1. トップ
  2. おでかけ
  3. 全国津々浦々。ミシュランキー選出ホテルに泊まって日本を巡る旅

全国津々浦々。ミシュランキー選出ホテルに泊まって日本を巡る旅

  • 2025.12.29

絶景露天風呂を有する、新潟・魚沼の古民家オーベルジュ

新潟県南魚沼市の大自然に囲まれた「里山十帖」。雑誌『自遊人』を創刊した岩佐十良が、2014年に廃業した旅館を引き継ぎ開業したライフスタイル提案型の宿だ。築約150年の古民家を2年かけて全館リノベーション。総ケヤキに総漆塗りの古民家に、アルネ・ヤコブセンやハンス・J・ウェグナーなどの北欧家具が配されるなど、日本の伝統建築と北欧デザインを融合させた独特の空間を創り上げた。

コンセプトは「Redefine Luxury(ラグジュアリーの再定義)」。広大な敷地にわずか13室という贅沢な空間に、数多の温泉好きが「日本一」と称する絶景露天風呂を有する。すべての水に湧水を使用するなど自然との調和にも配慮。リネンやアメニティは環境に優しいものを選定し、また、古民家の再活用という点でもサステナブルな取り組みを実践している。

2018年より腕を振るう桑木野恵子シェフが紡ぐのは、南魚沼のテロワールが息づくローカル・ガストロノミー。化学調味料を一切排し、地元の旬の恵みや伝統野菜、さらに雪国ならではの発酵食や保存食の知恵を現代的に昇華した料理は、ミシュラン一つ星に輝くなど世界の食通たちの注目を集めている。

里山十帖

住所/新潟県南魚沼市大沢1209-6

https://www.satoyama-jujo.com/

大正の名建築と現代のモダンが融合した空間で過ごす静謐な時間

静岡県沼津市の景勝地、千本松原の一角に佇む「沼津倶楽部」は、数寄屋造りとモダンな建物が美しく調和した名宿だ。その歴史は1913(大正2)年にミツワ石鹸の二代目社長・三輪善兵衛が別荘を建てたことに始まる。約3000坪の敷地には築110年の国登録有形文化財である「茶亭」(旧「松岩亭」)と、建築家・渡辺明が設計した宿泊棟「別邸」が誕生した。長い歴史のなかで、戦後の混乱期に首相を務めた石橋湛山がここを拠点にしたことも。囲碁名人戦や将棋棋聖戦なども行われてきた。

近年、大幅リニューアルを慣行。2023年6月にわずか8室のスモールラグジュアリー施設として生まれ変わった。松林と富士の伏流水が湧き出る水盤を望む客室では、名建築で過ごす至福の時間を過ごすことができる。静寂を重視しており、テレビを置かない客室もあるのがポイント。BGMも極力抑えており、静けさを贅沢に味わえるのが醍醐味だ。富士山の伏流水を用いた水風呂や露天風呂、サウナを備えたスパも人気が高い。

登録有形文化財にも指定された、築110年の「茶亭」を利用したダイニングでは、静岡県出身で鎌倉の「イチリンハナレ」などで知られる齋藤宏文シェフが監修するモダンチャイニーズを提供。レストランはビジターの利用も可能だ。都心から約1時間半でたどり着く究極のリトリートで、心と体を解きほぐしたい。

沼津倶楽部

住所/静岡県沼津市千本郷林1907-8

https://numazu-club.com/

京都の雄大な自然に身を委ね、サーマルプールでリトリート

京都駅からクルマで約30分。2021年9月に開業した「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts(ロク キョウト エルエックスアール ホテルズ & リゾーツ)」は、中心部からアクセスしやすい場所にありながら、都会の喧騒から離れた京都・洛北の自然豊かな地に位置する。ホテルが建つ鷹峯エリアは、江戸時代に本阿弥光悦が芸術村を築きあげ、多くの芸術家を世に送り出した琳派発祥の地といわれる場所。

京都市内とは思えない雄大な自然に抱かれ、同時に日本文化の香りが漂う空間で、天然温泉を使用したオールシーズン利用できるサーマルプールをはじめ、伝統技術や文化的背景を反映させたアクティビティ、京料理とフランス料理の特徴を取り入れた料理など、秘められた京都の奥深い魅力に浸る唯一無二の体験を提案する。非日常のリラクゼーション空間を心ゆくまで楽しみたい。

ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts

住所/京都府京都市北区衣笠鏡石町 44-1

https://www.hilton.com/ja/hotels/itmolol-roku-kyoto/

「アマン」の創始者が手がける、瀬戸内海の日本旅館

Azumi(アズミ)は、ラグジュアリーホテルの概念を変えたアマンリゾーツの創始者、エイドリアン・ゼッカが立ち上げた新たな旅館ブランド。その第1号が、2021年3月、瀬戸内海に浮かぶ生口島(いくちじま)、瀬戸田にオープンした「Azumi Setoda(アズミ セトダ)」だ。

築140余年の豪商の邸宅「旧堀内邸」を数寄屋造りなどの伝統工法により丁寧に改築。母屋を改築したメイン棟は、建築当時の梁や屋根などを活かしつつモダンにアレンジした。全22室の客室は、蔵などの跡地に新設された宿泊棟にあり、プライバシーを重視した設計。約50〜70㎡の広さを持ち、杉や福光石(ふくみついし)といった上質な天然素材がふんだんに用いられている。

料理は土地の風土や生産者の想いが感じられる食材を厳選。かつて廻船問屋と塩田業で栄えた堀内家の旧邸宅の大広間であったダイニングで、その魅力を最も引き出す調理と味付けで一皿に昇華させ、素材や生産者と深くつながる食体験を提供する。

Azumi Setoda(アズミ セトダ)

住所/広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田269

https://azumi.co/ja/setoda/

五島の魅力を五感で感じるスモールラグジュアリーホテル

「五島リトリート ray by 温故知新」は、五島のシンボル「鬼岳」の噴火により形成されたとされる溶岩海岸を見下ろす高台に位置するスモールラグジュアリーホテルだ。内装設計とデザインは橋本夕紀夫が担当。2023年グッドデザイン賞、2024年第22回照明デザイン賞、最優秀賞受賞を受賞している。「The view」をテーマに、どこまでも続く美しい海景、身体を包み込む海風を表現。館内には、ダイナミックで雄大な自然が主役となるようなデザインがちりばめられている。

食事は、「島の恵み、そのままに。」をテーマに、五島の大自然が育む食材を、もっとも美味しいかたちでお届けする会席料理を用意。26室すべての客室は、五島の碧海を望む、オーシャンビューの露天風呂付きだ。なお、2026年2月1日より、この露天風呂を温泉化。江戸時代から続く五島列島で唯一の高温自噴泉「荒川温泉」の湯を利用したリトリートが楽しめるようになる。

五島リトリート ray by 温故知新

住所/長崎県五島市上崎山町2877

https://goto.by-onko-chishin.com/

神秘あふれる屋久島の自然に抱かれた、地産地消のオーベルジュ

「sankara hotel & spa (サンカラ ホテルアンドスパ)屋久島」は、世界自然遺産・屋久島への貢献を経営理念とするオーベルジュ型リゾートホテルだ。2010年開業時にホテル独自の「サンカラ基金」を設立。基金を活用し、ウミガメの保護活動や近自然工法による登山道整備など、屋久島の自然環境保護活動に継続的に取り組んでいる。

サンスクリット語で「天からの恵み」という意味を持つ「sankara」という施設名が示すように、ここには自然の恵み、食の恵み、時間の恵み、そのすべてが揃っている。約30,455㎡の敷地内に、客室はわずか29室。館内には2つのレストランがあり、屋久島をはじめ九州の食材を中心に仕立てられたフランス料理に舌鼓が打てる。

2022年にはプールサイドにプライベートサウナが誕生。屋久島の自然が持つエネルギーを取り入れた施術を提供するスパ「サンカラ サナ」も好評だ。

sankara hotel & spa 屋久島(サンカラ ホテルアンドスパ ヤクシマ)

住所/鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生字萩野上553

https://www.sankarahotel-spa.com/

Text: Aya Hasegawa

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる