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認知症家族の「今日は何日?何曜日?」が減ったと大反響!頼れるアイテム【デジタル日めくりカレンダー】とは?

  • 2026.3.20

認知症家族の「今日は何日?何曜日?」が減ったと大反響!頼れるアイテム【デジタル日めくりカレンダー】とは?

認知症の介護で生じるさまざまな悩みや不安に応えて、多くの企業が当事者とご家族の思いに寄り添う商品を開発しています。評判の便利グッズから最新テクノロジーまで、介護を手助けしてくれる頼もしいアイデアや工夫をご紹介します。今回は時計メーカー「アデッソ」にお話を伺いました。

お話を伺ったのは
長谷川賢悟さん アデッソ取締役副社長

創業者・長谷川豊彦さんの息子。介護負担を軽くする視点での商品開発に注力する。

兵頭潤一さん アデッソ東京営業部 第一部 部長

認知症当事者との対話を重ね、見やすさや使いやすさなどの工夫を製品に反映している。

日付と曜日が読みやすいデジタル日めくり時計

時計メーカーのアデッソが手がける「デジタル日めくりカレンダー」は、認知症介護の現場でも活用されている人気シリーズ。本来は高齢者向けの商品ではなかったが、家族を介護しているユーザーから「介護の負担が軽くなった」という声が相次いだという。

「高齢者のご家族から『今日は何日? 何曜日? など何度も聞かれていましたが、デジタル日めくりカレンダーのおかげで親が日にちを把握できるようになり、とても助かりました』といった声が多数届いたんです」(長谷川さん)

その効果を、長谷川さん自身も実感した。会社の仕事を手伝うほど元気だった95歳の祖母が、事故をきっかけに軽度の認知症に。夜中の3時を昼の3時だと勘違いするなど、混乱が続いたのだ。

「今がいつなのか、不安が消えない様子でした。そこで、今が一目でわかるように曜日が大きく表示された当社の「メガ曜日日めくり電波時計」を祖母に手渡したところ、不安が消えて前向きになってくれたんです。母の介護疲れも軽減されました。この体験を通じて、困っている人、サポートが必要な人を助けられる商品を作っていきたいと決意しました」(長谷川さん)

想定外の反響が後押しに。介護現場に広がった時計

症状が多様なため、日付・時刻・曜日が大きく配置された複数のラインナップを展開。電波時計は時刻合わせが不要な点も人気。

見やすい漢字表示を追求し、一目で曜日がわかる日めくり電波時計。置いても、壁掛けでも使用できるので、見やすい場所に設置できる。
●メガ曜日日めくり電波時計 5500円/アデッソ ☎03-5762-8757

当事者の声から機能&デザインをアップグレード

商品の改良時には、認知症当事者の声が参考になった。

「高齢者向けの商品は、情報が多ければいいわけではない。いかに必要な情報だけを伝えるかが重要だと気づきました」(長谷川さん)

こうして、不要な情報を消せる「時刻オフ機能」を追加。「早朝」「夜中」など、わかりやすく細分化した時間帯表示を取り入れた。

2024年からは、経済産業省主催の「オレンジイノベーション・プロジェクト」に参画している。

「施設にいる認知症当事者や介護者の方々との対話を重ねて、さらなる便利な商品開発を進めています。『こういう機能が欲しい』『この表示が見やすい』など、生の声が聞ける貴重な機会です」(兵頭さん)

シリーズ累計売上は100万台を突破した。「商品を必要としている方は本当に多い」「これからも役立つ商品開発に努めたいと思います」と2人は意気込んでいる。

認知症当事者の方に使い勝手をリサーチ

経済産業省のオレンジイノベーション・プロジェクトに参画、当事者や介護者、専門家の声を収集。「本当に使えるのか」「不安が減るのか」を基準にニーズを把握。

曜日を大きく表示

紙の日めくりにはない、大きな曜日の表示がデジタルの特徴。開発当初の「ユニークな商品を作りたい」というアイデアが、認知症ケアにも役立った。

必要な情報のみ表示

一部表示をオフにできるなど、認知症の進行度や個人のニーズに応じたカスタマイズが可能。シンプルな表示で情報を減らせば、認知症当事者の混乱を招きにくくなる。

オリジナルフォントで曜日を読みやすく

漢字本来の「とめ」「はね」などの再現にこだわった独自のフォント。漢字表記が制限される液晶画面でも読みやすいユニバーサルデザインを目指した。

時間帯表示で昼夜逆転対策を

時間帯を分けた表示画面。午前・午後ではなく「早朝」「夜中」など、8つの時間帯で表示。認知症の当事者が昼夜逆転に気づく手がかりに。

撮影/柴田和宣(主婦の友社) 取材・文/武田純子

※この記事は「ゆうゆう」2026年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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