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地球に厳しく/絶望ライン工 独身獄中記 第65回

  • 2026.3.18

『絶望ライン工 独身獄中記』を読む

昨今叫ばれる地球規模での気候変動。

20XX年、地上はこの世の地獄と化す。

「マーク、そっちは?」

海面上昇により地表の70%が海の底に沈んだ。

「ダメだ、やられてる。ここは放棄しよう」

都市部では天変地異が吹き荒れ、天災により人口は激減。

(赤ん坊の泣き声)

「女の子だ……ほら、僕らの子だよメアリー」

人々は地下へ逃げ込み、いつ来るともわからぬ最後の日に怯えて暮らすしかなかった。

「きっと戻る。それまでこいつを預かってくれ」

地球に優しく。

その言葉が、世界の理を変えてしまう。

絵画にペンキをぶちまけ、道路に座り込んで喚き散らす。

「これは必要なことなの! みんな目を覚まして!」

気候変動少女と呼ばれる現代のジャンヌ・ダルクは海を渡って呼びかける。

二酸化炭素を出すんじゃあない、人間どもは呼吸をやめろ。

「呼吸をやめて!この星を救うにはそれしかない」

すべての航空機を爆破せよ。動物食うな、差別がどうだ、俺は角川に入るぞ。

あれから20年。状況は悪くなる一方だった。

「これが最後の種籾。もし来年の春があるなら——」

相変わらず台風は来るし地震もある。トンカツはいつも旨く、オッサンは角川に凸る。

人々は初めて気が付く。自らの過ちに。

「このデータは……ああなんてこった」

緊迫する世界情勢、荒れ果てた大地を支配するのは混沌か。

「今すぐ国防省に繋いでくれ!もう時間がないんだ」

それとも小さな希望か。

「俺たちは地球に甘すぎたんだ」

(この辺からエアロスミスが流れ始める)

これは、真実の「愛の」物語——。

「このアマ、口答えするんじゃあねえ。張り倒すぜ」

この星の未来は、たった一人の男に託された。

「大統領、本当に彼が世界を救うとお考えで——?」

人類の存続をかけた惑星規模のドメスティック・バイオレンス。

「パチンコに行ってくらぁ」

壮絶な地球DVが今、始まる。

日本語字幕:芦田奈律予

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