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「お姉ちゃんなんだから」自身も経験したきょうだいの愛情格差を作品にした漫画『きょうだい、だけどいや』【著者インタビュー】

  • 2026.2.27

【漫画】本編を読む

「~なんだから」「~らしく」……親から浴びせられた生まれ順や性別などの役割を押し付けられる言葉は、大人になっても抜けないもの。長子としての役割を求められ、親から世話をされる対象ではなくほかのきょうだいの世話をする対象として見られる。著者がそんな自身の過去を振り返り、漫画にしたのが『きょうだい、だけどいや ケアをさせられたきょうだい児だった、けど』(のまり/竹書房)だ。

主人公である手塚ナミは、妹・ミサが生まれた時から「お姉ちゃんなんだから」と我慢を強いられる。病気がちの妹を「身体が弱いんだから」と常にかばい、ナミがミサの面倒を見ることも家事をすることも当然かのように振る舞う母。家族と距離を置くため、ナミは県外の大学へ進学する決意をするが――。

著者は精神科訪問看護師として働いた経験を持つのまりさん。自身の体験だけではなく、精神科訪問看護師として見聞きしたことも本作には生かされているのだそう。その経験や創作にあたっての裏話をうかがった。

※本インタビューの内容は、個人の実際の経験・体験に基づく内容となります。

――本作は先生ご自身の経験も基になっているとありましたが、具体的にどんな経験が作品になったのでしょうか?

のまりさん(以下、のまり):作中で妹のミサが入院しているシーンがありますが、私も身内が入院していた時があって、その期間は親に遊んでもらうことができなかったりしました。妹のミサが入院している時、ナミが欲しがっていたおもちゃをミサがもらっているのを見て「ずるい」と泣いてしまうシーンでは、母親からナミが「お姉ちゃんなんだから」と言われます。これもきょうだいで差をつけるような言葉を投げられていた私自身の経験から生まれたエピソードです。

――作中では妹・ミサも親の言動を真似していって、姉であるナミが自分の面倒を見て当然、という態度になっていきましたね。

のまり:そうですね、うちも未だにそういうところがあります(笑)。家族の感情や行動に対して嫌な思いをした経験が基盤になったのか、反面教師になったのかは分かりませんが、それが看護師として一見「困ったな」と感じてしまうような態度の患者さんと接する時、まずは話を聞いてみるというスタンスに繋がっていったのかもしれません。

――というと?

のまり:昔、かなり横柄な態度の患者さんがいらしたんです。他の看護師はその人のことを遠巻きにしていたんですが私はその人のことが何となく気にかかって、よくお話していました。よく話をしてみたらその方、病気になったことがすごくつらくて、寂しいという気持ちが強いために、横柄な態度を取ってしまったという具合でした。一見こちらが「困ったな」と感じてしまう人でも、その裏にどういう気持ちがあるのかを考えてみる。そして、話を聞くことにより関係性の変化が起こってきて、本音が見えてくる可能性もある。他者の気持ちを表面的な部分しか見てしまっていないか。まずは主観的な見解を疑ってみるという考えを大事にしたいと思っています。

取材・文=原智香

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