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過去の会話を繰り返し思い出してしまう5つの理由

  • 2026.1.9
過去の会話を繰り返し思い出してしまう理由とは? / Credit:Canva

「なんであんなこと言ってしまったんだろう」と、以前の会話の内容を繰り返し頭の中で再生してしまうことはあるでしょうか。

相手の表情や沈黙、自分の言葉遣いが気になり、終わったはずのやり取りを何度も振り返ってしまうのです。

こうした経験は、多くの人にとって決して珍しいものではありません。

この身近な現象について、米国の心理学者であるマーク・トラヴァース博士は、心理学や神経科学の研究をもとに、過去の会話を反芻してしまう理由を5つに整理しています。

目次

  • 「過去の会話」を何度も思い返してしまうのはなぜ?
  • 完璧主義や育った環境が原因かも。ループから抜けだす方法は?

「過去の会話」を何度も思い返してしまうのはなぜ?

会話を終えたあと、「あの言い方はまずかったのではないか」「相手はどう思っただろう」と考え続けてしまうことは、よくあることかもしれません。

これは単なる癖ではなく、脳が社会的な出来事を処理しようとする際に起こりやすい反応です。

特に、少しでも気まずさや曖昧さが残る会話では、その傾向が強まります。

では、なぜ脳は終わった会話を手放さず、何度も再生してしまうのでしょうか。

まず1つ目の理由として挙げられるのが、人間の脳がネガティブな出来事を強く重視する性質です。

心理学では、楽しかった出来事よりも、不快感や違和感を覚えた体験のほうが強く記憶されやすいことが知られており、これをネガティビティ・バイアスと呼びます。

会話の中で感じた恥ずかしさや些細な気まずさは、本来なら笑い飛ばして忘れるべきですが、ネガティビティ・バイアスによってそのことに執着してしまうのです。

2つ目の理由は、社交不安障害(SAD)が会話の最中ではなく、会話のあとに現れることが多い点です。

社交不安障害というと、人前で極度に緊張したり、話せなくなったりする状態を思い浮かべがちです。

しかし実際には、会話後に自分の発言を細かく検証し続けるという、静かな形で表れる場合も少なくありません。

2024年のメタ分析では、社交不安障害の傾向が強い人ほど、会話後にやり取りを反芻する強さが高いことが示されています。

特に、「否定的に評価されたのではないか」という恐れが、反芻を強める要因になると考えられています。

この点で重要なのは、自分では社交的だと感じている人であっても、他者の評価に敏感であれば、同じような反芻が起こり得るということです。

次項で続く3つの理由も見てみましょう。

完璧主義や育った環境が原因かも。ループから抜けだす方法は?

3つ目の理由として挙げられるのが、コミュニケーションに対する完璧主義です。

幼少期から「きちんと話さなければならない」「相手をがっかりさせてはいけない」といった期待を強く受けてきた人は、会話を無意識のうちに評価の場として捉えやすくなります。

2013年の研究では、完璧主義の程度が強い人ほど、会話後に「もっと良い言い方があったのではないか」と考え続ける傾向が強いことが示されています。

この場合、反芻の原因は会話そのものではなく、自分自身に課している高い基準にあります。

4つ目の理由は、反芻が感情を整理する行為だと誤解されやすい点です。

会話を繰り返し振り返ることで、「次は失敗しない準備をしている」「ちゃんと反省している」という感覚が一時的に得られます。

しかし、反復的なネガティブ思考に関する研究では、反芻は気分を改善するどころか、不安や落ち込みを強めやすいことが一貫して報告されています。

脳は問題解決をしているつもりでも、実際には感情を悪循環に導いてしまうことが多いのです。

5つ目の理由は、誤解されることへの恐れが過去の経験と結びついている場合です。

養育環境が不安定だったり、言葉の行き違いが強い批判や衝突につながりやすい環境で育った人は、会話を後から何度も確認する傾向が強くなることが研究から示されています。

この場合の反芻は、単なる考えすぎではなく、身を守るために学習された行動と捉えることができます。

この記事では、過去の会話を繰り返し思い出してしまう5つの理由を考えました。

では、どうすれば、こうした傾向を無くせるでしょうか。

脳を分析モードから脱却させ、より落ち着いた状態に移行させましょう。

たとえば、反芻のパターンに気づいて、「これは事後処理にすぎない」とラベル付けするだけで、分析モードの強度は軽減されます。

また、「これは自分の気分を良くするのに役立っているのか?」などと自問することも大切です。

さらに、分析ではなく、感覚に注意を向けることも役立ちます。

足が地面に接している感覚や、顔に太陽の光が当たる感覚に集中すると、思考のループを遮断できるのです。

なぜ自分は反芻してしまうのかを理解し、その思考のループから一歩距離を取ろうとするなら、過去の会話を思い出して苦しくなる傾向を少しずつ抑えられるかもしれません。

参考文献

Five Reasons Why You Keep Replaying Your Past Conversations
https://www.psychologytoday.com/us/blog/social-instincts/202601/five-reasons-why-you-keep-replaying-your-past-conversations

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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