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旅に寄り添うデザイン、「ミナ ペルホネン」皆川 明が手掛けたホテル・宿5

  • 2026.1.30
©Shinya Kigure

「ミナ ペルホネン」のデザイナー、皆川 明さんの創作は、服づくりにとどまらず、空間へ、そして滞在という時間へと広がっている。皆川さんが手掛けたホテルや宿は、テキスタイルや家具はもちろん、空間全体のバランスまでが意識され、旅人の滞在に心地よく寄り添う場所ばかり。泊まることそのものが「特別な日常」として感じられる5つの宿を、皆川さんのコメントとともに紹介する。




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京の温所 西陣別邸、釜座二条/京都

京町家の保全と景観の継承を目的に2018年から始まった宿泊プロジェクト「京の温所」。皆川さんは、その立ち上げからコンセプトづくりに携わり、建築家・中村好文さんとともに、京都の町家を“住まうように滞在する”ための空間へと導いてきた。

メインとなる「西陣別邸」は、西陣織の商家として明治後期に建てられた京町家を、中村さんが未来へ受け継ぐ住まいとしてリノベーションした一棟。西陣の街並みに溶け込みながら、最大8名まで滞在できるゆとりある空間が広がる。館内には「ミナ ペルホネン」のテキスタイルで仕上げたソファや、皆川さんがセレクトしたアートピースがさりげなく配され、長期滞在でも心地よく過ごせる。

<写真>京都市内だけでなく、美山や鞍馬、大原などの郊外へもアクセスしやすい「西陣別邸」。

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<写真>天窓からの光が降り注ぐダイニングに続くリビングには、「ミナ ペルホネン」のオリジナルファブリックのデイベッドを配置。

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<写真>キッチン横に配置されている2人掛けのソファからは、3月から4月にかけて満開の枝垂れ桜が楽しめる。テキスタイルは「ミナ ペルホネン」によるインテリア用テキスタイル“dop”。

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<写真>素朴な素材感を生かした聚楽塗(じゅらくぬり)の天井からやさしい光が漏れるベッドルーム。ベッドのヘッドボードにも「ミナ ペルホネン」のテキスタイル“dop”を採用した。

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二条城にほど近い「釜座二条」は、推定築150年の小さな京町家を、現代の暮らしに寄り添う住まいへと再構成した宿。らせん階段や使い勝手を考えられたキッチンなど、中村さんと皆川さん、それぞれの暮らしへの視点が随所に生かされている。ここでも「ミナ ペルホネン」のテキスタイルやアートが空間にやさしいリズムを添え、穏やかな時間が流れる。

Minagawa's comment
「お庭に面しているライブラリーはのんびりとした特別な時間となるでしょう。またキッチンも備わっているので京都の食材やお気に入りの食材を自炊して楽しめるというのも大きな魅力だと思います。連泊するのにも適した宿です」

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京の温所 西陣別邸
京都府京都市上京区浄福寺通今出川下る竪亀屋町265-1
京の温所
釜座二条
京都府京都市中京区釜座通二条下る上松屋町690-2

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ウミトタ/香川・豊島

瀬戸内海に浮かぶ豊島に佇む「ウミトタ」は、皆川さんがディレクションを手掛け、2018年にオープンした一棟貸しの宿。日本家屋をリノベーションしたその設計は、「シンプリシティ」の緒方慎一郎さん。皆川さんは緒方さんとともに、互いのアイデアを共有しながら、空間やインテリアが滞在する時間の心地よさや寛ぎにつながるよう、丁寧に検討を重ねたという。装飾を抑えた静かな空間のなかに、素材や設えの工夫がさりげなく息づき、自然と向き合いながら過ごす時間を豊かにしてくれる。

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Minagawa's comment

「豊島石を用いた浴室は、寝湯も楽しめるよう深さに段階を設けています。リビングは床を一段下げ、ソファに座ったときの目線が自然と低くなる設計に。照明には、モリソン小林さんによる鉄製の植物モチーフの作品を採用し、壁面に映る影も空間の表情として取り込んでいます。窓際にはバイオエタノール暖炉を備えたライブラリースペースを設け、ゆったりと寛ぎの時間を楽しむことができます」

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<写真>皆川さんと親交があり、「ミナ ペルホネン」の複数店舗の什器も手掛けているモリソン小林さんのアートワークが施されたランプ。ダイニングに美しい陰影の光を生み出している。

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<写真>ウミトタの正面の広いウッドデッキからは海をのんびりと眺めることができる。

ウミトタ
香川県小豆郡土庄町豊島家浦423-2

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旅籠ヴィソン/三重・多気

三重県・多気町に広がる食と文化の複合施設「ヴィソン」内に位置する「旅籠ヴィソン」。敷地内には「ミナ ペルホネン」のミュージアムやショップもあり、「ミナ ペルホネン」がディレクションを手掛けた3タイプの客室とあわせて、その世界観を堪能できる場所となっている。

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客室は、ブランドの世界観をより色濃く感じられる「コンセプトルーム」(写真)と、「クリエイターの住むお部屋」、「ツインルーム」という、2つのテーマを軸に構成されている。コンセプトルームでは、テキスタイルやアートワークが空間の主役となり、ブランドの世界観をダイレクトに体感できる設えに。

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一方、クリエイターが実際にこの部屋で仕事をしたり、過ごしたり、その時々の空間や思考をイメージした「クリエイターの住むお部屋」では、装飾を抑えつつ、家具や素材の選び方、配置のバランスによって、日常の延長として心地よく過ごせる空間が整えられている。

Minagawa's comment
「『ヴィソン』を訪れた方が『ミナ ペルホネン』の世界観を感じられるように設えてあります。敷地内にあるショップやミュージアムの余韻を室内でも感じていただけたらと思います」

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<写真>1室だけある「クリエイターの住むお部屋」には、皆川さんが選んだ書籍も。

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旅籠ヴィソン
三重県多気郡多気町ヴィソン672-1 サンセバスチャン通5番地

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コクーン/千葉・木更津

2022年に、木更津にあるサステナブルファーム&パーク「クルックフィールズ」内に誕生した宿泊施設「コクーン」。皆川さんは、“繭(cocoon)”をテーマに、パーソナルな滞在空間と、共同キッチンやサウナといったコミュニケーションスペースが共存する宿を構想。ひとりで静かに過ごす時間と、人と交わる体験の両方を行き来しながら、多様な滞在のあり方を提案している。

<写真>丘に建つ「コクーン」。各部屋にテラスが設けらている。

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Minagawa's comment

「『コクーン』の宿はミニマルですが、部屋からの眺めやインテリアがくつろぎに繋がればと思いました。共同キッチンでは『クルックフィールズ』内のマーケットやシャルキュトリーでも新鮮な野菜や自家製ソーセージなども購入できますし、施設内の畑から野菜を摘んだり飼われている鶏の卵を使い料理ができます。そこでは宿泊者同士のコミュニケーションが生まれたり薪火調理のできるスペースもあるので非日常的な料理にもチャレンジできるようになっています」

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<写真>客室は、3名まで宿泊できるツインルームと5名まで宿泊できる1棟限定のワイドルーム(写真)の2種。ベッドに使用するテキスタイルはもちろん、家具やオブジェなども皆川さんセレクトのアイテムで設えている。

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<写真>オリジナル家具は皆川さんディレクションで、設計ユニットのイッケンが手掛けたもの。

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<写真>自分で収穫した野菜を調理したり、ほかの宿泊者と食事を楽しむことができるキッチンラウンジ。奥に見える皆川さんが壁画を描いた窯では、薪火料理も可能。


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<写真>黒い壁に囲まれたバスルーム。静寂のなか、天窓から差し込む月明りだけで入浴する時間は特別なひととき。


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<写真>フィンランド式サウナも併設。サウナ後はテラスで外気浴も可能だ。

コクーン
千葉県木更津市矢那2503

©Shinya Kigure

白井屋ホテル/群馬・前橋

2020年に前橋のランドマークとして生まれ変わった「白井屋ホテル」。そのレジデンス棟に2025年に誕生したのが、「ミナ ペルホネン」とのコラボレーションルーム「ミナ ペルホネン レジデンス」だ。皆川さんは、無機質なコンクリートの空間に温かみを添えることを意識し、ワンルームという限られた空間の中で、家具や設えによって空間の機能や居場所が自然と感じられるよう、インテリアを構成。さらに、皆川さん自身のアートワークを組み合わせることで、空間にやわらかな表情をもたらしている。

©Shinya Kigure

室内には、「ミナ ペルホネン」オリジナルテキスタイルを張ったヴィンテージチェアをはじめ、ベッドスローやカーテンなど、細部にまでブランドの世界観が落とし込まれている。皆川さん監修の客室は、趣の異なる2タイプを用意。フィンランド語で「光」を意味する“valo”は、明るさと軽やかさを感じさせる設えが特徴だ。一方、「森」を意味する“metsä”は、落ち着いたトーンで、静かな時間を心地よく受け止めてくれる。

©Shinya Kigure

<写真>“タンバリン”のテキスタイルを施したカーテンとヴィンテージチェア。木を描いたランプシェードも空間を彩る。

©Shinya Kigure

白井屋ホテル
群馬県前橋市本町2-2-15

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