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山田杏奈“唯菜”(16)高校生で妊娠発覚→交際相手「堕ろせ」と言い逃げ…不意に襲った“予期せぬ事態”【グッド・ドクター】

  • 2026.4.9

未成年という言葉から、どこか守られる存在や未熟さを思い浮かべる人は多いかもしれません。しかし、現実にはその枠に収まりきらないほど重い現実を背負うケースも存在します。家庭環境、妊娠、暴力、犯罪――大人でさえ向き合うのが難しい問題に、逃げ場のない状況で直面する若者たち。今回のシリーズでは、そんな“未成年のリアル”を真正面から描いた作品を取り上げます。

本記事では、2018年7月に放送された山﨑賢人さん主演のドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)をご紹介。本作は、第2話で未受診妊婦の女子高生が緊急出産するという衝撃的な展開を見せ、SNSでは「号泣しています」「涙腺崩壊」といった声が見られました。一方で、唯菜の行動に厳しい目を向ける反応もありました。なぜこのエピソードが、感動だけでは終わらない重さを残したのか。物語の流れとともに見ていきます。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画「ゴールデンカムイ網走監獄襲撃編」舞台挨拶 山田杏奈(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):『グッド・ドクター』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2018年7月12日〜9月13日
  • 出演:山﨑賢人(新堂湊 役)、上野樹里(瀬戸夏美 役)、藤木直人(高山誠司 役)ほか 第2話ゲスト:山田杏奈(菅原唯菜 役)

自閉症スペクトラム障がいとサヴァン症候群を持つ青年・新堂湊(山﨑賢人)が、小児外科のレジデントとして奮闘するメディカルドラマ。原作は2013年に韓国で放送された同名ドラマで、アメリカでもドラマ化された国際的な話題作です。

第2話のサブタイトルは『女子高生が未熟児を緊急出産!小さな命を守りたい…』。東郷記念病院に、学校で破水した女子高生・菅原唯菜(山田杏奈)が救急搬送されてきます。生まれた赤ちゃんは低出生体重児で、腸が壊死する壊死性腸炎を発症していました。さらに唯菜は、これまで検診を受けたことがない未受診妊婦でした。

未受診妊婦と724gの命――衝撃の事実が突きつけた第2話の重さ

唯菜のエピソードが重く残るのは、ひとつの問題だけで終わらないからです。驚くべき事実は“未受診妊婦”であったこと。加えて、生まれた赤ちゃんが724gの超低出生体重児であり、さらに母親がすぐに支える側へ回れないことまで重なり、状況は一気に深刻さを増していきます。

「自業自得」といった厳しい見方につながったとすれば、その一因は唯菜の態度にあったのかもしれません。一度も検診を受けないまま学校で破水し、救急搬送された直後から手術を強く求める。未成年であるため保護者の同意書が必要と説明されても食い下がる。こうしたやり取りは、見る人によっては“助けてもらって当然”のように映ったかもしれません。一方で、必死さの表れとして見る人もいたのでしょう。この場面は、それだけ受け取り方が分かれる場面だったのかもしれません。

また、唯菜には追い詰められるだけの状況がありました。母子家庭で育ち、働けなくなった母親から「高校に進学したいなら自分で賄え」と言い渡され、アルバイトをしながら友人宅を転々とする生活を送っていました。妊娠を告げると「堕ろせ」と言い残して逃げた年上の交際相手。さらに、母親は妊娠と出産を責め、手術同意書へのサインを拒否します。

こうした事情が重なるからこそ、このエピソードは単純な善悪では割り切れない重さを残しました。その後、赤ちゃんは手術を受け、小児外科医の夏美(上野樹里)は“養育里親制度”の資料を唯菜に渡します。単なる感動話で終わらず、未成年の出産と養育をめぐる厳しい現実まで描いていた点が、この回の重さにつながっているのでしょう。

山田杏奈さんが体現した「追い詰められた16歳」の実像

唯菜役を演じたのは山田杏奈さんです。2011年の『ちゃおガール2011☆オーディション』でグランプリを受賞し、2018年にはドラマ『幸色のワンルーム』(ABCテレビ)で主演も務めています。同作では、両親からの虐待やいじめで行き場を失った少女を演じており、追い詰められた若者の内面に向き合う役柄にも早い時期から取り組んでいました。

ORICON NEWSの取材では、ドラマ『グッド・ドクター』への出演について次のように語っています。

台本をいただいた時に意思の強い、赤ちゃんへの愛が深い子だなと思いました。高校生で子どもを身ごもって生む、という選択をするのは相当な覚悟だと思いますし、そこに至るまでの過程を踏まえて大切に演じたいと思いました出典:「山田杏奈、『グッド・ドクター』で妊娠した女子高生役『大切に演じたい』」ORICON NEWS 2018年7月19日配信

放送後には、山田さんの演技に注目する声や、涙したという反応も見られました。『幸色のワンルーム』での虐待を受けた少女役と、『グッド・ドクター』での未受診妊婦の女子高生役。どちらも社会から見えにくい場所で追い詰められた若者を演じています。この2作を並べると、山田さんが単に“かわいそうな役”を演じているのではなく、追い詰められた人物の内側にある必死さと脆さを同時に表現できる俳優であることが見えてきます。

唯菜というキャラクターが“自業自得”と感じた人にも、涙した人にも、同じように強く残ったのは、山田さんの芝居が唯菜を善悪どちらにも切り捨てられないリアルな人間として成立させていたからかもしれません。感情を爆発させる場面だけでなく、静かに我が子を見つめる瞬間の表現や、小さな我が子を見て「このまま死んじゃうんですか…?」と、不安そうに新堂湊に迫るシーンは、視聴者それぞれの感情を呼び起こしたのではないでしょうか。

感動と怒りが並ぶのは、正解を示さなかったから

唯菜を責める視聴者も、唯菜に涙した視聴者も、どちらも間違いではないのかもしれません。未受診という選択への批判は当然あります。同時に、16歳で孤立したまま妊娠を抱え、助けを求めた唯菜の必死さも事実です。そのどちらにも「そうだ」と言える余地を残したまま物語が進んだことが、見終わったあとに何かが残り続ける理由なのではないでしょうか。

あなたはこのエピソードを見て、唯菜にどんな感情を抱いたでしょうか。先に責める気持ちが生まれたのか、それとも追い詰められた16歳の現実に胸が痛んだのか。その答えが一つに決まらないところに、ドラマ『グッド・ドクター』第2話がただの感動回では終わらない理由があるように思えます。


※記事は執筆時点の情報です