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【五輪の疑問】金メダルの「価値」とは?金銀ともに価格が高騰

  • 2026.3.6
Kevin Voigt / Getty Images

アスリートたちは、メダルの物質的な価値のためにオリンピック出場を目指すわけではないでしょう。永遠に記憶に残る最高のアスリートとなることを願っているに違いありません。

しかし、金属であり、歴史的な重要性と長期的な価値があるオリンピックのメダルには本質的に、金銭的な価値が伴います。さらに、イタリアのミラノとコルティナで開催された冬季オリンピックで授与された金メダルは、価格が高騰していることにより、その物質的な価値は大会史上最も高くなっています。

スノーボード女子ハーフパイプでメダルを獲得した(左から)クロエ・キム(アメリカ、銀)、チェ・ガオン(韓国、金)、小野光希(日本、銅)の3選手 Anadolu / Getty Images
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの金メダル Mattia Ozbot / Getty Images

オリンピックのメダルの価値について詳しく見ていく前に、まず知っておきたいのは、メダルが何でできているのかということです。現在、選手たちに贈られているのは「純金」のメダルではありません。最後に純金のメダルが授与されたのは、1912年のストックホルム夏季大会でした。

国際オリンピック委員会(IOC)は、「メダルの92.5%以上を銀にすること」と定めています。今大会の金メダルには500グラムの銀が使用されており、6グラムの金でメッキ加工が施されています。そして、銀メダルには500グラムの銀、銅メダルには420グラムの銅が使われています。

貴金属の価格は最高値の更新が続いており、10年ほど前には1オンス(約28.3グラム)あたり1300ドル(約19万円)前後だった金の価格は、2026年1月末に初めて、一時1オンスあたり5500ドル(約84万円)を上回りました。

また、パリオリンピックが開催された2024年と比べて、金と銀の現物(地金)価格はどちらも、2倍以上に上昇しています。最近の価格でみたミラノ・コルティナ・オリンピックの金メダルの価格は、約2474ドル(約38万円)と推計されています。

クロスカントリースキー女子10キロインターバルスタートフリーで優勝、“伝統”に従い金メダルを「かじる」スウェーデンのフリーダ・カールソン選手 Alex Slitz / Getty Images

一方、歴史的な重要性があり、獲得したアスリートやさまざまな瞬間との関連性にも価値があるオリンピックのメダルは、コレクターズ・マーケット(骨董品・収集品市場)でも高値がつけられます。

オリンピック関連の記念品・収集品の専門家によると、大会の終了後にさまざまな理由で売りに出されるメダルの価格は、アスリートや大会・試合などによって、何万ドル(数百万円)にもなるといいます。

2022年には、それまでに出場した4大会で合計12個のメダルを獲得した競泳のアメリカ代表ライアン・ロクテ選手が、銀と銅のメダルそれぞれ3個を、オークションに出品しています。

2012年ロンドン・オリンピックの競泳男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得したアメリカのライアン・ロクテ選手 FABRICE COFFRINI / Getty Images

ロクテ選手はこのとき、出品したメダルで総額16万6000ドル(約2539万円)の収益を得たといいます。そして、終末期医療を受ける子どもたちとその家族をサポートする非営利団体、Jorge Nation Foundationに全額を寄付しています。

『AP通信』に対し、「それほどメダルにこだわりがあるわけではない」と明かしたロクテ選手は、「クローゼットの中では、メダルはホコリを被っているだけ。何より大切なのは、僕の記憶」だと語っていました。

ロクテ選手はその後、2026年にも6個の金メダルのうち3個をオークションで売却。合わせて38万5520ドル(約5900万円)以上の収益を得たといいます。しかし、モデルのケイラ・レイ・リードとの離婚の直後だったこのとき、寄付については何も語られませんでした。

※文中の価格はすべて、2026年2月17日の為替レートで換算しています。

From TOWN&COUNTRY

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