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注目俳優から名シーンまで。映画好きのための「愛しい一本」に出合う4つのキーワード

  • 2026.1.1
aflo, gettyimages

Keyword 1: It Man

イケオジ、ペドロ・パスカルに夢中!

今世界のイケオジ最前線にいるのは、現在50歳のチリ系アメリカ人俳優ペドロ・パスカルだ。2023年のドラマ『THE LAST OF US』で世界的にブレイクし、SNSには熱狂的ファンによる彼のミームや投稿があふれ、ときにジェンダーの境界を曖昧にするファッションも常に注目の的。トランスジェンダーの妹(俳優ラックス・パスカル)をもち、女性をジェンダーではなく生物学的性別に基づいて定義するというイギリスの最高裁判所の決定を喜んだJ・K・ ローリングに激しく抗議したり、トランプ政権を暗に批判するTシャツを公の場で着たり、その進歩的な姿勢に若い世代も共感。彼は、より優しく、よりモダンな“脱構築された男性”のアイコンなのだ。

<strong>『エディントンへようこそ』</strong>アリ・アスター監督作でホアキン・フェニックス、エマ・ストーンと共演。全国公開中。 Hearst Owned

Keyword 2: Actress

出演作が名作になるアクトレス

この人が出演している作品は間違いがないという俳優がいる。フローレンス・ピュー、レナーテ・レインスヴェ、ヴァネッサ・カービーはそんなタイプの3人で、作家性の高い監督から愛される存在。オスカーのノミネーション歴は、フローレンスは『ストーリー・オブ・マイライフ / わたしの若草物語』で助演女優賞、ヴァネッサは『私というパズル』で主演女優賞、そしてレナーテは新作『センチメンタル・バリュー』で2026年の主演女優賞ノミネート確実で、個性ある演技派が出演する作品にこそ“愛しい映画”が眠っている。

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フローレンス・ピュー(Florence Pugh)
肝の据わった存在感で作品に奥深さをプラス

現在29歳のフローレンスを一躍有名にしたのは、アリ・アスター監督の『ミッドサマー』。狂気のサイコロジカルホラーで見せた肝の据わった演技で新時代のヒロイン像を体現。体形批判にも毅然と対応する彼女が出演する作品には意志ある存在感が功を奏している。

<strong>『ミッドサマー』(’19)</strong> スウェーデンの奥地で開かれる祝祭に参加した大学生を待っていた悪夢。 Aflo

今後の注目作は…

『Dune:Part Three(原題)』/2026年全米公開予定のSF超大作3作目。皇帝の娘役で出演。
『East of Eden(原題)』
/名作『エデンの東』のNetflixシリーズに出演。配信が待たれる。
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』
/ニュー・アベンジャーズとして出演。2026年12月18日、公開予定。

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ヴァネッサ・カービー(Vanessa Kirby)
強さと弱さが同居するカメレオン俳優

イギリス出身のヴァネッサは、作品によってガラッと印象の変わるカメレオン俳優だ。『ミッション:インポッシブル』や『ファンタスティック4』シリーズにも出演しているが、おすすめは女性のさまざまな表情を見せる人間ドラマの彼女。気高くも弱く、揺れ動く心情を演じたらピカイチ!

<strong>『ナポレオン』(’23) </strong>ナポレオン・ボナパルトと最愛の妻ジョゼフィーヌの奇妙な愛憎劇 Aflo

今後の注目作は…

『Ruins』/セバスチャン・スタンと共演する男と女の物語。公開未定。
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』
/ファンタスティック4として出演。2026年12月18日、公開予定。

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レナーテ・レインスヴェ(Renate Reinsve)
繊細な心情をリアルに表現するノルウェーの新鋭

レナーテの名を世界に広めたのは、2021年カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した『わたしは最悪。』。人生に迷うアラサー女性を熱演した彼女は、揺れ動く心の機微をリアルに巧みに映し出す。新作『センチメンタル・バリュー』でのオスカーノミネートも期待されている。

<strong>『顔を捨てた男』(’23)</strong> 顔に極端な変形を持つ男の新たな人生。彼の隣人役を軽やかに演じた。 Aflo

今後の注目作は…

© 2025 MER FILM / EYE EYE PICTURES / LUMEN / MK PRODUCTIONS / ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS / ZENTROPA SWEDEN AB / KOMPLIZEN FILM / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ARTE FRANCE CINÉMA / FILM I VÄST / OSLO FILM FUND / MEDIEFONDET ZEFYR / ZDF / ARTE

『センチメンタル・バリュー』/愛憎入り交じる親子の姿を描く。2026年2月20日より、全国公開。

Keyword 3: Kiss scene

忘れられない、甘く切ないキスシーン!

キスシーンは映画のクライマックスのひとつ! ロマンチックな記憶を刻んだ名シーンを、文化人、ジャーナリスト、クリエイター、エディターがセレクト。切なくもうっとりする時間が心を熱くしてくれる。

Aflo

『君の名前で僕を呼んで』('17)
美しく切ない思い。ひと夏の恋愛模様

1980年代の北イタリアの避暑地、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の恋愛模様を情景豊かに描く。ティモシー・シャラメの出世作。「美青年同士のキスが次第に激しくなる様子にお互いを求め合う気持ちが伝わりました」(コラムニスト・辛酸なめ子)

Aflo

『ライ・レーン』('23)
サウスロンドンの街角が2人の恋路を盛り上げる

恋人との別れを引きずる20代のふたりが恋を信じ直すまで。「私が思うロンドンの素敵な所がぎゅっと詰まっている作品で、ラストのキスシーンも最高にロンドンしていた」(イラストレーター・クラーク志織)

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『汚名』('46)
ヒッチコックの名作は大人の危険な薫り

名匠ヒッチコックがイングリッド・バーグマンとケーリー・グラントを主役に迎えた、スパイとFBI捜査官のサスペンス。「話を何度も中断しながらの長いキスシーン。大人の匂いがする」(コラムニスト・山崎まどか)

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『恋しくて』('87)
恋する彼には好きな人がいる。甘酸っぱさ100%の名シーン

学校のマドンナに恋する高校生のキース。そして彼を思うボーイッシュなワッツ。切ない恋物語が展開。「幼なじみに密かに思いを寄せるヒロインが自分から申し出てキスの練習相手に。けなげで切なくて甘酸っぱい名場面!」(ライター・細谷美香)

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『ラ・ラ・ランド』('16)
世界を魅了したラブストーリー。かなわないキスが愛おしい

俳優の卵のミアと売れないジャズピアニスト、セブのすれ違うロマンチックミュージカル。「選ばなかった人生をめぐらせるシーンで、幸せそうな2人のキスが切なく、愛おしい」(ELLEエディター・KANAKO)

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『ムーンライズ・キングダム』('12)
ウェス・アンダーソンが描く、カラフルでキュートな初恋

1960年代のアメリカ・ニューペンザンス島、12歳の少年と少女が駆け落ちする騒動を描く。「初めての恋は、なにもかもが初体験。おずおずと、ぎこちなく距離を縮めてゆくふたりがかわいくて」(ジン『KAZAK』編集・発行人・aggiiiiiii)

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『スパイダーマン』2002
抑えきれない衝動! 伝説的な“逆さ宙づりキス”

トビー・マグワイアが演じたスパイダーマン。「こんなロマンチックで切ないキスはあるのか。正体を明かせない葛藤と抑えきれない衝動が結実した名シーン」(Goyo Galleryプロデューサー・中野光章)

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『崖の上のポニョ』('08)
魔法のキスがすべてを変える冒険ファンタジー

5歳の宗介がさかなの子・ポニョと出会って……。「ラストのキスシーンは、ふたりの本質の絆が結ばれ、すべてに愛が宿り、芽吹きだす瞬間のよう。広い意味での愛のぬくもりが心の奥まで広がり、胸に手を当ててしまいます」(ミュベール デザイナー・中山路子)

Aflo

『ブルーバレンタイン』('10)
求めずにいられない2人。愛の始まりと終わり

病院で働くシンディと仕事がうまくいかないディーン夫婦は破局寸前。希望あふれる過去と現在を交錯させ描く。「もうダメとわかっているのに求め合ってしまう2人がリアル」(ELLEエディター・KANAKO)

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『燃ゆる女の肖像』('19)
秘めた思いが静かに熱を帯びていく

望まぬ結婚を控える貴族の娘と彼女の肖像を描く女性画家の静かに燃え上がる恋。「抑えきれない感情がせきを切って流れ出すラブシーンは、生々しくも心震える瞬間」(ELLEエディター・MIKI)

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『ヤンヤン 夏の想い出』('00)
人生が変化していく、やさしくてほろ苦い夏

少年とその家族が経験するひと夏の出来事を描く。「夕暮れの薄明かりの下、ヒロインが恋人とは別の男性とキスする友達の姿を目撃。思春期の複雑な感情渦巻く瞬間が秀逸!」(ライター・久保玲子)

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『ロミオ&ジュリエット』('96)
若かりしスターが熱演した胸を締め付ける名悲劇

バズ・ラーマン監督が名古典劇をスタイリッシュによみがえらせた。「切なすぎる恋の悲劇をみずみずしく演じる若きレオナルド・ディカプリオとクレア・デインズにキュンとする」(ELLEエディター・YOKO)

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『シェイプ・オブ・ウォーター』('17)
孤独な魂の触れ合いが心を揺らすファンタジー

冷戦下のアメリカ、政府の研究所で働くイライザは不思議な生物を目撃。「発話障がいの女性と人ではない生物。双方の孤独な魂が水中で触れ合う場面は、命と自由が吹き込まれるように見えた」(作家・鈴木涼美)

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『きみに読む物語』('04)
運命的な永遠の愛。思いの強さに涙する

療養施設で暮らす年老いた認知症の女性に定期的にある物語を読み聞かせるデュークと名乗る年配の男性。それは、1940年、若い男女が運命の恋に落ちながら引き裂かれた物語だった。「何があっても思い続けることの尊さに、“愛”とは何かを考える。2人のキスシーンは思いそのもの」(ELLEエディター・AYUMI)

And more!キスシーンが似合う男、ライアン・ゴズリングに注目

映画の中のロマンチックなキスシーンを思い浮かべるとき、ライアン・ゴズリングの姿が……。『ラ・ラ・ランド』『ブルーバレンタイン』『きみに読む物語』『ラブ・アゲイン』『ドライヴ』と、この2ページだけで5作も! やさしげなまなざしとムードあるたたずまいのライアンはキスの名手⁉

『ラブ・アゲイン』(’11) BEN GLASS / Aflo

Keyword 4: Fashion

ファッションからたどる、愛しい映画

着こなしは、ときにセリフ以上に雄弁だ。衣装も見逃せないとっておきの6本を、山崎まどかさんが案内。

Hearst Owned

選・文 山崎まどか
コラムニスト。映画、本、音楽などカルチャー全般に精通し、「乙女カルチャー」の第一人者。著書に『女子とニューヨーク』『映画の感傷 山崎まどか映画エッセイ集』『ランジェリー・イン・シネマ~下着が語るヒロインのストーリー~』など。

<strong>『海賊のフィアンセ』 </strong>ネリーに気をつけろ!ネリー・カプランレトロスペクティヴ 12月26日(金)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほか全国順次公開 ©1969 Cythère films–Paris

『海賊のフィアンセ』('69)
ベルナデット・ラフォンが着たレッドコート

アルゼンチン出身のネリー・カプランは、フェミニズム的な観点から映画史に浮上してきた女性映画作家。ベルナデット・ラフォン主演の『海賊のフィアンセ』は今見ても過激でファンの多い一作。貧しさから村の人々にさげすまれていた女性が、母親の死をきっかけに彼らに復讐を始める。マッチの燃えさしをアイライナー代わりに使っていたヒロインのファッションが、男たちから巻き上げた金でどんどん色鮮やかに自由になっていくのにも注目。

ヒロインが終盤に着る真っ赤なミニ丈のコートは金色のハイヒールと共に彼女の意志の強さを表すアイテム。スタンドカラーでチャイナ服のようなフロッグボタンがついている。 ©1969 Cythère films–Paris
図書館司書のイダは素朴なワンピース、お嬢さまのルイーズは上品な服装、ストリートで生きるニノンの’90sらしいクロップトップのファッション。三者三様のスタイルが楽しめる。 Aflo

『パリでかくれんぼ』('95)
女優たちのパリジェンヌスタイル

ジャック・リヴェットの映画の女性たちのスタイルは、いつも無造作なのにしゃれている。三人の女性の運命がひとりの男性によって不思議な形で絡み合うこの映画も例外ではない。花柄模様の古着っぽいワンピースや、クラブに遊びに行くときのさりげないファッションがかわいい! 唐突にミュージカルが始まるのもリヴェットらしい。ライブハウスのシーンにはアンナ・カリーナやエンゾ・エンゾも登場。'90年代的な着こなしのヒントが詰まっている。

カジュアルでありながら退屈なノームコアとは一線を画する、クリステンの黒のアイテムの着こなしが最高。ラコステのポロシャツはボタンを開けないユニフォーム風のスタイル。 Aflo

『パーソナル・ショッパー』('17)
クリステン・スチュワートが着たブラックポロシャツ

この映画でクリステン・スチュワートが演じるのは、パリで忙しいセレブリティや富裕層のために買い物を代行する“パーソナル・ショッパー”。亡き兄とスピリチュアルな形の絆を感じている彼女はやがて不思議な事件に巻き込まれていく。日本でも展覧会が催されて話題になったヒルマ・アフ・クリントの引用も。顧客のためにぜいたくなドレスを試着するシーンもあるが、仕事に徹するヒロインのシンプルで動きやすそうな普段着が心に残る。

自宅のパーティで着るトーテムの白いスーツがエレガント。デザイナーは’90年代にジュリア・ロバーツ本人がレッドカーペットで着ていたスーツの着こなしを参考にしたという。 Aflo

『アフター・ザ・ハント』('25)
ジュリア・ロバーツのブレザースタイル

ジュリア・ロバーツ演じるアルマは名門イエール大学の教授。終身雇用権の王手がかかったところで、同僚の教授と自分の教え子の間に起こった性的な問題に巻き込まれていく。セリーヌでニットウエアの主任デザイナーも務める衣装デザイナーのジュリア・ピエルサンティがロバーツのために用意したのは男性的なパワーと結びついているブレザーを中心としたスタイル。セリーヌやザ・ロウのジャケットにホワイトデニムとローファーを合わせている。

アフリカ的な大胆でカラフルなプリント地とスポーツウエアの機能性とフォルム、そしてヒップホップ的な着こなし。ゴージャスなドレスも見て楽しめる隠れたファッション映画。 Aflo

『星の王子 ニューヨークへ行く 2』('21)
キャストたちのスポーツMIXスタイル

アフリカの架空の国の王子を主人公にしたコメディの33年ぶりの続編。『ブラックパンサー』でも知られる衣装デザイナーのルース・E・カーターは現在注目を浴びているナイジェリアのデザイナーなどをリサーチし、エディ・マーフィー演じる国王の子どもたちに、カラフルな民族衣装とストリート・カジュアルのスタイルをミックスしたデザインの衣装を着せた。特に長女役を演じるキキ・レインのスポーツウエアの取り入れ方が鋭い。

『チャールズ・スワン三世の頭ン中』('13)
オーブリー・プラザの'70sファッション

ウェス・アンダーソンやソフィア・コッポラの映画ファッションの陰に第二監督を務めるロマン・コッポラの功績あり。『マリー・アントワネット』にコンバースのスニーカーが出てくる有名なシーンの仕掛け人も彼である。自身の監督作では一筋縄ではいかない彼のセンスがさく裂。遊び人のグラフィック・デザイナーを主人公にしたこのコメディでは、'70年代に流行した'30年代風のレトロルックに身を包んだ女性陣たちがとにかくおしゃれだ。

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