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「“いい子でいる”役割を求められていた」精神科訪問看護師の経験を持つ著者が姉妹の愛情格差について描く漫画『きょうだい、だけどいや』【著者インタビュー】

  • 2026.2.25

【漫画】本編を読む

「~なんだから」「~らしく」……親から浴びせられた生まれ順や性別などの役割を押し付けられる言葉は、大人になっても抜けないもの。長子としての役割を求められ、親から世話をされる対象ではなくほかのきょうだいの世話をする対象として見られる。著者がそんな自身の過去を振り返り、漫画にしたのが『きょうだい、だけどいや ケアをさせられたきょうだい児だった、けど』(のまり/竹書房)だ。

主人公である手塚ナミは、妹・ミサが生まれた時から「お姉ちゃんなんだから」と我慢を強いられる。病気がちの妹を「身体が弱いんだから」と常にかばい、ナミがミサの面倒を見ることも家事をすることも当然かのように振る舞う母。家族と距離を置くため、ナミは県外の大学へ進学する決意をするが――。

著者は精神科訪問看護師として働いた経験を持つのまりさん。自身の体験だけではなく、精神科訪問看護師として見聞きしたことも本作には生かされているのだそう。その経験や創作にあたっての裏話をうかがった。

※本インタビューの内容は、個人の実際の経験・体験に基づく内容となります。

――のまりさんは精神科訪問看護師として働かれていたとのことですが、どんなお仕事だったのでしょうか?

のまりさん(以下、のまり):大まかに言うと、精神科の患者さんに特化した訪問看護のシステムがありまして。例えば統合失調症や発達障害などの方のお宅やグループホームに看護師や精神保健福祉士、公認心理士といった国家資格を持った専門職種の人間が訪問するんです。そこでお話を聞いたり、お薬の服薬状況を把握したり。「再発を抑えたい」「就職したい」などひとりひとり希望する生活は違うので、利用者の方の生活に合わせた支援を考えていくのが仕事です。

――外出できない方が利用するイメージだったのですが、そういうわけでもないんですね。

のまり:そういった方もいらっしゃいます。まず医療と繋がるためのとっかかりを作るような支援もありますし、働いている方もいらっしゃったり。利用者の方に合った行為をするというイメージです。ひとり暮らしの生活保護の方もいらっしゃって、医療・福祉の繋がりを継続する目的での訪問もあったりして、本当に利用者さん次第ですね。

――精神科訪問看護師というお仕事に就かれたのはなぜですか?

のまり:看護学校を卒業して最初に働いたのは精神科の病院だったのですが、その後他の科に回ったりしながら精神科に再び関わることになって。そこから地域で暮らす患者さんと接する機会が多くなったので「在宅、訪問看護をやってみたいな」と思うようになって、そんな時に訪問看護の求人を見つけました。私自身不登校になったことがあります。その当時関わった学校・医療機関が、適切な対応を取ってくれたわけではないというモヤモヤを抱えたまま、大人になりました。どんなに心がしんどくても、学校など外の世界にこちらが出向かないと、不利な状況が続いてしまうことがすごく負担だったので、訪問型の支援に興味があったからというのも理由です。

取材・文=原智香

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