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嫁を「気が利かない」と言い続けた私→嫁が来なかった法事で、全てが崩れた

  • 2026.3.5
ハウコレ

親戚の集まりのたびに、私は決まって口にしていました。「うちの嫁は気が利かなくて」。本心ではありませんでした。

ただ、そう言うことでしか自分の居場所を守れなかったのです。嫁が来なかった法事の日、私は初めて、自分がどれだけ嫁に頼りきっていたかを思い知ることになりました。

「気が利かない嫁」という言葉の裏側

嫁を「気が利かない」と言い始めたのには、きっかけがありました。嫁が来てから、法事の準備は見違えるほど手際よくなったのです。料理の味も上がり、親戚たちは「お嫁さん、すごいわね」「何でもできるのね」と口々に褒めるようになりました。

その言葉を聞くたびに、胸の奥がちくりと痛んだのです。だから「気が利かなくて」と先に言うことで、自分の立場を保とうとしました。褒められる嫁の隣で、存在感を失っていくのが怖かったのです。

全てを任せていた後ろめたさ

正直に言えば、私は嫁に甘えていました。買い出しも仕込みも当日の段取りも、いつの間にか全て嫁任せになっていたのです。それなのに、親戚の前では自分が仕切っているように振る舞っていました。嫁が作った料理を自分の手柄のように話したこともあります。

後ろめたさはありました。けれど一度始めれば止められず、嫁の働きを素直に認めることが、自分の無力さを認めることと同じに思えてしまっていたのです。

嫁がいない法事の日

嫁が「体調が悪いので休ませてください」と電話してきたとき、私は心のどこかで「なんとかなる」と考えていました。けれど現実は、まるで違いました。

台所に立っても献立が浮かばず、冷蔵庫の食材をどう使えばいいのかもわからない。時間だけが過ぎ、親戚が到着したとき、食卓にはまともな料理がほとんど並んでいませんでした。

見かねた親戚たちが惣菜を買ってきてくれましたが、誰かが小さな声で言いました。「全部お嫁さんがやってたのね」。私は、何も言い返せませんでした。

そして...

あの法事のあと、しばらく眠れない夜が続きました。恥をかいたこと以上に、自分自身の醜さが胸に刺さっていたのです。嫁の手柄を横取りし、感謝するどころか「気が利かない」とまで言っていた自分。嫁に電話をかけるまでに一ヶ月かかりました。

「いつも……本当に助かってた。ごめんなさいね」、たったそれだけの言葉が、どうしても出てこなかったのです。電話口で声が震えていたのは、きっと嫁にも伝わっていたと思います。許してもらえるとは思っていません。けれど、あの日を境に私は少しだけ変わろうと決めました。

(60代女性・主婦)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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