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装飾から装いをつくる存在へ。スタイリングに一体化する“スカーフ”の新しいバランス

  • 2026.3.30
Hearst Owned

「手持ちのアイテムを自由に組み合わせながら、自分らしくスタイリングを楽しむ時代」と語るのは、パーソナルイメージディレクターの植原ほのさん。連載【自分らしく輝くための着こなしレッスン】では、日々の着こなしをブラッシュアップするためのテクニックを学んでいきます。

今回は、2026年春夏コレクションで印象的に登場した“スカーフ”にフォーカス。クラシックな雰囲気を持つアイテムを、今季らしく取り入れる着こなしを紐解きます。

スカーフは“装飾”から“スタイリングの一部”へ

今季のコレクションでは、スカーフを取り入れたルックが多く見られました。これまでスカーフといえば、クラシックで上品な装いの象徴として、どこかエグゼクティブな印象を伴うアイテムというイメージを持つ方も多かったのではないでしょうか。

しかし今は、手持ちのアイテムを自由に組み合わせながら、自分らしくスタイリングを楽しむ時代。首に巻いたりバッグに結んだりといった従来の使い方にとどまらず、洋服と一体化するように取り入れるコーディネートが、今らしい着こなしへと導きます。

ニュートラルな装いに色を添える、スカーフの役割

おこもり需要が高まっていた時期を経て外出の機会が増え、コレクションでも再び色が戻りつつあります。ただ、日常の服に強い色を組み合わせるのは、難しく感じることもあるでしょう。そこで活躍するのがスカーフ。服はニュートラルにまとめ、アクセントとして色を添えるスタイリングが、今のトレンドを象徴しています。

装いを完成させるためのものから、装いをつくるものへ。植原式“ファッション哲学(オクタゴン)”でいう「Accessory」「Color」「Layer」という視点からスカーフをコーディネートの構造の一部として捉えると、今のムードに合った取り入れ方が見えてきます。

今回は、スカーフ柄を今らしいコーディネートへと昇華させた2つのブランドの着こなしを手がかりに、そのポイントを見ていきます。

【エルメス】メゾンの象徴を、新しいバランスでまとう

スカーフといえば、HERMÈS(エルメス)を象徴するアイテムのひとつ。今季は首元に結ぶなどという、従来の使い方に留まらず、メゾンのスカーフの伝統を受け継ぎながら配置や取り入れ方を進化させたスタイリングが展開されています。

(C)Filippo Fior

スカーフが新鮮に映る、洋服の一部として組み込むように構成されたスタイリング。大判サイズを大胆に用い、服のシルエットにスカーフの柄を行き渡らせています。首元に巻くのではなく、あえて首をオープンにしたままフロントに垂らすことで、装いに軽やかな抜け感をもたらしています。

(C)Filippo Fior

柄のスカーフを取り入れる際は、柄の中に登場する色を拾い、靴やバッグ、ベルトなどにリンクさせると装いにまとまりが生まれます。この2つのルックでは、スカーフに含まれるブラックをブーツとバッグに取り入れ、全体を引き締めています。スカーフの色をどこかで受け止めることで、装いに統一感が生まれます。

【セリーヌ】ヴィンテージムードを、新しいシルエットで

CELINE(セリーヌ)は、2026年春夏コレクションから、マイケル・ライダーが新アーティスティック・ディレクターに就任。メゾンのDNAを受け継ぎながら、トラッドな佇まいにさりげない変化を添えたスタイルが印象的です。その要素のひとつとして、スカーフが効果的に用いられています。

(C)CELINE

ヴィンテージにも見られるようなオーソドックスな大柄プリントで、プレッピーとノスタルジアを表現。クラシックな柄でありながら、スカートとして大胆に取り入れる着こなしにセリーヌらしさが感じられます。テーラードジャケットと合わせることでコントラストが生まれ、トラッドな雰囲気の中に遊び心が感じられます。

(C)CELINE

トップスの柄を引き立てるように、肩から流れるように大判のスカーフをまとい、装いの主役にも匹敵する存在感を放っています。ボトムはブラックで受け止め、全体のバランスを整えています。完璧に中央で整えない非対称のバランスが、今季らしい着こなしに磨きをかけています。

スタイリングにニュアンスを添えるスカーフ。クラシックな柄やカラーの魅力はそのままに、取り入れ方次第で今年らしい装いへと昇華させることができます。日々のコーディネートに新しい視点をもたらしてくれるエッセンスとして、今季あらためて注目したい存在です。

スタイルを決定づける8つの要素 「Fashion Octagon」 とは?

まず、植原さんが提案する“ファッション哲学”では、オシャレを完成させるために必要な要素は8つに分類。それが「Fashion Octagon(ファッション オクタゴン)」という方程式です。

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  1. Silhouette(シルエット):全体のシェイプバランス
  2. Color(カラー):カラーチョイスのテクニック
  3. Layer(レイヤー):重ね着や重ね付けなどのテクニック
  4. Fabric(ファブリック):生地選びや生地合わせの効果
  5. Attitude(アティテュード):その人自身が放つムード
  6. Accessory(アクセサリー):靴やバッグ、ジュエリーなど小物使い
  7. Contrast(コントラスト):メリハリをつけるテクニック
  8. Exposure(エクスポージャー):肌見せなど露出加減の効果
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