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「全額停止となることも」お金のプロが警告。“年金”が受け取れなくなる…受給する前に確認すべき「たった1つのポイント」

  • 2026.2.24
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出典元:phootAC(※画像はイメージです)

「働き続けると年金が減る」と聞いて、戸惑うことはありませんか。再雇用やパートを考えるなかで、どこまで働いてよいのか迷う方もいるでしょう。

その背景にある制度が「在職老齢年金」です。名前だけを聞くと難しく感じますが、内容を知ると見え方は変わります。数字とともに整理しながら「減る」という印象の正体を考えてみます。

年金は本当に減る?在職老齢年金の基本

在職老齢年金とは、賃金(賞与を含む月額換算)と老齢厚生年金の合計額に応じて、老齢厚生年金の一部が調整される制度です。

合計額が基準額を超えると、その超えた額の半分が老齢厚生年金から支給停止となります。基準額を少し超えただけで直ちに全額停止となるわけではありません。

なお、老齢基礎年金は在職老齢年金の対象外であるため、賃金に関係なく満額受給できます。

この制度を耳にしたとき、「働くと年金が減るのでは?」と不安に感じる方もいるでしょう。

ただし、働きながら年金を受給している方の全員が対象になるわけではありません。賃金と老齢厚生年金の合計が基準額に届かなければ、老齢厚生年金は満額受け取れます。

どこまで働くと止まる?年金の受給額が調整される“基準額”

老齢厚生年金が調整される基準額は、現在(2026年3月まで)は月51万円、2026年4月以降は月65万円です。

では、基準額が65万円の場合で、賃金と老齢厚生年金の合計額によってどの程度年金が調整されるのかを見てみましょう。例えば合計額が60万円であれば、基準額に届かないため老齢厚生年金は調整されず、満額受け取れます。

一方、合計額が70万円の場合は、基準額を5万円(70万円-65万円)上回ります。この5万円の半分である25,000円が支給停止となります。つまり、合計額が基準額を超えたからといって、すぐに老齢厚生年金の支給が全額停止するわけではありません。

なお、収入がさらに高い場合には、計算の結果として全額停止となることもあります。例えば、老齢厚生年金が月10万円の人の場合で考えてみましょう。

  • 合計額:85万円
  • 基準額:65万円
  • 超えた額:20万円(85万円-65万円)
  • 支給調整額:10万円(20万円の半分)

実際に数字で確認すると、「どれくらい働くとどの程度影響が出るのか」が具体的に見えてきます。

制度を知ったうえで、働き方を選ぶ

在職老齢年金は「働くと年金が減る」制度と勘違いされがちです。

雇用形態にかかわらず、賃金と老齢厚生年金の合計額が一定の基準を超えた場合に、老齢厚生年金の一部が段階的に調整される制度です。そのため、すべての人の年金が減るわけではありません。

また、2026年4月以降は基準額が月51万円から65万円に引き上げられました。「これ以上働くと調整されるかもしれない」と考えて勤務時間を抑えていた方も、基準額の引き上げにより、これまでより収入を意識しすぎずに働けるようになります。

「減るらしい」という印象だけで不安になるのではなく、基準や計算の仕組みを知ることが大切です。まずは正しい情報を押さえ、自分にどの程度影響があるのかを考えましょう。


参考:在職老齢年金制度の見直しについて(厚生労働省)

ライター:中村大地
建設業界での法人営業を経て独立。2級FP技能士としての知識をもとに、資産運用や資金調達など金融分野を中心に400記事以上を執筆。制度や数字の正確性を押さえつつ、専門用語に頼らないわかりやすい表現を心がけている。