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問題が発生した時にどうフォローするか……精神科で働いていた著者が感じる親子関係の鍵【著者インタビュー】

  • 2026.3.1

【漫画】本編を読む

「~なんだから」「~らしく」……親から浴びせられた生まれ順や性別などの役割を押し付けられる言葉は、大人になっても抜けないもの。長子としての役割を求められ、親から世話をされる対象ではなくほかのきょうだいの世話をする対象として見られる。著者がそんな自身の過去を振り返り、漫画にしたのが『きょうだい、だけどいや ケアをさせられたきょうだい児だった、けど』(のまり/竹書房)だ。

主人公である手塚ナミは、妹・ミサが生まれた時から「お姉ちゃんなんだから」と我慢を強いられる。病気がちの妹を「身体が弱いんだから」と常にかばい、ナミがミサの面倒を見ることも家事をすることも当然かのように振る舞う母。家族と距離を置くため、ナミは県外の大学へ進学する決意をするが――。

著者は精神科訪問看護師として働いた経験を持つのまりさん。自身の体験だけではなく、精神科訪問看護師として見聞きしたことも本作には生かされているのだそう。その経験や創作にあたっての裏話をうかがった。

※本インタビューの内容は、個人の実際の経験・体験に基づく内容となります。

――本作のテーマは障害や病気を抱える兄弟姉妹を持つ子どもを指した「きょうだい児」ですが、ひとことできょうだい児と言ってもきょうだいが持つ障害が身体的なものか精神的なものかでも状況が変わるのかなと読んでいて感じました。

のまりさん(以下、のまり):前職は精神科だったので、身体障害の方やそのごきょうだいにはあまり関わらせていただく機会がなかったです。精神の障害の場合は、家族の関係性が良好でも悪くても、本人の体調や症状によって、家族が振り回されて疲弊してしまうことがあると感じました。

――となるときょうだい児の方も精神的な不調が現れたり、不安定だったりするのでしょうか?

のまり:そこは親御さんや周りの大人次第だと思います。

――なるほど。ご自身の経験も含めて、親の立場の人間はどういう対応を取るべきだと思いますか?

のまり:あくまで個人的な意見にはなるのですが、人間同士なので完璧なコミュニケーションを取ることは難しいことだと思います。親であっても間違えや失敗に気づき、それを認めること、そして何か問題が発生した時にどうフォローするかが大切なんじゃないかと思います。子どもは大人が思っている以上に、大人の行動や言葉を見ているし、大人がすぐ忘れてしまうようなことも、ずっと覚えていたりします。これはきょうだい児のみでなく、すべての家庭に言えることですが。

――私自身、2歳差の男の子兄弟を育てているのですが、失敗ばかりです……。

のまり:何か困りごとが起きた時、必ず家庭内だけで全て解決しなければならない、と思ってしまうと、とてもしんどくなってしまうと思います。困りごとの内容を保育園や学校の先生に共有してみたり、行政・民間で利用できるサポートを検討してみたりすると、風通しが変わるかもしれません。今は小児がメインの現場で働いているのですが、改めて子どもって本当にひとりひとり違うなと思うんです。なので、大人側だけの思考フィルターに寄った考えを押し付けてはいないか、立ち止まって考えてみること。子どもの本当の願いはどこにあるのかを考えること。そして、子どもと話をし、行動を見守っていくことが大事なのではないかと思います。

取材・文=原智香

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