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がんになったと告げたらタクシーを飛ばして会いに来てくれた友人。その時自分が感じた意外な感情【著者インタビュー】

  • 2026.2.22
©御前モカ(秋田書店)2024
©御前モカ(秋田書店)2024

【漫画】本編を読む

主人公・秋山紅葉(もみじ)ががんの宣告を受けるところから始まる漫画『おはよう、おやすみ、また明日。』(御前モカ/秋田書店)。キャビンアテンダントの仕事ぶりを描いた「CREWでございます!」シリーズで知られる漫画家・御前モカさんが、自身の闘病体験をもとに描いた作品だ。闘病体験を描くと同時に、主人公が“限りある人生だからこそ”とよりよく生きることを模索していく姿も描かれている。紅葉がこれまでの自分を見つめ直す姿は、限りがある人生だからこそ人は輝いているのだということを私たちに教えてくれる。御前モカさんにインタビューし、自身のがんとの向き合い方からご家族・ご友人など周囲の人の変化まで、さまざまなお話を伺った。

――本作にはあかねという、主人公に寄り添おうとしてくれる友人が登場します。モデルになった方がいらっしゃるのでしょうか?

御前モカさん(以下、御前):特定のひとりではなくて、友人何名かとのエピソードが合わさってあかねというキャラクターになっております。作中で紅葉ががんになったことを電話で伝えたら、あかねがタクシーで来てくれたエピソードがございます。それは私と友人の間で実際にあった出来事です。

私は元から遠慮してしまいがちな性格で、誰かと会う約束をしようと思っても、あちらのご都合などを考えて「無理しなくて大丈夫だよ」と言ってしまうのです。ですがそれを振り切って「自分が会いたいから」と会いに来てくれて、とても嬉しかった。自分ではそれを嬉しいと感じるとは予想していなかったので、非常に意外な感情でした。

――私自身、読んでいて友情に感動したエピソードでした。

御前:やはりがんになってしまうと体調であったり感染症であったりの心配もございますし、弱った姿を見せることに抵抗がある方もいらっしゃいますよね。患者ご自身もお相手も「会いたいと言っていいのか」と気を遣うと思うのです。ですが一歩踏み出してみたら、結果良かったということもあるなと思いまして。もちろんお互いの関係にもよりますが、踏み込んだ本心を伝えてみてもいいのかなと思った出来事でした。読者の方からも「これを読んでがん患者の友達に『会いたい』と言ったら喜んでもらえました」というお声をいただけて。描いてよかったエピソードです。

――あかねとウィッグを買いに行くエピソードがありますが、こちらも実話ですか?

御前:実話です。私が医療用ウィッグを買うことを躊躇していた時期がございました。その時友人が「私はいつもファッションとしてウィッグを楽しんでいて、新しいものを探したいから、よかったら一緒に来てほしい」と声をかけてくれたのです。友人自らウィッグを被って、素敵なスタイルを見せてくださいました。

さらに医療用と一般用の違いも事前に調べてくれて「このブランドだったら作り方は一緒で、長く被るために通気性を良くして軽くなったりしているだけだよ」と丁寧に教えてくれまして。私のウィッグに対する抵抗を下げてくれたのです。

取材・文=原智香

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