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文化人が選ぶ! 「私の忘れられない映画」9選

  • 2026.1.2
Hearst Owned

photo © 2008 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMT, 松竹, aflo

Aflo

『ブレックファスト・クラブ』('85)

これぞ青春映画。大人になっても見返す作品
ー山崎まどか(コラムニスト)

本国公開から40年を迎えた今なお、米国の青春映画の代表作として知られる、ジョン・ヒューズ監督の傑作。1980年代のイリノイ州の高校を舞台に、懲罰の補習を命じられた男女5人が、“人生とはなにか”というテーマの作文を書きながら、土曜日の図書室で友情を紡いでいく姿を描く。「青春映画の金字塔的な作品だが、大人になっても何度も見ている。主人公たちにまだ感情移入できるか確かめるために」

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『ヤンヤン 夏の想い出』(’00)

「映画は人生を3倍にする」胸に刺さる言葉も宝物
ー久保玲子(ライター)

2000年に公開されたエドワード・ヤン監督の遺作。「エドワード・ヤンがミレニアムの台北と東京の街を舞台に、結婚式で始まり、お葬式で幕を閉じる家族のドラマに、人生の喜びや惑い、孤独と不条理、そして思春期の揺らぎを静謐に浮かび上げる。家族中で誰より真実に近づくのは、譲り受けたカメラで人の後ろ姿や後頭部を撮り、人の見えないものを見ようとする8歳の少年ヤンヤン。そんな少年のラストの台詞が刺さる」

© 2008 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDHDMT

『崖の上のポニョ』('08)

カラフル、プレイフルな世界に大切なメッセージを感じて
ークラーク志織(イラストレーター)

タイムレスな名作。「カラフルでにぎやかで怖くて悲しくて神秘的で。訳のわからないまま物語が進んで終わっていく。各シーンがもつ意味を理解できた気がしても、数年後には違う意味に思えたり。そんなところがまるで人生みたいで愛おしい。真面目なメッセージがたくさんあり、大好きです」

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『フランシス・ハ』(’12)

自分だけは自分を見放さない。 そんな芯の強さに触れた作品
ーaggiiiiiii(ジン『KAZAK』編集・発行人)

ニューヨークで夢を追う若きダンサーが、自分の生き方を模索していく姿を描いた青春コメディ。「とにかく不器用で、大人になりきれず、周囲からは変人扱い。グレタ・ガーウィグ演じるフランシスの、等身大のかっこ悪さが他人ごととは思えません。でも、どんなに傷ついても前を向いていられるのは、自分だけは自分を見放さないという芯の強さがあるから。それこそが天性の才能なのかも。最後のオチも最高です」

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『なまいきシャルロット』1985

思春期の行き場のない思いを受け止めてくれた名作
ー辛酸なめ子(コラムニスト)

少女シャルロットが憧れの人と出会い、初恋や嫉妬、挫折を通して成長していく物語。「思春期の少女の行き場のないエネルギーや誰かに憧れる気持ち、自分探しの過程を描いた名作。誰もが通り過ぎるアンバランスで憂鬱な時期をクロード・ミレール監督が描いています。中学時代に観てシャルロット・ゲンズブールに憧れまくって、デニムにボーダーシャツのファッションもまねしたかったのですがスタイルが違いすぎました……」

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『グラン・ブルー』('88)

30年以上、心に残り続ける。映画は自分の宝物
ー中野光章(Goyo Galleryプロデューサー)

海に魅せられたふたりの少年が、時を経て再会。友情や競争心が交錯し、劇的なラストへ。「1992年に六本木のシネ・ヴィヴァンで日本初上映を観て以来、ずっと私の心に残る映画で宝物。ライバルとの友情、坊主頭のカッコよさ、タキシードにスニーカー、海と空の青、イタリアのマンマ、ロザンナ・アークエットの魅力爆発や悲劇からラストまでの描き方、その自分なりの捉え方まで、映画の深い楽しさを教えてくれた一作」



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『ラヴソング』('96)

失敗、愚かさ、迷い。人生に必要なものの気づきに
ー細谷美香(ライター)

10年にわたる男女の恋愛模様を、香港ラブストーリーの巨匠、ピーター・チャン監督が描く。「成功を求めて中国から返還前の香港へとやって来た男女のすれ違いもの。何度観ても胸がギュッとしめつけられるのは、テレサ・テンの甘い歌声に彩られた王道のメロドラマであり、ひたむきに生きようとする人たちを見捨てない物語だから。失敗も愚かさも迷いも、すべてが自分の人生を形づくるピースなのだと思わせてくれる映画です」

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『バッファロー'66』('98)

主人公の幸せを願わずにはいられない!
ー中山路子(「ミュベール」デザイナー)

刑務所から出たばかりの主人公ビリーは、両親に対して自分を一人前に見せるために、見知らぬ女性を誘拐。彼女に恋人役を演じさせるなか、ふたりの心の距離が縮まる。ヴィンセント・ギャロが監督・脚本・主演・音楽を担当。「何度も繰り返し見たくなる映画。 不器用だからこそやっとみつけられた生きる喜び。 親近感をいつの間にか覚え、主人公の幸せを、身内の幸せを願うように自分も願わずにいられない作品です」

DigiPub / Getty Images

『にっぽんぱらだいす』(’64)

愛しさと恥ずかしさとかつての自分を重ね合わせて
ー鈴木涼美(作家)

遊郭の実態をコメディタッチで描いた1964年公開の前田陽一監督デビュー作。「売春防止法成立前夜の遊郭を描いた本作に登場する千恵子(加賀まりこ)は、卒論を書くために夜の世界を間近で見たいと廓に飛び込んでくる女子大生。彼女の意識の高いっぷりや空回る正義感、そして傍若無人さは、かつて『「AV女優」の社会学』を書こうとポルノ業界に迷い込んだ私そのものみたいで愛しいやら恥ずかしいやら」

写真:遊郭イメージ図

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