1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「情熱的なキス」を求めている人とは?日常での”ある傾向”が判明

「情熱的なキス」を求めている人とは?日常での”ある傾向”が判明

  • 2026.2.17
どんな人が「キスでドキドキする」ことを求めている? / Credit:Canva

人は、なぜキスをするのでしょうか?

キスでドキドキする人と、そうでない人の違いはなんでしょうか?

キスは恋愛の象徴のように語られますが、その意味づけは人によって大きく異なります。

スコットランドのアバーティ大学(Abertay University)の研究チームは、「日常生活でのある傾向」が、キスに何を求めるかを左右している可能性を示しました。

研究では、日中にパートナーとの親密な空想をする傾向が強い人ほど、「良いキス」を“強い身体的な接触とドキドキする興奮を伴うもの”と定義しやすいことが示されたのです。

本研究は2025年12月30日付で、『Sexual and Relationship Therapy』にオンライン掲載されました。

目次

  • 日中に親密な空想をする人は、「キスでドキドキする」ことを求める
  • キスは唇よりも「頭の中」から始まる

日中に親密な空想をする人は、「キスでドキドキする」ことを求める

進化心理学の分野では、人間がキスをする理由についていくつかの考え方が提案されています。

ある考えでは、キスは相手の健康状態や相性を無意識に確かめる手段だとされています。

また別の考えでは、キスは恋人同士の絆や愛着を強める役割を持つと考えられています。

そしてもう一つの見方として、キスは性的な興奮を高め、性行為へとつなげるきっかけになるのではないか、という考えがあります。

これまでの研究では、キスが相手を見極めたり、関係を深めたりする行動である可能性は比較的支持されてきました。

しかし、「キスそのものが性的な興奮の引き金になる」という考えについては、はっきりとした証拠が十分に集まっていませんでした。

唇の敏感さや唾液の交換、キスをするタイミングなど、物理的な側面に注目した研究はあったものの、キスが必ずしも性的な興奮の高まりを生むとは言えなかったのです。

そこで今回の研究チームは、視点を変えました。

キスの“感触”そのものではなく、「キスをする人の頭の中」に注目したのです。

特に焦点を当てたのが、日常生活の中でどれくらいパートナーとの親密な場面を空想しているか、という傾向でした。

研究には400人あまりの成人が参加し、そのうち回答がすべてそろっていた212人のデータが分析されました。

参加者は、「良いキスとはどんなものか」を評価する質問票に回答。

この質問票では、息の匂いや唇の味といった感覚的な要素に加えて、「どれだけ身体的に触れ合うか」「どれだけ性的な高まりを感じるか」なども評価されました。

また、日中にパートナーとの親密な場面をどのくらい思い描くか、一般的な性欲、想像力の豊かさなども同時に測定されました。

そして分析の結果、日中に親密な空想をする傾向が強い人ほど、「良いキス」として身体的な接触や興奮を重視する傾向があると分かりました。

では、より詳しい結果について次項で見ていきましょう。

キスは唇よりも「頭の中」から始まる

今回の研究で特に重要なのは、「キスが好きかどうか」を直接測ったわけではない点です。

焦点となったのは、「良いキスの定義」です。

統計的な分析の結果、キスの評価は大きく三つの要素に分かれました。

匂いや味などの「感覚的な側面」、身体接触と興奮を含む「接触と興奮」、そしてスタイルの一致などを含む「テクニック」です。

日中の親密な空想傾向と関連があったのは、このうち「接触と興奮」の要素のみでした。

つまり、空想が多い人は、キスの匂いや味よりも、「どれだけドキドキするか」「どれだけ触れ合うか」を重要だと感じやすいのです。

ここで誤解してはいけないのは、空想が多い人が必ずしも性欲が強いわけではないという点です。

研究では、一般的な性的欲求や想像力の豊かさを統計的に差し引いても、日中の親密な空想傾向と「接触と興奮」を重視する傾向との関連は残っていました。

これは、単なるリビドーの高さや“クリエイティブさ”ではなく、「親密さを日常的に思い描く習慣」そのものが、キスの意味づけに影響している可能性を示しています。

では、なぜそのような結果になるのでしょうか。

研究自体は因果関係を証明していませんが、一つの解釈としては、「心の準備状態」が挙げられます。

日中にパートナーとの親密な場面を想像している人は、キスを単なる挨拶や習慣ではなく、“親密さの延長線上にある行為”として捉えやすいのかもしれません。

言い換えれば、キスは唇で始まるのではなく、頭の中で始まっている可能性があるのです。

実生活に当てはめてみると、興味深い示唆が得られます。

たとえば、「最近キスしてもドキドキしない」と感じるとき、その原因はテクニックや相性だけではなく、日常の中で相手を“恋人として想像する時間”が減っていることかもしれません。

また、パートナー間でキスの好みが違う場合、それは性欲の差ではなく、親密さを思い描く頻度の違いが影響している可能性もあります。

もちろん、この研究には限界もあります。

データは一時点で集められた横断研究であり、空想がキスの好みを変えるのか、それともキスの経験が空想を増やすのかは分かりません。

また、参加者は主にイギリスとイタリアの成人であり、キスが文化的に一般的でない社会に当てはまるかどうかも不明です。

今後は、カップルを長期的に追跡する縦断研究や、実験的に「パートナーについて空想する機会」を増やしてみるような研究などが求められます。

そうした研究が進めば、「親密さを思い描くこと」が実際に身体的な親密さにどう影響するのか、より明確になるでしょう。

今回の研究が教えてくれるのは、キスの意味は一律ではないということです。

情熱的なキスを求める人と、そうでない人の違いは、唇の感覚ではなく、日常の中でどれだけ相手を思い描いているかにあるのかもしれません。

キスはただの接触ではなく、その人の“心の習慣”を映す鏡なのです。

参考文献

This mental trait predicts individual differences in kissing preferences
https://www.psypost.org/this-mental-trait-predicts-individual-differences-in-kissing-preferences/

元論文

Proclivity for sexual fantasy accounts for differences in the perceived components of a ‘good kiss’
https://doi.org/10.1080/14681994.2025.2608188

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる