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「俺はまだ欲しくない」36歳目前の夫婦の決断は?互いの価値観がぶつかりすれ違う…子どもをめぐる人間ドラマ【作者に聞く】

  • 2026.2.25
「子供が欲しい」と「子供を持つリスクやデメリット」を天秤にかけて自分を納得させようとしていたものの、子供が欲しい気持ちはどんどん膨らんでいく。 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
「子供が欲しい」と「子供を持つリスクやデメリット」を天秤にかけて自分を納得させようとしていたものの、子供が欲しい気持ちはどんどん膨らんでいく。 画像提供:(C)グラハム子/竹書房

結婚して5年。もうすぐ36歳を迎えるミカは、そろそろ子どもを望んでいる。しかし夫は「まだいいじゃん」とはぐらかし続け、話し合いは平行線のまま。自然妊娠のリミットが頭をよぎる中、ミカは夫と真剣に向き合おうとする。漫画家グラハム子さん(@gura_hamuco)の新刊「うちの夫は子どもがほしくない」(竹書房)は、そんな価値観の違いに直面する夫婦の葛藤を描いた作品である。

「子どもがほしくない男性」の声を取材して描いたリアル

うちの夫は子どもがほしくない01 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない01 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない02 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない02 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない03 画像提供:(C)グラハム子/竹書房
うちの夫は子どもがほしくない03 画像提供:(C)グラハム子/竹書房

結婚5年目で夫婦仲は悪くないものの、子どもをめぐる価値観は大きく異なる。妻はタイミングを見て妊活の話題を持ち出すが、夫は機嫌を損ねたり、のらりくらりと話題を逸らしたりしてしまう。こうしたすれ違いを描くため、グラハム子さんは「子どもが欲しいと思う女性」と「欲しくない男性」の双方に取材を行った。

「私自身が子どもは欲しいタイプだったので欲しい派の気持ちはわかります。やっぱり何といっても子どもはかわいいです。取材する前は欲しくない派の気持ちがぼんやりとしていたのですが、取材をしてグッと解像度が上がりました」と振り返る。実際の声を取り入れることで、単純な善悪では語れない現実味を作品に落とし込んでいる。

子どもの有無ではなく“夫婦の問題”を描く

取材で特に印象的だった言葉として、「『今はもう子を持つことが一人前、幸せの象徴ではないから。』という言葉です。その通りだと思いました。昔だったらきっと社会から認められるツールとして子どもを持つ人も多くいたと思います。今はそんなこと必要ない、むしろそのために誕生させられるなんて子どもに失礼だよな、と。子どもを大切な存在だと思っているからこその『欲しくない』なのだなと思いました」とコメントしている。子どもを望むかどうかという単純な対立ではなく、それぞれの価値観や人生観がぶつかり合う構図が、本作の核になっている。

対等な夫婦として描くためのこだわりとは

取材内容は、登場人物の心情や考え方に色濃く反映されている。「今回は欲しい方2名、欲しくない方2名の4名の方に取材させていただいたのですが、その4名全員を混ぜ込んで描いている感じです。立場や境遇は4名ともさまざまでした。ただ、今回は対等な立場の夫婦を描きたかったので、夫婦の年齢も同い年にして、経済力格差の問題とEDの問題は描きませんでした」と制作の方針を明かす。さらに「毎回取材をすると私の知らなかった世界を知れて視野が広がります。漫画家業をしていてよかったな、おもしろいなと感じるところです」と、創作の原動力についても触れていた。

愛情があるからこそ苦しい選択

本作の見どころについては、「タイトルを見ると子どもの有無をテーマにしているように見えるのですが、実は大きなテーマはそこではありません。取材を重ねていって気づいたのは、子どもの有無で悩んでいるのは確かなんですけど、もっと広く捉えると『夫婦の問題』なんだということです」と強調する。

「結婚までしたということは、愛情はあるんです。愛情があるが故に、相手を尊重してあげたいと願う。ただ相手を尊重すると自分を抑圧して苦しくなる。その苦しさをどうにか和らげようと試行錯誤する。そんな主人公が自分で自分の生き方を見つけていくところに重点を置いて描きました」と振り返る。

主人公だけでなく夫側の心の動きも多く描いています。ぜひ自分はどちらに近いかな?と、考えながら読んでいただけたらうれしいです。」とメッセージを寄せた。互いに譲れない思いを抱えながらも、2人はどんな答えにたどり着くのか、物語の行方から目が離せない。

「別れも視野に…」「別れるくらいなら…」夫婦のその後は?

いろいろな理由をつけて逃げ続ける夫に対し、ミカは「別れも視野にいれていかなきゃ…」と決断を口にする。その瞬間、夫は「わかった。作ろう、子ども」「別れるくらいなら子どもいるほうがマシだわ」と答える。折り合いを見つけたかに思えた2人だが、その選択は本当に納得のいくものなのか。読者からは「時間は取り返しがつかない」「リアルな覚悟がないなら結婚なんてするなと言いたい」など、さまざまな反応も寄せられている。夫婦それぞれの本音を見つめ直す展開は今後も続いていく。

グラハム子さんは現在、「オカルト異世界ばなし」(竹書房)や「娘がパパ活をしていました」(オーバーラップ)、「タワマンに住んで後悔してる」「夫の公認なら不倫してもいいですか?」など、多くの作品を手掛けている。

取材協力:グラハム子(@gura_hamuco)

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