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【福岡三越】体感する、書のエネルギー「武田双雲展 ―神龍―」

  • 2026.2.18

こんにちは。あっという間に2月に入り忙しい日々。自分と向き合う時間とれていますか? 毎日バタバタと過ぎていっている…リビングふくおか・北九州Web地域特派員、よんななです。 そんな毎日の中で、ふと立ち止まれる時間を探して、今回足を運んでみたのがこちら。

独自のスタイルで幅広く活躍されている書家の武田双雲さんの「武田双雲展 ―神龍―」。 現在、天神の福岡三越9階  三越ギャラリーで開催されています。 福岡三越では2024年以来、2年ぶり3回目の個展だそうです。

双雲さんといえば、NHK大河ドラマ『天地人』や世界遺産『平泉』、スーパーコンピュータ「京」などの題字を手がけてこられたことで有名ですよね。 テレビやニュースで目にする機会はあっても、“生の作品”を間近で見るのは今回が初めて。 正直に言うと、「書ってちょっと難しいイメージも…」という気持ちもありつつ会場へ向かいました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

会場に入った瞬間、空気が変わる

三越9階のギャラリー前に立つと、入り口には神前幕。 自然と背筋が伸びるような感覚になります。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

その先は少し薄暗く、ライトに照らされた作品が静かに浮かび上がります。 厳かでありながら、どこかあたたかさもある空間。

展示は力強い「天地人」の作品から始まります。 大きな一筆から伝わるエネルギー。 力強いのに澄んでいて、静かなのに存在感がある。そんな印象を受けました。

力強いのに、澄んでいて、静かなのに、存在感がある。 書って、こんなに“エネルギー”を感じるものなんだという驚きがありました。

出典:リビングふくおか・北九州Web
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墨の動きまで伝わってくる「書」

墨で書かれた作品の前に立つと、文字そのものよりも、筆の動きや勢いが目に入ってきます。 墨の飛沫、かすれ、流れ。「この瞬間にこう動いたんだろうな」と想像できるのが不思議です。

平面の作品から、制作の時間や息遣いまで感じられるようです。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

越前和紙の作品に思わず見入る

今回特に印象的だったのが、越前和紙の作品です。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

和紙の製造過程で手を加え、凹凸で表現された立体的な作品。 どうやって作られているのか気になり、双雲さんにうかがいました。

「プロデューサーに連れられて初めて越前和紙を見に行きました。 まだ濡れている和紙を見たとき、“ここに書きたい”と思ったんです」

まだ水分を含んだやわらかな和紙に書くという挑戦。それが新しい表現につながったそうです。 さらに驚いたのは、指で書いていること。

「最初は“手だ”と思うと書けなかった。でも“これは筆だ”と思った瞬間に動き出しました」

発想を少し変えるだけで、表現は広がる。日々の暮らしにも通じる言葉だと感じました。 展示には制作中の写真もあり、まるで白い雪の上に描いているようでした。

双雲さんに、少しお話をうかがいました

会場を拝見したあと、作品づくりや日々のことについてお話をうかがいました。 とても穏やかな語り口で、作品の迫力とはまた違う、やさしい空気をまとっている方でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

――熊本ご出身とのことですが、福岡の思い出はありますか?

「そうですね。熊本で育って、高校卒業後に九州を出たんですが、高校生の頃に友人に連れられて初めて福岡に遊びに来たとき、都会の雰囲気にすごく驚いたのを覚えています。」

――熊本や福岡など、九州の魅力で作品に影響しているものはありますか?

「僕は小さい頃から阿蘇によく連れて行ってもらっていて、湧き水や山の雄大さといった大自然の風景は、作品づくりに大きく影響していると思います。」

九州の自然の豊かさや強さ、美しさが、作品のエネルギーとして伝わってくるようでした。

――普段はどんな環境で制作されているのでしょう?

「湘南のアトリエで、音楽もかけずに制作しています。一人の時間はとても大事ですね」

静かな空間で、自分と向き合う時間。 その積み重ねが、迷いのない一筆につながっているのだと感じました。

――書をどう楽しめばいいのでしょうか?

「難しく考えなくていいんです。美しいと思ったら、それでいい。 好きか、好きじゃないか。その感覚を大事にしてほしい」

“わからなきゃいけない”と思わなくていい。好きかどうか、その感覚を大切にしたいです。

――集中力が必要なお仕事ですが、心を整えるために意識していることはありますか?

「特別なことはしていませんが、日々乱れないようにしています。 年に一度大掃除をすると大変ですよね。だから、日々自分の心の乱れや汚れに気づき、小さく掃除していく。 その積み重ねが大事だと思っています。」

自分と向き合う時間である「心の掃除」という言葉が印象的でした。 今回の鏡の作品にも自分と対峙するという表現として現れていると感じます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

生の作品だからこそ感じられるもの

――最後に、読者の方へのメッセージを。

「ぜひ会場で、生の作品を見てほしいです。デジタルの時代だからこそ、アナログのエネルギーを感じてください」

画面では伝わらない、作品の厚みや質感。実際に目の前に立つと、その迫力は想像以上でした。 書は難しいもの、という思い込みが少しやわらいだ時間でした。

三越ギャラリーでは、2月21日(土)14時からライブペイント・トークショー、 2月22日(日)14時からトークショーも予定されています。詳しくは公式サイトをご確認ください。

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出典:リビングふくおか・北九州Web

会期中に行われたライブペイント作品。トークショーは盛況が予想されます。ぜひお早めに![/caption]

忙しい毎日の合間に、少しだけ立ち止まり自分と向き合う時間。 “心の掃除”に、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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