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“もらい損ね”ないように自治体の支援を調べよう! フェムケア最新トピックス

  • 2025.12.9

妊娠・出産に関する国の施策が次々に発表されるなど、変わりゆくフェムケア関連の最新トピックスを専門家が解説。ここでは、「お金」にまつわるニュースをお届けします。

出生率が低下して高齢化が進む現代において、anan読者世代にも関わる「出産と子育て」を支援する施策が進んでいる。象徴的だったのが、2023年の「出産育児一時金」の増額。

「『異次元の少子化対策』の一環として始まったこの制度は、現時点では出生率の上昇への効果は未知数ですが、子どもを持つことへの心理的・経済的ハードルを下げたという点で一定の効果はあったと考えられます。またこの制度をきっかけに、出産費用の保険適用や東京都での無痛分娩費用の助成など、より包括的な支援策が検討される流れが生まれました」(ファイナンシャルプランナー・西山美紀さん)

今春から始まった新制度「妊婦のための支援給付」は、経済的な支援にとどまらないのが特徴という。

「従来の『出産・子育て応援交付金』を刷新した国の制度ですが、“妊婦のための”と謳っている通り、妊娠した女性をケアしようという意思を強く感じる内容に。妊娠中の困りごとや不安について、保健師や助産師による面談や相談が受けられるなど、妊婦を支える体制が整えられてきています」

今年4月に創設された「出生後休業支援給付金」は、夫婦ともに子育てする基盤をつくり、女性の仕事復帰をサポートする制度。「女性活躍」を推進する国の方針もあり、女性支援の政策は今後も継続されるはずと、西山さん。

「産後の女性が孤立しないようにメンタルヘルスの支援や、子育て中の女性が働きやすい環境整備もより進んでいくと思います。anan読者世代の女性たちは、使える制度はきちんと利用し、SNSで喜びの声をあげたり、自治体のサイトから意見を伝えることが大切です。反響があればさらに予算が割かれたり、新しい施策の導入にもつながるかもしれません。そして“もらい損ね”ないように、自分が住む自治体の支援を調べましょう。『妊娠 もらえる ○○区』などのキーワードで検索するのがオススメですよ」

① 「妊婦のための支援給付」が4月から支給スタート

今年4月に施行された「妊婦のための支援給付」は、従来の「出産・子育て応援交付金」に代わる新制度。医師により妊娠が確定されたら一律5万円、出産予定日の8週間前以降に胎児の数×5万円が支給される。

「各自治体が運営しており、相談支援も併せて提供されるのが特徴です。オンライン申請ができる場合もありますが、住んでいる自治体独自の付加サービスがあることも。妊娠がわかったら早めに調べて活用してみてください」(西山さん)

② 東京都の「無痛分娩費用の助成」が各メディアで話題に

東京都では今秋から、出産する都民を対象に無痛分娩の費用を一部助成する制度が始まり、注目を集めている。東京都が指定する「対象医療機関」での出産などが条件で、助成額は最大10万円。

「無痛分娩のニーズは高まっており、東京都をモデルケースにしてほかの自治体でも導入されるかもしれません。ただ、助成があるからと安易に選択せず、無痛分娩のリスクや医療機関との相性なども考慮したうえで検討することが重要です」

③ 4月に「出生後休業支援給付金」が創設

共働き・共育てを後押しするための給付金も今年4月に創設。雇用保険の被保険者であり、夫婦ともに通算14日以上の育児休業を取得することを条件に、最大28日間支給される。

「この制度は、男性に子育ての大変さを理解してもらう意味合いもあり、夫婦ともに育児休業を取ることで、既存の育児休業給付金と合わせて、実質1か月分の手取り相当額が夫婦に支給されます。最寄りのハローワークか勤務する会社に問い合わせましょう」

お話を伺った方

西山美紀

出版社勤務を経て、ファイナンシャルプランナーやライターとして活躍。女性の生き方やマネーをテーマに執筆や講演を行い、貯蓄と幸せを両立させる秘訣を伝えている。

イラスト・イソガイヒトヒサ 取材、文・熊坂麻美

anan 2472号(2025年11月19日発売)より

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