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がんに罹患してわかった患者の気持ち。その想いを届けたい。誰も死なないがん闘病漫画『おはよう、おやすみ、また明日。』【著者インタビュー】

  • 2026.2.20
©御前モカ(秋田書店)2024
©御前モカ(秋田書店)2024

【漫画】本編を読む

主人公・秋山紅葉(もみじ)ががんの宣告を受けるところから始まる漫画『おはよう、おやすみ、また明日。』(御前モカ/秋田書店)。キャビンアテンダントの仕事ぶりを描いた「CREWでございます!」シリーズで知られる漫画家・御前モカさんが、自身の闘病体験をもとに描いた作品だ。闘病体験を描くと同時に、主人公が“限りある人生だからこそ”とよりよく生きることを模索していく姿も描かれている。紅葉がこれまでの自分を見つめ直す姿は、限りがある人生だからこそ人は輝いているのだということを私たちに教えてくれる。御前モカさんにインタビューし、自身のがんとの向き合い方からご家族・ご友人など周囲の人の変化まで、さまざまなお話を伺った。

――本作では主人公のがんについて、その種類については描かれていません。これには理由がありますか?

御前モカさん(以下、御前):“何がん”と明記してしまうと同じ種類のがんに罹患されている方がご自身の症状と漫画の内容を過度に照らし合わせてしまう可能性を考え、明記は避けました。がんは、同じがん腫でもがん細胞、悪性度、年齢や持病など様々な要因で標準治療でもまったく変わっていくこともあるのです。ですが、自分と同じがんの方がいたら比べてしまう気持ちもわかります。作品内容とご自身の治療法に差異が生じた場合、主治医の先生との信頼関係が崩れてしまうことがないように明記は避けました。もちろんがん腫、がん細胞、悪性度を公表した上で素晴らしい作品を描いている方もいらっしゃるので、あくまでも私の個人的な考えなのですが。

――そもそもこの作品を描こうと思ったきっかけを教えてください。

御前:『CREWでございます!』と同じで、自分の体験を届けたいと思ったからです。私自身がん家系なのでがんについて考えてきた方ではあると思うのですが、実際に罹患しないとわからなかった気持ちもございました。

それに周りにがん患者の方がいらっしゃる場合、接し方に悩まれることもあると思うのです。その際の一例にはなりますが、この漫画を通して「こんな風に考えている人もいるのだ」ということが伝わればいいなと思っております。

――本作を描く上で、がんになってから知り合ったがん患者の方の体験も参考にされているそうですね。取材をされたのでしょうか?

御前:仲良くなった時はまだこの漫画を描くと決めていなかったので、取材というよりは普通にお話をしておりました。描くと決めてから改めてお伝えして、許可をいただいております。私の母もがんだったのですが、とても協力してくれました。日記やメモを、作品のためと遺してくれまして症状やその時の心情が細やかに綴られておりました。母の気持ちも作品に入れております。

取材・文=原智香

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