1. トップ
  2. レシピ
  3. 樋口直哉さんの『失敗しない基本のお雑煮(関東風)』小さなコツでもう味がぶれない!

樋口直哉さんの『失敗しない基本のお雑煮(関東風)』小さなコツでもう味がぶれない!

  • 2025.12.31

お正月の定番・雑煮こそ、基本をきちんと押さえたい一品。いつもの料理をよりおいしくするのは、じつは小さなコツの積み重ねです。

工程や解説は少し多めですが、それぞれにきちんと理由あり。常識にとらわれず、理屈でおいしさを組み立てる樋口直哉さん流なら、失敗知らずの一杯に仕上がります!

オレンジページnet

材料(2人分)

〈1.5番だし〉(作りやすい分量)

昆布(羅臼昆布や真昆布など)……5ɡ

削り節……10ɡ

水……1リットル

〈具材〉

鶏もも肉(小)……1/2枚(約100ɡ)

小松菜……1/2わ

にんじん……1/2本

生しいたけ……2個

三つ葉……1/2束

切り餅……2個

ゆで三つ葉(にんじん用)……2本

しょうゆ

作り方

(1)だしをとる

オレンジページnet

鍋に昆布と水を入れ、弱めの 中火にかける。鍋の底から泡 が浮かんできたら、削り節を 加え、弱火で3 分ほど煮る。 火を止め、ボールで受けた万 能こし器にペーパータオルを 敷き、だしを注いでこす。

ここが樋口流!】

昆布と削り節のおいしいとこどりの1.5番だし

沸騰直前に昆布を取り出し、削り節を加えてひと煮立ちさせたものを「一番だし」、昆布と削り節を水から煮出した濃厚なものを「二番だし」といいます。前者は香りが強く、後者はうまみが強い。この2つの特徴を生かすのが「1.5番だし」。弱火で適度に煮出すので、香りを残しつつ、うまみも引き出せるというわけです。

(2)具材の下ごしらえをする

オレンジページnet

にんじんは皮をむいて せん切りにし、2等分 にしてそれぞれゆで三つ葉で縛り、両端を切って形を整える。三 つ葉は長さ3~4㎝に 切る。しいたけは軸を切り、半分に切る。小松菜は30 秒ほどゆで、水にとって(湯は捨てない)絞り、根元を切って 長さ4㎝に切る。鶏肉は余分な脂肪を除き、一口大のそぎ切りにする。同じ 湯に鶏肉をさっとくぐらせて表面に火を通す(中まで通さなくてよい)。

(3)餅をフライパンで焼く

オレンジページnet

餅は横に半分に切る。フライパンを中 火で1 分ほど温め、餅を並べる。餅に かからないように水大さじ1を入れ、 ふたをして弱火で2 分ほど蒸し焼きに する。ふたを取って餅を返し、焼き目がつくまで中火で2~3分焼く。

ここが樋口流!】

水分を補いながら焼けば、つきたてのおいしさが復活

フライパンで焼くと、網にくっついたり焦げるといった失敗が少なく、ふたがあるので蒸し焼きも可能。蒸し焼きにすることで、つきたてのようなおいしさになるのです。このとき、餅に水がかかると溶けてしまうので、なるべくフライパンのあいたところに入れるようにしましょう。

(4)具材を煮て、盛る

オレンジページnet

鍋に三つ葉以外の具材、だし汁3カップと酒、しょうゆ各大さじ1、塩ひとつまみを入れ、中火にかける。沸いてきたら弱火にし、3~4分煮る。 三つ葉を加えて火を止め、器に等分に盛る。

基本を知れば、雑煮は毎年ぶれない味に。お正月の定番として、ずっと手元に置いておきたい一杯です。

(『オレンジページ』2020年12/17号より)

教えてくれたのは……樋口直哉さん

料理家・作家。服部栄養専門学校卒業。科学的な考え方から、料理の「当たり前」を深掘りし、おいしさを最大限に引き出すレシピを紹介している。

元記事で読む
の記事をもっとみる