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「いい感じにカットして」… お任せオーダー、実はハイリスク?元美容師が明かす、新規客の “丸投げ” がトラブルを招く納得のワケ

  • 2025.12.21

お任せ or 具体的オーダー、美容師はどっちがうれしい?

美容室でのカットやイメチェン。「自分に似合う髪型が分からないから、“良い感じ”にしてください」といったざっくりお任せオーダーや、「なりたい髪型があるのでコレにして」といった明確で具体的なオーダーなど、利用客側亜からの要望はさまざまです。実際のところ、美容師にとってどのようなオーダーが施術しやすいのでしょうか。元美容師の筆者が解説します。

筆者の印象になりますが、美容師には好奇心旺盛なタイプが比較的多いように感じます。趣味に振り切ったようなスタイルのお任せオーダーが大好きで、そんな要望には「ワクワクする」という話もよく耳にしました。

「根本はダークなカラーで毛先に掛けて明るくなるように。色味はお任せします♪」「目立つ髪型で。どんなスタイルになっても大丈夫!」……などなど、普段お願いされないような依頼は、本当に楽しいし腕がなると先輩たちが話していました。

美容室のイメージ
美容室のイメージ

とはいうものの基本的には、「似合うようにしてほしい」「簡単にスタイリングできる髪型で」といったオーダーが圧倒的に多いです。このようなお任せ依頼はリピーターのお客さんであればパパッとスタイルを提案できます。

しかし、新規のお客さんの場合、好みや趣味、仕事などのライフスタイルが分からないため「何となくこんな感じ」「似合うようにしてください」とオーダーされてもお客さん側がイメージしている「似合うスタイル」をぴったり当てることができません。

そのため、美容師から見たお客さんに似合うスタイルにしても、「短くカットし過ぎ」「色味がちょっと……」「パーマが掛かり過ぎ/ゆる過ぎ」といったトラブルにつながりやすくなります。

一方リピートのお客さんは、何度も足を運んでくれているのでライフスタイルや趣味、好みなど、ある程度把握できています。そのため「似合うように」「お任せで」といったオーダーでも、髪質や輪郭、自宅でのケアしやすさなどを考慮しつつ気に入ってもらえるようなヘアスタイルをイメージできます。

この常連のお客さんからの「ざっくりお任せオーダー」は、担当の美容師と信頼関係が築けているからこそできること。「『満足できるスタイルにしてくれる』と思ってくれているんだな」とうれしくなります。

新規のお客さんからの「自分に似合う髪型が分からないから“良い感じ”にしてほしい」というオーダーは、リスクが高いため「お任せ」の一言で丸投げされるのは避けたいところ。長さやなりたいイメージ、逆になりたくないイメージ、普段のスタイリング方法、色味やパーマの掛かり具合など、最低限、押さえたいポイントを教えていただき、お互いがイメージしているスタイルが合致しているか確認したうえで、よやく施術に入ることができます。

美容師からこれほどいくつも確認事項を聞かれれると「全然お任せじゃない」と思われるかもしれません。ですが、新規の方の場合ここまで確認しないと、仕上がりに満足してもらえないケースが多いため、複数の事柄を確認して納得できるスタイルを提案させていただくのです。

では、希望の髪型が具体的に決まっている場合はどうでしょうか。ヘアスタイル雑誌やネットなどから希望のスタイルを見つけておいてもらえると「助かる」という美容師も多数います。

ゴールが決まっているため、そこに向かって施術していけば、仕上がりに満足してもらいやすいというのがその理由です。なりたいスタイルが決まっているというのは、お客さんだけでなく美容師にとっても安心なのです。

大まかなオーダーの場合、仕上がりのイメージもふんわりして固まっていない状態。人によって捉え方が異なるため、お客さんと美容師との仕上がりイメージも完全に一致してはいません。一方、具体的に決まっているオーダーは、長さや色味などしっかり共有できるるので、双方の認識がずれる可能性が低くなります。

写真や画像があれば、なりたいスタイルがより明確になるため納得してもらいやすいスタイルが提案できます。

写真や画像のスタイルの方と実際のお客さんの髪質や量、希望の長さ(見本より少し長め or 短めなど)が違えば、見本とは少し雰囲気が異なる場合も当然あります。ただその場合も、お客さんの希望のスタイルに寄せて仕上げられるので、「思っていたイメージと全然違う」といった悲しい状況にはなりにくいのです。

美容師は皆、全てのお客さんが喜んでくれるスタイルに仕上げたいと日々努めていますが、新規や初めて担当するお客さんの場合、好みの髪型やファッションの傾向、趣味やライフワークなど分からないことだらけです。

施術前のカウンセリングだけを頼りに好みやなりたいイメージを察して施術するのは本当に難しいこと。だからこそ、初めての施術の際には具体的な長さや色味を示してもらったり、写真や画像を見せてもらったりする方が美容師としてはありがたいのです。

ざっくりオーダーと具体的なオーダー、どちらの方がやりやすいかは、状況によって異なります。また、ざっくりしたお任せオーダーの方がやりがいがあって得意という美容師がいれば、具体的なオーダーの方がお客さんの希望が分かりやすいから好きという者もいます。

どちらのオーダーにも良い点やそうでない点がありますので、いずれに場合であってもお客さんの希望する長さや色味、絶対譲れないことなどを示してもらえると、美容師側もスムーズに施術できるはずです。

(マキタサナエ)

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