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指先で奏でるドラムでステージへ 筋ジストロフィーの高校生が描く世界への夢

  • 2026.2.19

「指先でたたくドラム」で多彩な音色

筋力が徐々に低下する難病「筋ジストロフィー」。恩師と音楽活動をつづける札幌の高校生に密着しました。

「難しいなこれ…」

おぼつかない手で食事をする和田輝政さん18歳。
5歳のとき、「ウルリッヒ型筋ジストロフィー」と診断されました。

Sitakke

その一方で、華麗な指さばきで多彩な音色を奏でます。

輝政さんが使うのは、ドラムの音を出すことができるタブレット。
手元が見えないため、デジタルカメラやスマートフォンでタブレットの画面を撮影したものをスマートグラスに映し出しています。

元々、ドラムとの出会いは小学5年生のとき。
6年生までは通常のドラムをたたいていましたが、中学に入り病状の悪化などからたたくのが難しくなっていました。
その先に出会ったのがこの「指先でたたくドラム」だったのです。

恩師との出会い

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北海道手稲養護学校 三角山分校にて(2025年12月 札幌市西区)

「いいんじゃないですか」

声をかけるのは、中学の恩師・田中貴志先生です。
田中先生自身も共栄中学の出身でOB。

輝政さんは2024年、田中先生と音楽ユニット「KYOUEI BROTHERS」を組み、帯広市や札幌市でライブをしてきました。

2人の出会いは、5年前。

輝政さんは体調を崩し、体を起こすのが困難になりました。

中学2年生のときに、呼吸が浅くなるなど症状が悪化したことで体重が激減し、地元の音更町から札幌市への転院を余儀なくされました。

「いろんな才能がある」

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2025年10月 学校祭(提供 田中先生)

「そこで当時の、音楽と理科の担当だった田中先生と出会いまして。iPadを使ったドラム演奏ができますということで、じゃあやらせてくださいと」輝政さんは話します。

その後、無事に地元の音更に戻り、共栄中学校を卒業した輝政さん。

高校1年生の学校祭でタブレットで奏でるドラムを披露すると、それを聴いた養護学校の教員たちから、ライブ演奏の提案を受けます。

「だいぶ不安はありましたね。そんなにドラムがうまいと思っていなかったのと、そんな状態でライブをやっていいのかという心があって、不安がすごく募っていた」

田中先生は「ドラムのプレイヤーとしても素晴らしいし、自分で曲を作ったりもする。その作品も素晴らしいので、いろんな才能がある」と太鼓判を押します。

独自の方法で苦手を克服

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学校の冬休み期間に入り、音更町の実家に帰省した輝政さん。田中先生と練習です。

田中先生が「軽くちょっと通してポイントだけ抑えてやってみましょうか」と声を掛けます。

翌日は、2回目の単独ライブ。練習は、いつもより力が入ります。

田中先生は「今まで人差し指でやっていてうまくできなかったんですよね。中指に変えてみようとやってみたんですよ。安定するようになってきて」と話します。

リズムを安定させるために輝政さんは独自の方法を編み出し、苦手を克服しました。

「口で噛んでリズムを取ったりしているんですよ。噛むと響くので、頭に直感で来るので。噛みながらやっていたりします」

「予想を上回る」ライブに

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約100席のライブ会場は、立ち見客が出るほど。

高校卒業を控える輝政さんに向けて田中先生が書き下ろしたものや、先生との活動を振り返るオリジナル曲も披露しました。

ライブ会場には、父親の賢さん(58)、母親の香織さん(51)のほか地元の友人たちの姿も。
父親の賢さんは「温かい皆さんの思いの中で、気持ちよく演奏できたのではないでしょうか」と話します。

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地元の友人たちも輝政さんの演奏を聞き、刺激をうけた様子です。

「レベルがど-んと上がっている輝政の姿を見られて、指の操作や人前で堂々としていて、自分も力がもらえた」

「自分ができることの中で好きなことを見つけて、それを突き詰めるっていうのを頑張って負けないように頑張っていきたいなって思います」

田中先生は「いい感じでライブができるだろうなっていう予想はあったんですけども、その予想を上回るような和田くんの演奏であるとか、お客さんの反応であるとか、思った以上にやっぱりすごくそれを感じてめちゃくちゃ楽しかったです」とうれしそうな表情です。

輝政さんの今後の展望

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和田輝政さん

輝政さんは「すごく緊張したんですけど、すごく楽しくできたので、本当にすばらしいライブにできたかなと思っています」と笑顔。

「もっともっとドラムの力を身につけたいというのがありますし、ゆくゆくは世界進出もできればなと思っていますので、活躍できることを祈っております」

『自分の音楽をたくさんの人に届けて勇気づけたい』
輝政さんは、これからもチャレンジすることの大切さを届けていきます。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年1月28日)の情報に基づきます。

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