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出回る苗木に飾りつけをして楽しむ【マートルのクリスマスツリー】甘い香りのハーブで心穏やかに!

  • 2025.12.17

出回る苗木に飾りつけをして楽しむ【マートルのクリスマスツリー】甘い香りのハーブで心穏やかに!

クリスマスが近づくと街も華やいで、いつもより少し心が浮き立つよう。身近にあるハーブを使って、そんな気分を形にしてみるのも楽しいものです。今回は祝いの木の名前でも出回るハーブ・マートルを使ったクリスマスツリーを、ハーブ研究家の桐原春子さんに教えていただきました。

マートルをクリスマスツリーに見立てて

クリスマスツリーといえば、モミノキやドイツトウヒが定番ですが、常緑のハーブで仕立てる小さめのツリーも、またひと味違った趣があります。庭の植物や園芸店で出回る苗木に、自由な発想で飾りつけをし、香りとともに心穏やかな時間を過ごしたいものです。

ツリーに使うのは、「マートル」のように、祝祭にふさわしい、いわれをもつハーブがおすすめ。

「つやつやと輝く常緑のマートルは、葉も花も香り、古くからヨーロッパ人に尊ばれました。イギリスではマートルがうまく育つと家が栄えるといわれるとか。枝がしなやかでたわめることが可能なので、木の状態でどんな形にするか考えるといいですね」

クリスマスが終わったら飾りをはずし、日当たりのよい場所に移しましょう。

【マートル】
フトモモ科/常緑低木

和名ギンバイカ。高さ4〜5m程度に育ち、よく枝分かれする。先がとがった卵形の葉はつやがあり、夏に金色のおしべを多数もつ純白の花を咲かせる。花と葉には甘い香りがある。葉を肉料理の風味づけに使うことも。日当たりと水はけのよい場所を好むが、寒冷地では鉢植えにして育てる。「祝いの木」の名で流通することもある。

祝祭にふさわしいマートルをおしゃれにスタイリング

めでたい木とされるマートル。その若木をクリスマス仕様にアレンジしました。オーナメントの色は白やシルバー、クリスタルですっきりと統一し、素焼き鉢にも白の水彩クレヨンでストライプと点々をラフに描いています。

マートルの柔らかい枝を傷めないよう、ほとんどのオーナメントにワイヤをとりつけて土に差し込んだり、鉢に引っかけたりしているのが特徴。枝には軽いものを少しぶら下げるだけにとどめます。

カーブをつけた太めのワイヤや、くるくると巻いたワイヤのラインが印象的な、スタイリッシュなアレンジです。

Point

ツリーに太めのワイヤをつけ、星なども下げる。雪の結晶のリングやモールも用意。小さなリングは結晶の形のボタンをワイヤに通して、輪にしたもの。プラスチック製のクリスタルには鉛筆に巻いてらせん状にしたワイヤをつける。

鉢土は綿で覆い、ワイヤをつけた雪の結晶のリングは鉢の縁に引っかけて垂らす。クリスタルの飾りは、ワイヤにカーブをつけて鉢土に差し込む。

西洋で尊ばれる「祝いの木」を英国調にデコレーション

古代ギリシャ時代から花嫁の花冠に使われてきたマートル。英国ではヴィクトリア女王が、夫の祖母からプレゼントされた花束の中のマートルを、離宮のワイト島で育て、それがエリザベス女王やキャサリン妃の花嫁のブーケにも使われました。今回使ったマートルはそのワイト島で購入したものです。

まだ苗の状態なので、小さめのマツボックリを枝に結んだシンプルな飾りつけに。株元はポプリや金色のオーナメントで覆い、鉢にクリスマスカラーのコットンのリースを。周囲に英国ヴィクトリア時代に流行した貝殻やポプリポット、カードなどを飾り、いっそうの物語性を添えて。

Point

枝が細い場合、マツボックリはカラマツなどの小型のものを。金色の市販品を利用したが、自分で彩色しても。リースは小さな丸いクッションをいくつか作り、リース型に重ねて縫いとじ、リボンと鈴を飾り、ワイヤで鉢の縁にかける。

ヴィクトリア時代にはやったという2種のドライハーブ(ハーブティー用のダマスクローズとセンテッドゼラニウムのポプリ)を、土を隠すように敷き詰め、さりげなく香りとストーリーをプラスした。さらに、金色の星のオーナメントもふんわりのせて、株元も華やかに。

撮影/川部米応

※この記事は「ゆうゆう」2015年12月号、2016年12月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

※2024年12月20日に配信した記事を再編集しています。

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