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栄養士が答える!「缶詰の野菜の栄養価って、実際はどうなの?」

  • 2026.1.9
Good Housekeeping / Getty Images

缶詰の野菜は、平日の夜の心強い助っ人。スープやシチュー、チャーハン、オムレツに放り込めば、必要な栄養素たっぷりの食事がサッとできあがります。それなのに、どうして缶詰はいまだにこうも評判が悪いのでしょう?

健康食品ブランド、「GetNaked Nutrition」の創設者で登録栄養士のローラ・ブラクさんによると、それはウェルネス業界におけるネガティブな烙印のせい。「缶詰は生ではないとか、新鮮ではないというだけで、超加工食品と一緒くたに扱われています。実際は、加熱され、密閉されているだけなのに」とブラクさん。ところが、皮肉なことに、実際は缶詰加工をすることにより、体にいい栄養素を生鮮野菜よりも保存することができるのだとか。

さらに興味深いのは、缶詰の野菜をより多く消費している人は、全体的により健康的な食生活を送っている傾向がある、という調査結果が出ていること。そこで、事実と作り話を明確に区別し、なぜ缶詰の野菜を積極的に食べた方がいいのかを説明するために、2人の栄養士の方々にお話を伺いました。

栄養学の観点から見て、缶詰の野菜と生鮮野菜はどう違う?

まずは、野菜の缶詰がどうやって作られるかから、はっきりさせましょう。アメリカの農務省によると、野菜は缶詰加工をする前に洗い、短時間熱湯にくぐらせるか、蒸気で蒸します。それから、液体とともに缶に詰め、高温で加熱殺菌し、常温保存可能な製品を作ります。缶詰に関する偏見に反し、缶詰加工によって、栄養価を損なうことなく、野菜を保存することができるのです。

「缶詰の野菜は最も新鮮な時に缶詰加工されるため、生鮮野菜よりもビタミンやミネラルが閉じ込められています」とブラクさん。「実は、缶詰加工は、野菜に含まれる繊維やベータカロチン(ニンジンなどのオレンジ色の野菜に含まれる色素で、体内でビタミンAに変わる)、マグネシウム、鉄分、カルシウム、カリウムなどのミネラル、脂溶性のビタミンA、D、E、Kなどの栄養価を、より損なわずに保存することができるのです」

しかも、加工の過程で野菜を加熱することにより、いくつかの抗酸化物質も大幅に増えるのだとか。「トマトを缶詰にする過程で、トマトに含まれる抗酸化物質であるリコピンの吸収率が上がります。リコピンは心臓病やがんのリスクを低減させると考えられています」と語るのは、野菜を中心とした健康的な食生活を提案する登録栄養士のシェリ・ガウさん。

缶詰の野菜は加熱されているため、水溶性で熱に弱いビタミンCやBの一部は失われるかもしれません。しかし、生鮮野菜は通常、遠隔地から運ばれるため、輸送中に栄養素は失われます。言うまでもなく、スーパーの棚に並んでいる間も、おうちの冷蔵庫にしまってある間も同じこと。さらに、野菜を生で食べずに加熱するなら、いずれにせよ、熱に弱い栄養素は失われることになるのです。

ということで、以下の事実を覚えておきましょう。「生鮮野菜は輸送中の暑さ、日差し、空気、気温差によって栄養素を失う。けれど、缶詰の野菜は収穫直後と同じくらい栄養価が高いので安心」

缶詰の野菜の塩分は大丈夫?

栄養士の皆さんが必ずお勧めするのは、無塩、または減塩のものを選ぶこと。「無塩のグリーンピースの缶詰1缶には、わずか20ミリグラムしかナトリウムが含まれていませんが、塩分を加えたものには400ミリグラムものナトリウムが含まれています」とガウさん。でも、たとえ塩分の少ない缶詰を見つけられなかったとしても、冷たい流水で野菜をよく洗うことで塩分を40%減らせます、とガウさん。

また、缶に化学物質であるBPA(ビスフェノールA)が使用されていないもの、ガラス瓶や真空パックに入った野菜もおすすめです。さらなる研究が必要ではあるものの、BPAの大量摂取は、心臓病、糖尿病や不妊症との関連が指摘されています、とガウさん。

もっと缶詰の野菜を食事に取り入れるには?

缶詰の野菜は、食材として取り入れたときに最もおいしく食べられるもの。以下は栄養士の方々がお勧めする、毎日の食事への取り入れ方です。

・缶詰のカボチャをオートミール、パンケーキミックス、焼き菓子やパンに混ぜる。これは手軽に栄養価を高めるブラクさんのお気に入りの方法のひとつ。カボチャにはベータカロチン、繊維、抗酸化物質が豊富で、目や皮膚、腸の健康と免疫力の向上に最適です。

・缶詰の豆類、トウモロコシ、トマトを様々なスープ、シチュー、チリに入れる。これらの野菜は繊維、栄養、風味のすべてが豊富。大鍋で作れば、数日間食べられる。ブラクさんによると、栄養価を高め、食生活にもっと野菜を取り入れるための、最もおいしく、便利で、お財布にも優しい方法のひとつです。

・缶詰の黒インゲン豆、白インゲン豆、ピント豆、ヒヨコ豆を水で洗ったものをスープ、サラダ、シチュー、パスタ、グレインボウル(穀物に野菜やタンパク質を加えたサラダ)に加える。これは、ガウさんお気に入りのタンパク質と繊維のとり方で、「缶詰の豆類は最も便利で手頃な植物性タンパク質源です」とのこと。

・缶詰や瓶詰めのアーティチョークをパスタや米料理、ディップ、サラダに使う。ガウさんおすすめのアーティチョークの取り入れ方で、こうすれば下処理の時間と手間を省けるそう。

・缶詰のトウモロコシ(無塩か、よく水で洗ったもの)をサイドディッシュとして、またはスープやシチュー、サラダに加え、活力源となる炭水化物と繊維を加えるのも、ガウさんおすすめの方法です。

結論

缶詰の野菜を常備しておくことは、食事の栄養価を高めるための最も簡単な方法のひとつ。最も新鮮なうちに詰められるので栄養が豊富です。また、缶詰の野菜は汎用性が高く、様々なレシピに手軽に使えるため、テイクアウトの回数を減らすのに役立ちます。また、通常、缶詰の野菜は生鮮野菜よりも手に入りやすく、手頃で、冷蔵庫で腐らせることなく保存できます。

From: Good Housekeeping US

Translation: Mayuko Akimoto

※この記事は、2025年1月9日時点の内容です。

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