「お前なんか産まなきゃよかった」と叫ぶ毒母。しかし、息子の一言をうけて、母が泣いたワケ【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

結婚3年目の主婦です。これは、夫と義母の完全なる「決別」の物語です。

義母はいわゆる「毒親」でした。夫を「老後の資産」や「道具」扱いし、「恩を忘れるな」が口癖。就職先から給料、住む場所にまで口を出す過干渉ぶりに、私たちは長年苦しめられてきました。

優しく責任感の強い夫は「親だから」と耐えてきましたが、精神的にもう限界でした。私たちは義母の支配から逃れるため、遠方への転居を決意しました。

報告のために実家を訪れると、案の定、義母は激昂。「親を捨てる気か！」とヒステリーを起こし、手当たり次第に物を投げつけました。夫が静かに説得しても火に油を注ぐだけ。

そして感情が爆発した義母は、決して言ってはいけない一言を放ちました。

「お前なんか、産まなきゃよかった！！」

その場の空気が凍りつきました。しかし、夫の表情は意外なほど穏やかで、どこか憑き物が落ちたようでした。彼は真っ直ぐ義母を見つめ、静かに言いました。

「その言葉を聞けてよかった。これでやっと、あなたの息子を辞められる」

夫は続けました。

「一人にする罪悪感があったけど、産まなきゃよかった子供なら親孝行も不要だよね？今までの養育費は手切れ金として振り込むよ。さようなら」

義母は顔面蒼白になり、支配下にあった息子を失う恐怖に襲われたようでした。

「待って、言い過ぎただけなの！」と泣き崩れてすがりつきましたが、夫は二度と振り返りませんでした。

引っ越しを済ませた私たちは現在、絶縁状態です。義母が泣いて暮らしていると聞いても、夫の決意は揺らぎません。

あの日、夫が見せた背中は、今までで一番頼もしいものでした。

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