控えめでOK。心まで整うお弁当

——「すぐできおかず」と「仕込みおき」があれば、本当に朝15分でお弁当ができあがりそうですね。

ハナコ:冷凍ご飯をレンチンして、メインだけ調理して、それを冷ましている間に副菜を詰め、最後にメインを詰めればできあがり。同じおかずを大きめのお茶碗の上にのせて、納豆なんかも用意すれば、朝ご飯も同時に済ませられます。時間が5分しかない朝は、味つけ卵とニンジンのカレー炒めと、ご飯だけでもいいんですよ、お昼ご飯だし。そもそも、お弁当は彩り良く、バランス良く、おいしく…なんて、欲張りすぎだと思っているので(笑)。

——たしかに、本書のレシピを見ていると、お弁当に気合を入れすぎていたかも…と思えてきました。

ハナコ:とにかく簡単、シンプルがいちばん。作り方も基本的に2ステップなので、本を開いてもらえれば簡単なことが伝わると思います。ポイントは作りすぎないことですね。たくさん作ると食べきれないから、仕込みおきなら3回で使い切れるくらいの量を、数種類作っておくのがおすすめ。極端にいえば、1品でもいいと思います。野菜と海藻を1品ずつ作って、なくなったらもう1品。たまにゆで卵を作るとか、そんな気軽な感じでも。

——「からだ整え弁当」をどんな人たちにおすすめしたいですか?

ハナコ:自分の体調を整えたいけど、時間がない、やる気もない、お金もそんなにかけたくない…という方に、試していただけたら。時短できるし、簡単だし、食費も1食200〜300円くらいに抑えられると思います。私はこの食事を始めてから食費が大幅に減りました。

——からだが整うだけではなく、時短や節約にもなるんですね。

ハナコ:野菜が多いので、旬の野菜を使えば節約になるし、腹持ちが良くて、昼ご飯の後午後2時や3時にお腹がすいて買い食いをすることがなくなりました。お米を1食130g以上しっかり食べるようにしているし、野菜をよく咀嚼するので、満腹感と満足感の両方が得られるのだと思います。メンタルにもいいですよ。暴飲暴食が続くと心がだんだんすさみますよね。でも、からだにいい食事で体を敬うと、自分を大事にすることで自分が好きになり、それが自信にもつながるんです。

——そう考えると、毎日の食事って心の栄養でもありますね。それが“ケの日”のルーティーンとして簡単にできるなら、こんなに幸せなことはないと思います。

ハナコ:忙しい朝にお弁当をイチから作るのは大変。それに、朝ご飯を食べない人もいるし、夜は会食が入ることもあるから、お昼ご飯って3食の中でいちばんコントロールしやすい。お昼ご飯こそ、チャンスタイムだと思っています。お昼だけでもからだにいいものを食べれば、あとは外食をしても、お酒を飲んでもよし。できる時だけ実践してもいいし、一回やめて戻ってきてもいい。一生続けられそうな「整え」ご飯を、ぜひ試してみてほしいですね。

取材・文=吉田あき 撮影=後藤利江

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