1. トップ
  2. 「ジャガイモの芽を取れば安心」は勘違い?食中毒の“危険なサイン”に「知らなかった」「基本だと思っていた」

「ジャガイモの芽を取れば安心」は勘違い?食中毒の“危険なサイン”に「知らなかった」「基本だと思っていた」

  • 2026.3.24
undefined
出典元:PIXTA(画像はイメージです)

カレーや肉じゃが、ポトフ、お味噌汁の具材など、さまざまな料理に使われるジャガイモ。身近な食材だからこそ気軽に手に取りがちですが、見た目の変化を見過ごしてしまうと、家庭でも思わぬ食中毒につながるおそれがあります。

2026年3月15日、奈良県でジャガイモを使った家庭料理による食中毒が発生しました。特に気をつけたいのが、皮の一部が緑色になったものや、芽が出たものの扱いです。今回は、あらためてジャガイモの扱いについて詳しく見ていきましょう。

今回の食中毒で起きたこと

奈良県の発表によると、今回の食中毒は、家庭で調理したポトフを食べた家族3人が、咽頭刺激感や吐き気などの症状を訴え医療機関を受診。その後、橿原市内の医療機関から保健所へ連絡があり、調査の結果、ジャガイモによる食中毒と断定されました。

調理に使ったジャガイモの残りには緑変部分があり、検査では高濃度のソラニン類が検出されたといいます。入院した人や重症者はおらず、全員回復しているものの、家庭での調理でも起こりうる事例として受け止めたいところです。

緑色の部分や芽に注意したい理由

こうした食中毒の背景にあるのが、ジャガイモに含まれる天然毒素です。農林水産省によると、ソラニンやチャコニンは天然毒素の一種で、ジャガイモの芽や緑色になった部分に多く含まれています。

これらを多く含むジャガイモを食べると、吐き気、下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがあります。「芽の部分や緑色になった部分を少し取り除けば大丈夫だろう」と思いがちですが、芽は周囲も含めて取り除くこと、緑色の部分は厚めに皮をむくことが大切だそうです。

また、気をつけたいのが「加熱すれば安心」という思い込み。農林水産省によると、ジャガイモに含まれるソラニンやチャコニンは、茹でても分解せず、量は減らないと注意喚起しています。もし苦みやえぐみを感じたときは、ジャガイモだけでなく一緒に調理したほかの食材も含めて、それ以上食べないようにしましょう。

家庭で気をつけたい予防のポイント

では、日々の暮らしの中ではどこに注意すればよいのでしょうか。農林水産省の情報をもとに、場面ごとのポイントを整理します。

購入するときは、芽が出ていたり、皮に緑色の部分があったりするものを避けるのが基本です。必要な量だけを購入し、長く置きすぎないようにしましょう。また、新じゃがは水分が多く、皮も薄いため、長期保存にはあまり向いていません。

保存するときは、暗くて涼しく、風通しのよい場所が適しています。室内で保存する場合は、通気性と遮光性のある紙袋や段ボールに入れ、光の当たりにくい場所に置くと安心です。明るい場所に置きっぱなしにすると、緑化や発芽が進みやすくなります。

調理するときは、芽があれば周囲ごとしっかり取り除き、緑色の部分は厚めに皮をむきましょう。家庭菜園で育てたジャガイモは未熟な場合もあるため、心配なときは、一度にたくさん食べたり、皮ごと食べたりしないほうがよいとされています。

家庭菜園で育てる場合は、ジャガイモに光が当たって緑色になるのを防ぐため、土寄せをして地表に出ないようにすることも重要です。収穫後も光に長く当てず、傷をつけないように扱いながら、早めに食べ切ることが推奨されています。

X(旧Twitter)では驚きや再確認の声も

今回の奈良県の発表を受けて、Xでは、「芽の危険性は知っていても、緑色の部分まで注意が必要とは知らなかった」という趣旨の声が見られました。発芽だけでなく、見た目の色の変化にも気を配る必要があると、あらためて感じた人は少なくないようです。

一方で、「芽を取ることは子どものころから教わっていた、緑色になったものは避けるのが基本だと思っていた」といった反応もありました。身近な食材だけに、家庭によって知識の共有に差があることもうかがえます。

また、「少しでも苦みがあれば食べないようにしたい」「暗い場所で保管することを意識したい」「買うときに見た目をもっと確認したい」といった実践的な声も広がっていました。

身近な食材だからこそ油断しないで

ジャガイモは身近で使いやすい食材ですが、芽や緑色の部分を軽く見てしまうと、思わぬ食中毒につながることもあります。今回の奈良県の事例は、特別な環境ではなく、家庭でも起こりうることを示しました。

見た目の変化を見逃さず、保存方法や下処理を少し丁寧にするだけでも、リスクを減らせる可能性があります。「これくらい大丈夫」と油断せず、食べる前にしっかり確認する習慣を持ちたいですね。


参考:
食中毒事件の発生について(奈良県)
じゃがいものソラニンやチャコニンによる食中毒を予防しましょう(農林水産省)