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元宝塚歌劇団・月組娘役スター【彩みちる】退団を決めたとき。『るろうに剣心』の弥彦役からアデレイド役まで!

  • 2025.12.21

今回のゲストは元宝塚歌劇団・月組娘役スターの彩みちるさん。いくつもの「かわいい」の引き出しを持ち、その自己プロデュース力の高さは注目の的でした。華やかな存在感と、卓越した演技力で観客を魅了してきた彩さん。まずは、宝塚時代のお話から伺ってまいります。記事の最後には未公開カットもたくさん掲載されていますのでどうぞお楽しみください!

寝る瞬間まで「幸せだなぁ」と感じていました。

元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
美夢ひまり(以下 美夢)

ご卒業おめでとうございます!


彩みちるさん(以下 彩さん)

お久しぶりです! 無事に卒業しました~!


美夢

来ていただけてうれしいです! さっそくお話を伺っていきたいと思いますが、千秋楽の日はどのような気持ちで過ごされましたか?


彩さん

宝塚大劇場での千秋楽では、自分の気持ちが大きく前進した感覚がありました。東京公演の千秋楽は、宝塚人生の最後の日なのでいろいろな想いがありましたが……本当にすっきりしていましたね。


美夢

本当に晴れ晴れとしたお顔で。


彩さん

宝塚人生の集大成としてこの1日を思いっきり楽しもうと思っていましたが、ファンの皆さま、月組の仲間、そして駆けつけてくれたOGのみんなが、いつも以上にたくさんお心を寄せてくださって、寝る瞬間まで「幸せだなぁ」と感じていました。


美夢

ご卒業を決意されたきっかけは何かあったのでしょうか?


彩さん

宝塚でずっと背中を追い続けてきた上級生の方や、たくさんのことを学ばせていただいてきた方がどんどんご卒業されていかれて、「宝塚で学べること」が極端に減ってしまったんです。それはもちろん当たり前のことで、自分が上級生になり、下級生に伝えることで学ぶこともたくさんあるのですが、宝塚から一歩外に出たらまた新たに学べることがあるのかな、と新しい可能性を考えるようになったことですね。


美夢

なるほど。


彩さん

自分の可能性を宝塚だけで終わらせるのではなく、外に出たらもっと世界が広げられるのかもしれない、と思いはじめました。時期としては雪組時代にご一緒させていただいていた月城かなとさん(※編集部注:元月組トップスター)がご卒業されたあたりからですね。


美夢

1年ちょっと前くらいですね。


彩さん

はい。そこからどのタイミングで卒業するか、を考えたときに月組で『GUYS AND DOLLS』を上演することが発表されました。娘役の役が少ないな……、どうかな……、と思っていたところ、アデレイド役をさせていただくことを事前に劇団から伝えていただきまして。


美夢

ポスター撮影があるから、事前に分かったのですね。


彩さん

そうなんです。娘役としてこの先アデレイド以上のお役には出会えないのではないかと感じたので、この役に自分のすべてをかけて卒業しようと決めました。


美夢

これぞ集大成と言える、見事な舞台でした。


彩さん

ありがとうございます。


明神弥彦として生きた『るろうに剣心』

元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
美夢

どの作品にも思い入れがあると思いますが、あえて挙げるならどの作品が心に残っていますか?


彩さん

今まで『星逢一夜』の新人公演で初めてヒロインをさせていただいたときのお話をすることが多かったのですが、”彩みちる”というタカラジェンヌを一番たくさんの方に認識していただいたのは『るろうに剣心』の弥彦役だと思っています。


美夢

強烈なインパクトでしたね。


彩さん

「あの子は誰?」とたくさんの方に言っていただけた作品です。他組の上級生の方からも「弥彦をやっていた子だよね?」と声を掛けていただくことが多かったですね。


美夢

私もまさにその1人です(笑)


彩さん

弥彦役は”彩みちる”という存在を認識していただけた、大切なお役です。当時はまだ下級生でしたが、子役だったのでそこがうまくリンクしたと言いますか、何をしでかすか分からない、びっくり箱のような芝居を「弥彦」として周りの上級生の方が受け止めてくださいました。


美夢

まさに体当たりですね。


彩さん

本当にそうでした。右も左も、上も下も分からないような私が、周りの方に助けていただいて明神弥彦として生きられた『るろうに剣心』は、自分の中でとても大切な作品ですね。


芝居で、人とは違うことをしようと考えることがすごく楽しくて。

元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
美夢

みちるちゃんと言えば、その卓越した演技力が魅力のおひとつですが、お芝居をされるときに心がけていらっしゃることはありますか?


彩さん

セリフを追うのではなく、そのセリフを発する前の自分の心の動き、相手のセリフの聞いたときの心の動きを一番大切にしていますね。台本は決まっているので、「このセリフを言う感情になれないな……」という部分を稽古場で徹底的に消化します。


美夢

心の動きですね。お芝居はもともとされていたのでしょうか?


彩さん

いや、バレエの発表会でちょっと演技をしたことはありましたが、その程度です。母が舞台が大好きなので小さい頃からたくさんの作品を観ていて、そこで自然と吸収していたのかもしれないですね。


美夢

お芝居に目覚められたのはいつ頃ですか。


彩さん

宝塚音楽学校時代の谷正純先生の演劇の授業です。同期の男役さんと組んで『ロミオとジュリエット』を発表するという課題があったんです。芝居はもちろん、小道具の配置や使い方など、自分たちで演出する形だったのですが、人とは違うことをしようと考えることがすごく楽しくて、お芝居の楽しさにのめり込みました。すべて谷先生のおかげです。


人として、舞台人として基礎的なことはすべて宝塚で教えてもらった

元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
美夢

「宝塚」はみちるちゃんの人生においてどのような存在ですか?


彩さん

それはもう、人生の半分くらいを過ごした場所なので……卒業した今も自分の8割くらいはまだ宝塚が占めています。たくさんの経験をして、絆が育まれた素晴らしい仲間がいる、大きな存在ですね。


美夢

そうですよね。退団して10年以上経ってもすごく大きな存在です。


彩さん

卒業した今改めて、人として、舞台人として基礎的なことはすべて宝塚で教えてもらったなと感じています。


美夢

もう次の舞台も発表されていますが、意気込みをお伺いできますか?


彩さん

初めての外の舞台になるので、下級生に戻るような気持ちですが、やはり宝塚で学んできたこと、吸収したことがどれくらい通用するのか、そこをきちんと提示したいですね。宝塚の唯一無二の世界から外の世界に飛び出したことで、自分がどのように変わって行くのか、勉強できることがまたたくさんあると思うので、しっかり学びたいです!


美夢

ありがとうございます。楽しみですね。では来週も引き続き、いろいろなお話を伺っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!


彩さん

はい、頑張ります! 皆さま、来週も是非ご覧下さい!


元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん
元宝塚歌劇団 月組 彩みちるさん

【彩みちるさん・プロフィール】

彩みちる(Michiru Irodori)
東京都出身。2013年宝塚歌劇団入団。雪組公演『ベルサイユのばら』で初舞台、その後組まわりを経て雪組に配属。15年『星逢一夜』新人公演初ヒロイン、16年『ドン・ジュアン』でドラマシティ・東上公演初ヒロイン。21年月組に組替え。卓越した演技力で存在感を示し、組を代表する娘役として活躍。在団中の主な出演作は、『るろうに剣心』(明神弥彦役)、『CITY HUNTER』(野上冴子役)、『今夜、ロマンス劇場で』(成瀬塔子役)など。25年『GUYS AND DOLLS』(アデレイド役)で宝塚歌劇団を退団。26年5月には『アイ・ラブ・坊ちゃん』への出演が控えており、今後の活躍が期待される。

【NEWS】彩みちるさん、最新出演情報!
ミュージカル『アイ・ラブ・坊っちゃん』

出演:井上芳雄、三浦宏規、小林 唯、彩 みちる、松尾貴史、土居裕子 ほか

【東京公演】明治座 2026年5月1日(金)~5月31日(日)
【北海道公演】札幌文化芸術劇場hitaru 2026年6月
【大阪公演】skyシアターMBS 2026年6月

▶詳細はこちら

撮影/大坪尚人 ヘアメイク/Storm(Linx) 取材・文/美夢ひまり

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