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SNSで知り合った人同士の“オフ会”で20代男性が突然倒れた…救急隊員が直面した『身元不明』という壁。

  • 2026.5.4
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こんにちは。ライターのとしです。

20代男性の飲酒後の体調不良で救急要請が入った際、現場はSNSで知り合った人同士の飲み会、いわゆるオフ会の場でした。

通報者も傷病者とはその日会ったばかりで、付き添いはできても、名前や詳しい連絡先までは分からない状態でした。

本人にも確認を試みましたが、飲酒の影響でろれつが回らず、やり取りははっきりしませんでした。

近くに人がいても、必要な情報がそろわないだけで対応が難しくなると感じた事案です。

その場に人はいても傷病者をよく知る人がいなかった

今回の要請は、20代男性の飲酒後の体調不良によるものでした。

現場は、SNSで知り合った人たちが集まっていた飲み会の場でした。

通報者もその場にいた参加者でしたが、傷病者とはその日初めて会った関係だったようです。

そのため、こちらが確認したかった名前や住所、緊急連絡先といった基本的な情報が、現場ではほとんど分かりませんでした。

周囲に人がいても、その人たちが傷病者をよく知らなければ、必要な確認がそこで止まってしまうことがあります。

今回の現場は、まさにそういう状態でした。

本人に聞こうとしても飲酒の影響で確認が進まなかった

いちばん確かなのは、本人から直接情報を聞くことです。

ただ、この時の傷病者は飲酒の影響が強く、呼びかけには反応するものの、ろれつが回りにくい状態でした。

名前を尋ねてもはっきりせず、住所や連絡先についても要領を得ません。

スマホに情報が入っているとは話していましたが、どこを見ればいいのか、どう開けばいいのかまでは分からないままでした。

特に飲酒が絡むと、会話はできているようでも、必要な情報が取れないことがあるんですよね。

今回はその難しさがはっきり出た場面でした。

警察と連携して身元確認を進めたがスマホからは情報を取れなかった

現場だけでは身元確認が難しかったため、警察官にも対応を依頼しました。

その流れの中で、本人のスマホから情報を確認できないかという話にもなりました。

ただ、端末にはロックがかかっていて、暗証番号は聞き取れません。

警察官が来てから指紋認証も試しましたが、うまく解除はできませんでした。

今は多くの連絡先や個人情報がスマホに入っています。

それでも、本人がしっかり話せない状態になると、そのスマホ自体が使えないことがあります。

しかも今回は、家族の連絡先なども結局分からないままでした。

必要な情報をそろえながら受け入れ先の調整を進めた

警察とも連携しながら、医療機関への連絡に必要な情報を少しずつ整理していきました。

家族の連絡先など不明な点は残ったものの、搬送に必要な確認は進めることができ、その後は受け入れ調整へ移っています。

通報者は傷病者のことを詳しくは知らなかったものの、付き添い自体は可能で、その後も最後まで付き添うことを了承してくれました。

この協力もあり、結果的には大きな混乱なく医療機関へ搬送することができました。

関係が浅い集まりでは、いざという時に情報の空白が出やすい

今回の事案で強く印象に残ったのは、SNSでつながった集まりでは、近くに人がいても必要な情報を持っている人がいないことがあるという点でした。

付き添える人はいる。

でも、その人も傷病者のことをよく知らない。

そうなると、名前や連絡先、家族への連絡といった基本的な部分で止まりやすくなります。

しかも飲酒の場では、本人が話せなくなるだけで、スマホがあっても確認が進まないことがあります。

関係が浅い集まりほど、体調不良が起きた時に情報の空白が出やすくなります。

今回の現場は、そのことをあらためて感じさせる事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。  


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