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12月のバラの手入れと“がん腫病” 初心者のバラ育てQ&A【ガーデニング】

  • 2025.12.28

12月のバラの手入れと“がん腫病” 初心者のバラ育てQ&A【ガーデニング】

12月に入っても花をつけるバラはありますが、それでも気温が下がるにつれて根は活動を止めて休眠に入ります。この時期にやっておきたい作業と、しつこく悩ましいバラの病気について解説します。

Q 12月のバラのお手入れは何をすればいい?

A 寒さに強いバラは12月に入っても花を咲かせているかもしれませんが、最低気温が7℃以下の日が続くと株は生長を止めて、休眠という時期に入ります。

この休眠は、根が再び活動を始める2月中旬ごろまで続きます。株が活動していないわけですから、庭植えのバラには基本的に水やりは不要です。
鉢植えのバラは日当たりにもよりますが、7~10日に一度与えます。

また、休眠中であるということはいつもより手荒く扱っても株に影響を与えないということでもあり、だからこそ冬は移植や根の病気をチェックする作業の適期でもあります。

Q バラの移植はどうやればいいのですか?

A 思い付きで移植するのではなく、まず庭全体のデザインを考え、それに合った背丈やボリュームのバラを配置するようにしてください。花色のバランスも考えましょう。

また、植え場所は今までバラを植えていなかった場所にすることが大事です。植え床はバラ苗の植え付けと同様、幅、深さとも40㎝程度とし、穴を掘ります。

12月であれば元肥を入れても問題がないので、バラ専用の有機質肥料と腐葉土などを底に敷きます。土を薄くかぶせてから移植するバラを穴に入れます。

移植するバラはなるべく根を大きく深く掘り上げますが、休眠中なので根を切っても問題はありません。枝も扱いやすい程度に短く切っても大丈夫です。

植え床にバラを移して、周囲の土をもどします。庭の土質がよくない場合は、市販の赤玉土の中粒と小粒をブレンドしたものを数袋用意して使うのがよいでしょう。
移植したあとは暖かい昼前にたっぷりと水をやり、あとは特に作業は必要ありません。

Q 12月も病害虫対策は必要ですか?

A 今まで定期的に病害虫の防除をしてきた方も、これから春までは対策は不要です。
ただ、バラの悩ましい病気である「根頭がん腫病」の防除はこの季節が適しているといえます。

単に「がん腫病」と呼ばれることも多いこの病気は根治が難しく、バラを育てている人にとって本当に悩ましいものです。
根の付近にこぶ状の隆起物ができ、土を掘ると根に付着していることもあります。

がん腫病になってもバラはすぐにだめになるわけではなく、花は咲きますが、次第に樹勢が衰えて花も少なくなっていきます。
原因は土中のバクテリアと言われますが、苗を買ってきた時にすでに根に侵入していることが多く、被害を未然に防ぐのは難しいのです。

こぶを発見したらすぐに削り取って、傷口に石灰硫黄合剤を塗っておきますが、薬剤はあまり効果がないのがつらいところです。
一度発生すると、こぶを除去しても別の場所に移動することも多く、他のバラにも悪影響を与えかねません。

何度もこぶができる場合は、残念ですが株を抜き取って処分したほうがいいでしょう。
その際は病気の株の根が張っていた部分の土を新しい土に入れ替えます。

元の土のままでは新しいバラもまた、がん腫病におかされてしまうからです。
庭のスペースに余裕のある場合、元の場所にはしばらくの間、バラ以外の草花を植えておくほうが安心でしょう。

※2024年12月7日に配信した記事を再編集しています。

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