1. トップ
  2. 恋愛
  3. 統合失調症の姉と家族の20年間──大ヒット・ドキュメンタリー映画が書籍化&アンコール上映決定

統合失調症の姉と家族の20年間──大ヒット・ドキュメンタリー映画が書籍化&アンコール上映決定

  • 2025.12.25
統合失調症の姉と家族の20年間──大ヒット・ドキュメンタリー映画が書籍化&アンコール上映決定
「どうすればよかったか?」(文藝春秋)

姉と家族、20年の記録が突きつける問いが、スクリーンを越えて私たちに迫る

2024年12月公開の藤野知明監督作『どうすればよかったか?』。本ドキュメンタリー映画の裏側を描いた同名ノンフィクションが、2026年1月29日に文藝春秋より刊行される。これを記念し、1月24日から東京・ポレポレ東中野ほか、大阪・第七藝術劇場などでアンコール上映も決定した。なお、ポレポレ東中野では書籍の先行販売も予定されている。

面倒見がよく、絵がうまくて優秀な、8歳ちがいの姉。両親の影響から医師を志し、医学部に進学した彼女が、ある日突然、事実とは思えないことを叫び出した。統合失調症が疑われたが、医師であり研究者でもある父と母はそれを認めず、精神科の受診から姉を遠ざけた。その判断に疑問を感じた弟の藤野知明(監督)は、両親に説得を試みるも解決には至らず、わだかまりを抱えながら実家を離れる。

このままでは何も残らない——姉が発症したと思われる日から18年後、映像制作を学んだ藤野は、帰省するたびに家族の姿を記録しはじめる。一家そろっての外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親の話に耳を傾け、姉に声をかけつづけるが、状況はますます悪化。やがて両親は玄関に鎖と南京錠をかけ、姉を閉じ込めるようになり…。

20年にわたってカメラを通し、家族との対話を重ねながら、社会から隔たれた家の中と姉の姿を記録した本作。“どうすればよかったか?”という正解のない問いはスクリーンを越え、私たちの奥底に容赦なく響きつづける。分かりあえなさとともに生きる、すべての人へ向けた破格のドキュメンタリー。

20年にわたって自身の家族にカメラを向け続けた弟・藤野知明監督による本作は、2024年12月に公開されるとすぐに口コミで大きな話題を呼び、全国の映画館で満席や立ち見が続出した。ドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットを記録している。

今回刊行される書籍版では、映画に収めることを断念したショッキングな家族の事実や、姉や両親と過ごした時間の中で味わった悲しみ、怒り、混乱、葛藤、喜び、希望など、映像では伝えきれなかったさまざまな思いを、監督自身の率直な言葉で明かしている。

ひとつの家族の歴史を追体験するうち、息を呑むような衝撃に心を撃ち抜かれ、「家族とは?」「人生とは?」、そして「どうすればよかったか?」と問わずにはいられなくなる――。ままならない思いを抱え、それでも誰かと生きようとするすべての人に届けたい1冊だ。

■書籍化&アンコール上映にあたって 藤野知明監督メッセージ

映画では省略したことを文字にする機会を得たので、家で何が起きていたのか、私が何を考えていたのか、まとめました。

映画の中での口論の様子を見て、我が家が機能不全家族だったから姉が統合失調症になったのだろうという感想を目にしましたが、姉が発症する前、家で口論が起きることはほとんどありませんでした。激しい口論が起きたのは姉の状況に変化が起きてからのことです。

映画『どうすればよかったか?』の仮題は『姉が統合失調症を発症し、考えたこと』でした。この本はまさに仮題そのままの内容になっていると思います。

書籍「どうすればよかったか?」は文藝春秋より2026年1月29日発売。映画『どうすればよかったか?』は1月24日よりアンコール上映。

元記事で読む
の記事をもっとみる