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「お願いだから再放送して」放送から32年 “切望の声”が絶えない伝説ドラマ…「今の地上波では厳しい」と語られる過激作

  • 2026.3.6

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回はそんな中からDVD化・配信がされていない名作を5本セレクトしました。
本記事ではその第2弾として、ドラマ『この愛に生きて』(フジテレビ系)をご紹介します。裏切りから不倫、子どもの誘拐など様々な展開が繰り広げられることになるのです……。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます 

あらすじ

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アンティーク・レース展 トークセッション 安田成美(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマこの愛に生きて』(フジテレビ系
  •  放送期間:1994年4月14日~6月30日
  •  出演:安田成美(植草曙美  役)ほか

植草曙美(安田成美)は、不倫の末に聖一(豊川悦司)と結婚した主婦です。 しかし、夫婦関係は冷えきっており、聖一が元妻と会っていることを知った曙美は傷つきます。 友人と訪れたバーで、刑事である漂悠作(岸谷五朗)と出会い、勘違いにより強引にホテルへ連れ込まれるところから不倫が始まります。 当初は不倫として始まった関係が、やがて純愛へと変化していく一方で、子どもの誘拐や殺人事件へと展開し、サスペンス要素の濃いドラマとなっていきます。

どこにでもいる平凡な主婦が冷え切った夫婦関係の中で「女」を自覚し、不倫へと堕ちていくー。偽りの幸せは、やがて周囲を巻き込み、予想できない事態が次々と展開されていきます。

本作は一人の主婦の視点から「幸福」とは「愛」とは何かを切実に問いかけてくる作品です。放送当時、複雑な人間ドラマからサスペンス要素まで幅広い展開が視聴者を釘付けにしました。

予想もできない衝撃展開…

ドラマ『この愛に生きて』は、過去に同枠で高視聴率を記録したドラマ『親愛なる者へ』、『素晴らしきかな人生』に続く作品です。「悲しい夫婦関係を前提にした妻の幸福の追求」をテーマに掲げていますが、本作では不倫から始まった関係が「純愛」へと変化していく一方で、誘拐や殺人事件へと発展していきます。純愛ドラマでありながらサスペンス要素が際立ち、次々と起こる事件や予想だにしない展開は視聴者を釘付けにしました。

本作を語るうえで欠かせないのが、安田成美さんの名演です。それまで清楚で透明感のある役どころを演じきてた彼女のイメージを覆す役どころに挑戦しました。漂悠作役を演じた岸谷五朗さんは、本作が連続ドラマ初出演となりました。若手俳優ながらも力強い演技を見せ、今に続くキャリアの礎を築いた作品と言えるでしょう。

また、豊川悦司さん、美保純さん、深津絵里さん、嶋田久作さんなど、若手から中堅といった個性派豪華俳優が多数出演し、緊張感のある演技合戦を繰り広げました。

特に深津絵里さんはキャバクラ嬢という難しい役柄にも関わらず、繊細な表情と立ち振る舞いで見事に体現しています。

今でも話題にあがる異作…もう一度観たいと感じさせる作品力

不倫ドラマから純愛を描くラブロマンス、そしてサスペンスと予想できない展開で魅せた本作。橘いずみさんの歌う主題歌『永遠のパズル』が、ドラマの世界観を深めました。脚本を担当したのは、故・野沢尚さんです。高視聴率を記録したドラマ『親愛なる者へ』や『素晴らしきかな人生』、そして本作を含む『夫婦三部作』と呼ばれた人気シリーズを手掛けました。

本作はその『夫婦三部作』の完結編と位置づけられています。今でもSNSには、「お願いだから再放送して」「どうかもう一度…」と再視聴を望む声や「今の地上波では厳しい」などの声が寄せられています。

その過激な内容から現代では再放送が難しいと言われることもありますが、視聴者に強い印象を残した名作として語り継がれています。また、不倫や主婦売春、子どもを巻き込んだ事件など、放送当時としても衝撃的で濃密な内容を含んでいました。現代のコンプライアンス基準では、これらの描写が再放送やDVD化の障壁となっている可能性がありますが、もし、配信などが始まったら、再び大きな話題となるはず。ドラマ『この愛に生きて』は、平成の異作と呼べる平成の名作です。機会がある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。


※執筆時点の情報です