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親からの愛情格差を描いた漫画『きょうだい、だけどいや』の著者が考える、子育てに必要な視点【著者インタビュー】

  • 2026.3.3

【漫画】本編を読む

「~なんだから」「~らしく」……親から浴びせられた生まれ順や性別などの役割を押し付けられる言葉は、大人になっても抜けないもの。長子としての役割を求められ、親から世話をされる対象ではなくほかのきょうだいの世話をする対象として見られる。著者がそんな自身の過去を振り返り、漫画にしたのが『きょうだい、だけどいや ケアをさせられたきょうだい児だった、けど』(のまり/竹書房)だ。

主人公である手塚ナミは、妹・ミサが生まれた時から「お姉ちゃんなんだから」と我慢を強いられる。病気がちの妹を「身体が弱いんだから」と常にかばい、ナミがミサの面倒を見ることも家事をすることも当然かのように振る舞う母。家族と距離を置くため、ナミは県外の大学へ進学する決意をするが――。

著者は精神科訪問看護師として働いた経験を持つのまりさん。自身の体験だけではなく、精神科訪問看護師として見聞きしたことも本作には生かされているのだそう。その経験や創作にあたっての裏話をうかがった。

※本インタビューの内容は、個人の実際の経験・体験に基づく内容となります。

――親の立場で本作を読んだ方も多いと思います。きょうだい間の差を感じて育ってきたのまりさんとして「子育てでこんなところに気を付けてほしい」というのはありますか?

のまりさん(以下、のまり):小児の現場で働いていて思ったのが、大人や周りの人たちにとって“困った”と思わせる行動をとってしまう子どもには、何かしら理由や背景があるケースが存在する、ということです。周りの人に嫌な思いをさせてしまったら、行動や言葉などの何が良くなかったのか一緒に確認しつつ、その子自身の感情についても気を向けて、どうしてほしかったのか考えてみることが、大事なことなのではないかなと感じています。親の視点からだとまた難しさがあるのかもしれませんがやってみてほしいです。それが可能な環境づくりだったり、親側が「親と子どもは全く違う考えを持った人間なのだ」と意識し続けてみるのがいいのかな、と思います。

――罪を憎んで人を憎まずということでしょうか。

のまり:例えば物を壊したり、他人に対して嫌な言葉を言ってしまう子は、一見「困った子だ」「意地悪な子だな」、と周りの人がネガティブに感じてしまうんですが、家庭内の情報なども確認してみると、子どもだけでは抱えきれない複雑な事情があったり。昭和・平成の頃より、日本国外にルーツのある子どもも、地域によっては増えてきている印象を受けます。そういったお子さん自身が言語・容姿・家庭内のことなどが背景にあって、日本の地域コミュニティで生活していくことに困難を感じ、何らかの悩みや困りごとを抱えてしまうケースもありました。そういったお子さんに対するサポートももっと必要なのかもしれないと感じています。

――そういった視点を持てるのも看護師時代の経験が活きているんでしょうか。

のまり:でも、私も余裕がないとそこまで考えられません。やっぱり親子1対1だとどうしても余裕が持てない時がありますよね。そういうところを学校や他の支援団体がサポートできる体制があるといいなと思います。

取材・文=原智香

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