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習慣的な玄米食で高齢者の認知機能が改善…食べやすく、玄米と同等の栄養価がある“脱ロウ玄米”に注目

  • 2026.2.27

東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの瀧靖之教授らの研究グループは、東洋ライスとの共同研究により、玄米を週4回、6カ月間摂取することで、高齢者の遂行機能が改善されることを明らかにした。2026年2月24日には、同研究の記者発表会が都内にて行われ、瀧靖之教授と東洋ライス代表取締役社長の雜賀慶二さんが登壇。研究資料を提示しつつ、習慣的な玄米食が認知機能改善にもたらす影響についての説明がなされた。

東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの瀧靖之教授(左)と、東洋ライス・代表取締役社長の雜賀慶二さん(右) 撮影:ソムタム田井
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの瀧靖之教授(左)と、東洋ライス・代表取締役社長の雜賀慶二さん(右) 撮影:ソムタム田井

玄米食と白米食で認知機能を比較…その結果は!?

脱ロウカット玄米を食べることで認知症予防に⁉(※画像はイメージ) (C)shige hattori/PIXTA
脱ロウカット玄米を食べることで認知症予防に⁉(※画像はイメージ) (C)shige hattori/PIXTA

瀧教授によると、日本をはじめとした先進国では平均寿命が延びる一方、高齢期の認知機能低下や認知症の増加は大きな社会問題となっており、寿命と健康寿命には、男性で約9年、女性で約12年の差があるという。

玄米の摂取が認知機能にもたらす効果についての研究を行った瀧靖之教授 撮影:ソムタム田井
玄米の摂取が認知機能にもたらす効果についての研究を行った瀧靖之教授 撮影:ソムタム田井

そして、要介護の原因で一番多いのは認知症であり、脳の健康(認知的健康)を保つことこそが健康寿命延伸のカギになる…として、研究グループは“食習慣”に着目。数ある食材の中でも玄米には、脳内のアミロイドβの減少や学習・記憶機能の改善など、認知機能に対する直接的・間接的な効果があるとされているが、人を対象にした研究はまだ少なく、データも限られているため、このたび、大々的な実験を行うことになった…と、共同研究実施の経緯が語られた。

男女ともに、寿命と健康寿命には10年前後の乖離があるという 撮影:ソムタム田井
男女ともに、寿命と健康寿命には10年前後の乖離があるという 撮影:ソムタム田井
認知機能障害にもたらす健康効果に注目 撮影:ソムタム田井
認知機能障害にもたらす健康効果に注目 撮影:ソムタム田井

今回の研究は、60歳以上で認知症が疑われない高齢者を対象に、玄米の摂取が認知機能に与える影響を検証するもので、126人の候補者を募ったのち、条件に当てはまる56人を解析対象に選定。そのうち30人は週4回、6カ月間にわたり玄米を摂取。残りの26人は同じ期間に白米を摂取してもらい(どちらも米の量は1回あたり、茶碗1杯程度)、介入前後で2種類の認知機能検査・FAB(※1)とMMSE(※2)が行われることに。

解析対象となる56人の選定の経緯も説明された 撮影:ソムタム田井
解析対象となる56人の選定の経緯も説明された 撮影:ソムタム田井

そうして、摂取した米の種類(玄米/白米)と時間(介入前/介入後)の交互作用を確認したところ、玄米を摂取したグループにFAB合計得点の有意な上昇が見られた。これにより“週4回、6カ月間の摂取”という日常生活でも取り入れやすいレベルの食習慣であっても、高齢者の認知機能の維持・改善は期待できることが明らかになった。

玄米を摂取したグループは、FAB合計得点が大きく上昇した 撮影:ソムタム田井
玄米を摂取したグループは、FAB合計得点が大きく上昇した 撮影:ソムタム田井

さらに瀧教授からは、あくまでも仮説としつつ、玄米によって得られる効果のメカニズムが説明される。また、研究そのものについては「日常の食事を変えるというシンプルかつ低コストな方法で、高齢者の脳の健康を守ることができる可能性が示された…という点で、このたびの検証の社会的意義は非常に大きい」との見解を述べ、研究報告を締めくくった。

瀧靖之教授が提示する、玄米によって得られる効果のメカニズム(仮説) 撮影:ソムタム田井
瀧靖之教授が提示する、玄米によって得られる効果のメカニズム(仮説) 撮影:ソムタム田井
研究発表のまとめ 撮影:ソムタム田井
研究発表のまとめ 撮影:ソムタム田井

※1:FAB(Frontal Assessment Battery)は、前頭葉機能(遂行機能)を簡便に評価するための神経心理検査。点数が高いほど、前頭葉機能が保たれていることになる。

※2:MMSE(Mini-Mental State Examination)は、全般的な認知機能を評価するための簡便な検査。認知症の有無や程度をスクリーニングする際に世界的によく用いられている。

雜賀社長も期待!脱ロウ玄米が人々に健康をもたらす

ロウ層を取り除いた玄米(※画像はイメージ) (C) K321/PIXTA
ロウ層を取り除いた玄米(※画像はイメージ) (C) K321/PIXTA

続けて発表会の後半では、雜賀社長より、今回の研究で用いられた脱ロウ玄米(一般名:ロウカット玄米)が紹介された。

脱ロウ玄米の可能性について言及する雜賀慶二社長 撮影:ソムタム田井
脱ロウ玄米の可能性について言及する雜賀慶二社長 撮影:ソムタム田井

脱ロウ玄米とは、玄米表面の防水性の高い“ロウ層”のみを除去した玄米で、栄養素はほぼそのままでありながら、白米のような柔らかい食感になっているのが特徴。白米用の炊飯器で簡単に炊けるため、従来の玄米の食べにくさも解消されており、上記の研究結果にある“高齢者の認知機能の維持・改善”においても、今後ますます注目されることが予想される。

脱ロウ玄米の概要を紹介 撮影:ソムタム田井
脱ロウ玄米の概要を紹介 撮影:ソムタム田井
研究発表の合間には玄米そのものの説明も行われた 撮影:ソムタム田井
研究発表の合間には玄米そのものの説明も行われた 撮影:ソムタム田井

白米のように食べやすく、それでいて玄米と同等の栄養素が摂取できる。最後に、そんな脱ロウ玄米についての雜賀社長の見解が語られ、発表会は終了した。

玄米、脱ロウ玄米、白米の比較 撮影:ソムタム田井
玄米、脱ロウ玄米、白米の比較 撮影:ソムタム田井

「玄米を精米して白米にする際に、削り取られる表皮や胚芽の部分を“糠(ぬか)”と言いますが、“糠”という字は米編に“康”と書くように、その文字を創った古代人は、糠を摂取した人が健康になるということを深く認識していたことがうかがい知れます。したがって、あらゆる食品の中で、糠はほかに類を見ない健康食品であると言えるでしょう」

「しかし現代人は、100%糠がついた玄米は食べにくい。それを食べやすくした脱ロウ玄米は、人々を健康に導いてくれると私は確信しています」

「では、健康になる源とは何か?それは生命力の摂取です。“米の精”(無洗米の副産物の肌糠)を肥料にした花の切り花は、通常の2倍以上も長く生き続けると言われているように、糠はそれを摂取したものに生命力を付与してくれます。糠の摂取により、人はさらに健康になれると私は信じています」

玄米食を食べて認知機能を向上させれば、より充実した老後生活を送れるかも!?(※画像はイメージ) (C)Luce/PIXTA
玄米食を食べて認知機能を向上させれば、より充実した老後生活を送れるかも!?(※画像はイメージ) (C)Luce/PIXTA

取材・文=ソムタム田井

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